組織

データサイエンスを現場の敵にしないために

ビジネスの成果をあげるために、データサイエンスを活用したい!  DXを推進したい!
そう、考えていても、現場担当者の抵抗で、取組が進め辛い。
そんな話をしばしば耳にします。

でも、データサイエンスの効能が理解できないうちに、「AIはあなたの仕事を奪うかもしれない」などというSF的で乱暴な情報だけを聞きかじっていたとしたら、確かにその仕事の担当者からすると、抵抗したくなる気持ちは分かります。

おそらく、そこには大きな誤解があるのです。

そういった誤解を払拭するためにも、
データサイエンスで課題を解決するには、取組における順序が大切です。
理想的な順序は、

1.成果に直結する判断根拠の「見える化」を果たす
      ↓
2.得られたロジックをビジネスで使える形に実装する

かっこのデータサイエンスにおいては、これが典型的な勝ちパターンです。
どういうことなのか、具体例をあげて詳しく説明していきましょう。

成功に直結する判断根拠を「見える化」する

経験と勘を基に、職人的に仕事をこなし、発注計画を作ってきたベテラン社員Aさん(60歳)が、居たとします。
彼は口下手なこともあり、ノウハウは満足に言語化も、ドキュメント化もされておらず、後輩は、彼の背中を見て、仕事を盗んで覚えるしかありませんでした。
しかし、Aさんの定年時期は迫っており、何とか同レベル以上の後継者を育てなければ、業務に深刻な影響が出そうです。

このようなケースにおいて、まず、すべきことは、Aさんへの徹底的な取材です。
把握したいことは、シンプルに以下の2点です。

・どのような情報、データを判断の材料にしているのか
・仮説として、どんなデータを新たな材料として加えれば、もっと良い仕事が出来そうか

職人的な担当者であっても、必ず、何かのデータ(情報)を基に、これまでの経験と勘を働かせているものです。
そのデータを取り寄せて、統計的な手法で成果に対する彼の判断根拠を「見える化」させる。
これが、第一歩です。
また、「仮説」はあるけど、活用できていないアイデアも、ここで対象にして評価します。
統計的なアプローチは、分析対象のデータの「何」が「どうなったとき」、「起きること」を確率で出してくれます。

アウトプットとして分かることは、こんなことです

・Aさんが判断に使っているデータのうち、成果の追求に貢献しているものが明確になる
・成果の追求に貢献すると「仮説」されていたデータについて、貢献有無が、ハッキリする
・データが何を示したとき、どう判断・行動すると、高い確率で何が起きるか明確になる

このアウトプットを使って、得られる期待効果はこうです。

・ブラックボックスになっていたAさんの能力を経営的に評価できるようになる
・Aさんのノウハウが、確率論で裏付けられ、新人にも活用できるナレッジが生まれる
・仮説の実証により、さらに高いレベルで成果を追求できる可能性が生まれる

ブラックボックスになっていたノウハウが、経営的に活用できる状態に「見える化」されることで、客観的にビジネスにおけるAさんの貢献度が明らかになります。
Aさんを正しく評価できるようになるわけです。

「Aさんのしてきたことの凄さ」が論理的に証明され、その仕事ぶりに対してリスペクトが得られる状況が作れれば最高です。

誰もが使えるようにデータサイエンスを実装する

ここで得られた成果を、どうビジネスに使っていくのか、データサイエンスによる本格的な問題解決は、実は、ここからです。

得られた分析結果を活用して、「確率」と「期待値」に基づいて人間の判断が行われるようにする。

これだけでも、立派にデータサイエンスをビジネスに活用したことになります。

このようなプロセスで、成果をあげるためのロジックが明らかになると、それを使っていく上で、次の課題が見えてきたりします。

判断をくだすために必要な大量のデータをまとめて処理したり、集計して、統計的な結果が簡単に見られるようにならないと、人間の「判断」のスピードをあげたり、効率化させることには限界がある。

と、なれば、結果を出すのに必要なデータに限って、毎日自動で処理され、判断のための材料を算出してくれるサービスを開発して、ビジネスに実装すれば良いのです。

また、判断に使われるデータと、判断の内容、それによって期待できる効能が、経営に理解できる状態になったことで、業務の一部、または全部を「AIに任せてみよう!」、「自動化させてしまおう!」という経営判断が出来るかもしれません。

つまり、このプロセスを大事にすれば、社内の理解を勝ち取って、データサイエンスの活用は一気に進められるようになるのです。

まとめ

データサイエンスをビジネスの現場で活用するには、

1.成果に直結する判断根拠を「見える化」する
2.得られたロジックをビジネスで使える形に実装する

という順序で、取組を深めていく事が理想であるということが、イメージできたでしょうか?
分析は、そのままでは単なる計算結果にすぎません。
そこから得られたロジックやアルゴリズムを実装して、はじめて、経済的な価値は生み出されます。

かっこのデータサイエンスでは、このような一連の流れを、お客さまと伴走しながら実施していますので、お気軽にご相談ください。

さきがけKPI


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