旅行の計画を立てるとき、ホテルのプラン選びで悩む人は多いのではないでしょうか。
実際に、私も友人と4人で大阪旅行をするのですが、
- そもそもの大阪のホテルの1泊の価格相場がわからない
- 条件ごとにどれだけ価格相場よりも高く/安くなるのかわからない
ため、
どのように条件を絞れば良いか分かりません。
そこで、上記の2つをデータ分析によって明らかにし、今回のホテル探しでの検索条件を決めました。
判断材料として、条件ごとに大阪の価格相場と比べたときの価格差をまとめたので、大阪に旅行する際の参考にしていただけると嬉しいです。
目次
結論
- 大阪のホテルの価格相場は1泊4500円である
- 大阪市外は、価格相場より2000円高くなる
- 部屋タイプは値段を抑えるならツインか4ベッド、和室は3000円高くなる
- 朝・夕の食事付きプランは、11000円高くなり、一般的な外食費用と比べて非常に高い
- 温泉付きのプランは価格相場より3000円高くなる
- チェックアウト終了時刻が10時は4000円、12時は10時の倍の8000円になる
また、各条件が価格に与える影響は次の表の通りです。価格差は大阪の価格相場を基準にしています。今回、コロナ禍で集計したため、コロナの影響が無くなると、内容は陳腐化してしまう可能性があります。このことから、価格の上昇率/減少率もまとめました。
地域
大阪市内(大阪ベイエリア除く) | 大阪ベイエリア | 大阪市外 | |
価格差 | -500(-11%) | +1000(+22%) | +2000(+44%) |
部屋タイプ
ツイン | 4ベッド | 和室 | |
価格差 | ±0 | ±0 | +3000(+66%) |
食事
食事なし | 朝のみ | 夕のみ | 朝・夕 | |
価格差 | -1000(-11%) | +1000(+11%) | +6000(+133%) | +11000(+244%) |
温泉
温泉なし | 温泉あり | |
価格差 | ±0 | +3000(+33%) |
チェックアウト終了時刻
10時 | 11時 | 12時 | |
価格差 | -500(-11%) | +500(+11%) | +3500(+77%) |
引用したサイト
今回のホテルに関する情報は、じゃらんnetというサイトからスクレイピングして抽出しました。(2021/5/7時点)
また、旅行人数は、わたしが計画する「4人」に絞って情報を取得しています。
以下がじゃらんnetで取得した項目です。
- ホテル名
- プラン名
- 価格
- 部屋のタイプ
- 食事の有無
- 温泉の有無
- チェックアウトの終了時刻
※なお、ホテルごとのプラン数ですが偏りがあると、価格などの傾向が特定のホテルに依存してしまうため、ホテル1つにつき、最大3つまでプランを取得しました。
大阪のホテルの価格相場は1泊4500円
まず、大阪のホテルの価格帯を知るためにヒストグラムを作成しました。
上の図から、4000円付近のホテルが多いことが分かります。
また、30000円や40000円と極端な価格のホテルがあることが分かります。
さらに、価格の平均値と中央値を調べたところ、それぞれ6900円、4500円でした。
このことから、平均値は極端な値に影響を受けやすいため、中央値と差が出てしまったと考えられます。
以上から、価格の中央値である4500円を大阪の1泊の価格相場としました。
各条件による価格の影響
これからは、1泊4500円を相場とし、各条件によって価格にどれだけ差があるのか分析したいと思います。
また、プラン数が少なすぎると、分析できないため、条件に当てはまるプラン数が小さいものは除外しました。
大阪市外は価格相場より3000円高くなる
まず、大阪市内と大阪南部、大阪東部、大阪北部の4つの地域に分けて、価格の分布を箱ひげ図を用いて可視化しました。
上の図から、大阪市内とその他の地域では大阪市内の方が価格の相場が安いことが分かります。
また、大阪市内は外れ値が多く、他の3つの地域は外れ値が少ないことから、大阪市内のホテルのプランが多いことが分かり、大阪市内のホテルの需要が高いと考えられます。
したがって、需要が低い3つの地域をまとめて、大阪市外とし、大阪市内と大阪市外の2つの価格相場を大阪市内の外れ値が多いため、平均値ではなく、中央値で比較しました。
その結果、大阪市内と大阪市外の価格の中央値はそれぞれ4500円、6500円で、大阪市外のホテルは市内と比べて相場が2000円高いことが判明しました。
以上から、大阪の価格相場と比べると、大阪市外は2000円高いことが分かりました。
大阪市内ではUSJエリアが1000円高くなり、その他の地域は500円安くなる
さらに、大阪市内を6つの地域に分けて価格の分布を箱ひげ図を用いて可視化しました。
上の図から、大阪ベイエリアを除いて、価格差がほとんど見られないことが分かりました。
また、大阪へ旅行する時、目的は USJかそうでないかに分けられるのではないかと考えました。
したがって、大阪ベイエリアとその他の地域で価格を比較します。この際、大阪駅エリアやなんばエリアは外れ値が多いため、平均値ではなく、中央値で比較しました。
その結果、大阪ベイエリア以外の地域は4000円、大阪ベイエリアは5500円でした。
以上から、
- 大阪ベイエリアを除く大阪市内は、大阪の価格相場と比べると500円安い
- 大阪ベイエリアは大阪の価格相場と比べると1000円高い
ことが分かりました。
部屋タイプは値段を抑えるならツインか4ベッド、和室は3000円ほど高い
次に、部屋タイプごとの価格を見ていきます。
プラン数が多い部屋タイプごとの価格を箱ひげ図で可視化しました。
また、部屋タイプがその他となっているプランを調べたところ、ほとんどが部屋タイプお任せのプランであることが分かりました。
このことから、その他は複数の部屋タイプからなるプランであり、部屋タイプごとの価格を分析できないため、その他を分析対象から除きました。
箱ひげ図を見ると、ツインと4ベッドの価格はほとんど変わりませんでした。
和室はホテルによって価格差、ツインと4ベッドよりも価格が高いホテルが多いことが分かりました。
また、外れ値が多いため、この3つの価格の中央値を比較すると、
ツインと4ベッドは4500円、和室は7500円でした。
以上から、
- ツイン、4ベッドは大阪の価格相場と比べると変わらない
- 和室は大阪の価格相場と比べると3000円高くなる
ことが分かりました。
朝・夕の食事付きプランは、11000円高くなり、一般的な外食費用と比べて非常に高い
次に、食事の有無によって価格差がどれほどか調べました。
食事の有無については、食事なし、朝のみ、夕のみ、朝・夕の4つに分類しました。
以下が食事のタイプごとの価格を箱ひげ図で示したものです。
図から分かるように、食事なし、朝のみ、夕のみ、朝・夕の順で価格帯が上がっていることが分かります。
さらに、食事タイプごとの価格の中央値を示す表は以下のようになりました。
食事なし | 朝のみ | 夕のみ | 朝・夕 | |
中央値 | 3500円 | 5500円 | 9500円 | 15500円 |
食事なしとの価格差 | +2000円 | +6000円 | +12000円 |
上の表からは、どの食事タイプでも一般的な外食の費用と比べて高いことが分かります。
以上から、
- 食事なしは大阪の価格相場と比べると、1000円安くなる
- 朝のみ、夕のみ、朝・夕は大阪の価格相場と比べると、それぞれ1000、5000、11000円高くなる
ことが分かりました。
温泉付きのプランは価格相場より3000円高くなる
次に温泉の有無で価格差があるか調べました。
温泉の有無による価格の分布を箱ひげ図を用いて可視化しました。
上の図から、温泉ありの方が高くなることが分かります。
また、温泉なしは外れ値が多いことから、平均値ではなく中央値で比較すると、温泉なしが4500円、温泉ありが7500円でした。
以上から、
- 温泉なしは大阪の価格相場と比べると変わらない
- 温泉ありは大阪の価格相場と比べると3000円高くなる
ことが分かりました。
チェックアウトの終了時刻が10時は4000円、12時は10時の倍の8000円に
最後にチェックアウトの終了時刻がどの程度価格に影響するのか調べました。
以下の表は、チェックアウトの終了時刻ごとに中央値を示したものです。
9,13時はプラン数が少なかったため、除外しました。
10時 | 11時 | 12時 | |
中央値 | 4000 | 5000 | 8000 |
上の表から、10時は4000円以下、11時は5000円以下のホテルがおよそ半分を占めることがわかりました。
さらに、12時は、10時に比べて4000円ほど高くなることが読み取れます。
以上から、
- 10時は大阪の価格相場と比べると500円安くなる
- 11、 12時は大阪の価格相場と比べると、それぞれ500、3500円高くなる
ことが分かりました。
まとめ
以上の集計から、
- 大阪のホテルの価格相場は1泊4500円である
- 大阪市外は、価格相場より2000円高くなる
- 部屋タイプは値段を抑えるならツインか4ベッド、和室は3000円高くなる
- 朝・夕の食事付きプランは、11000円高くなり、一般的な外食費用と比べて非常に高い
- 温泉付きのプランは価格相場より3000円高くなる
- チェックアウト終了時刻が10時は4000円、12時は10時の倍の8000円になる
ということが分かりました。
ちなみに、4人でUSJを目的に旅行を計画する私が、この判断材料をもとに条件を絞るなら…
- 価格は1000円高くなるが地域は大阪ベイエリア
- 4人でツインだと2部屋に分かれてしまう可能性があるため除外し、和室より3000円ほど安くなる4ベッド
- 食事は外食できる場所があり、朝・夕合わせて11000円もかからないため、食事なし
- 温泉は3000円も高くなるため、温泉なし
- チェックアウト終了時刻はUSJで朝早く、500円安くなるため、10時
が最適な検索条件になるとわかりました。
今回は、わたしのインターンの試用期間課題から、ホテル選びを事例に記事を書いてみました。
データ分析によって、様々なデータが可視化され、意思決定の助けになることがおわかりいただけたでしょうか?
課題解決にデータを用いたい、データを使っているがなかなか成果があげられないなどありましたら、ぜひかっこのデータサイエンスまでご相談ください。
