分析

まずはやってみよう!マーケティングでデータ分析!③顧客分析

前章では、目的の数字に関する基礎集計をしました。これによって、今後の目指すべき現実的で具体的な目標設定やそのためのアクションのイメージがしやすくなったかと思います。

次はその売上を構成する ”顧客” の分布について確認していきましょう。

この分析によって、例えば顧客を「たくさん購入してるくれるお得意客」とか、「最近購入のない離反客」という様に分類することができ、具体的なマーケティング施策の設計が可能になります。

\経験豊富なかっこのデータサイエンティストがまとめました!/ なぜデータサイエンスは必要?

直感的でわかりやすい定番の顧客分析「RFM分析」

顧客分析には、一般的に認められた便利なものさしが多くあります。

その中で、今回取り上げるのはご存知の人も多いRFM分析です。

RFM分析について、簡単に触れておくと、以下の3つの観点から、顧客を理解したり、顧客を分類するための分析手法です。

R → 【Recency:最新購買日】顧客が最近いつ購買したか

F → 【Frequency:購買頻度】顧客がどれくらいの頻度で購買しているか

M → 【Monetary:購買金額】顧客がどれくらいお金を使っているか

(詳しくは、こちらの記事で詳しく説明しています。)

集計方法

集計は顧客別に直近1年(年間)の実績を総合してみていきます。

最新購買日はデータ全体の最新購買日を基準に顧客別の最新の購買日との差を出します。

購買回数は顧客別に年間の合計伝票数をカウント、購買金額も同様に年間の支払い金額を合計して算出しましょう。

そうすると、顧客別の最新購買日からの経過日数、合計伝票数、合計金額のデータセットができます。

RFMの分布を見てみよう

最新購買日からの経過日数(R)分布

x軸は、顧客別に経過日数を集計後、1週間単位でグルーピングしています。

これにより、「全体的にまばらで、1ヶ月以内に購買がある顧客は20%強、3ヶ月以内に購買があるのは約50%」というような分布であることがわかりました。まだ仮説レベルですが、最後の購入から3ヶ月という期間は特に意識して、顧客には何らかの継続的なフォローアップを実施することが効果的かもしれいない、というインサイトが得られます。

購買回数(F)分布

購買回数の分布はわかりやすく、「年1回の購買がボリュームゾーンで2回までで全体の80%の顧客が占められている分布」であることがわかります。

もし、購買回数1回の顧客を2回にできれば大きなビジネスインパクトが起こせそうです。

購買金額(M)分布

購買金額は、「¥5,000 ~ ¥10,000をボリュームとし、年間¥20,000まで支払ってくれる顧客が全体の80%を占める」という分布です。「¥0 ~ ¥5,000、「¥5,000 ~ ¥10,000」、「¥10,000以上の3つのグループに分けて、購買金額を上げるために上位のグループが何を購入しているかを分析できれば、各下位グループに購買金額を上げるための購買行動を誘導する有意義で具体的な施策が検討できそうです。

顧客を分けてみよう

次に顧客をRFM値をもとにわけて(セグメント)いきます。

直感的にわかりやすい方針として、以下のように実施します。

最終的な分割数は3とします。

  1. RFMの各値を降順にして顧客数が等しくなるように3等分し上位から順番に3点、2点、1点を与えR、F、Mスコアとする
  2. R、F、Mスコアを合計しRFMスコアを算出(顧客ごとに3〜9点の点数が与えられている)
  3. RFMスコアの分布をもとに1でやったように3等分し、上位から順番に「優良顧客」、「普通顧客」、「引き上げ対象顧客」とします。(整数で要素数が少ないので顧客数は厳密に均等にはなりません)

参考までに、R、F、Mスコアの点数の条件となった閾値は以下のようになりました。

こうして顧客別にRFMを評価した、以下のようなテーブルが作成できます

算出したRFMスコアの全体の分布及び最終的な顧客のラベリングはこちらになります。

最後に各セグメントのRFMの平均値も見ておきます。

顧客をわけることで得られるメリットとしては、顧客を評価して差別化することで、具体的な顧客をターゲティングして売上を上げるための施策を設計することが可能になります。

これは想像以上に大事なことです。

売上をあげるためのアプローチを考えるとなると、何から手を付けるべきかわからなくなるほど複雑に思えますが、優良顧客の数を増やすという考えに立つと、途端に、打ち手が絞られ具体的な設計がしやすくなります

施策の効果検証においても、これらの数値の変化を観察することは有効です。

つまり顧客セグメントから得られる優良顧客数、優良化率、離脱率等の数値は、売上を上げるために、企業側でコントロールしやすい重要指標(KPI)になりえるのです。

また、それぞれのセグメントに紐づく顧客のデモグラフィック情報(顧客の性別、年齢、居住地域、職業等)と合わせて分析を深化させることでペルソナ分析ができるなど、他の分析との親和性も高く、活用の幅がひろい分析手法だと言えるでしょう。

パレートの法則

売上の8割を2割の顧客が生み出している

という現象を見たり聞いたりしたことがある人は多いのではないでしょうか。

特にビジネスにおいて、「全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出している」という経験則をパレートの法則といっています。もっとカジュアルに「2:8の法則」とも呼ばれていたりします。

今回実施した顧客分析の結果についても似たような傾向になっていることが確認できます。

データ集計の負担が少ない単純な顧客セグメントとしても活用できますし、データを見る際にパレートの法則になっていないかという仮説をもとに、分布を確認することは何かのインサイトのきっかけになることもあるので、データと向き合うものさしの1つとして知っておくと役にたつかもしれません。

まとめ

顧客分析について、何から手をつけていいのか、どんなアウトプットをつくるべきなのか、得られたアウトプットからどんなことが読み取れるのか、という点について実践的に解説してみました。

これだけでも十分マーケティングの進める判断材料が得られますが、アプローチはまだまだたくさんあります。

RFM分析はシンプルですが、それだけでは、見えてこない課題もあります。

特に、今回説明した「売上」だけでの分類では、利益に貢献してくれている顧客かどうかまでは判断できないという点に注意が必要です。

そこで、RFMに加えて利益(Profit)の変数を加えた、RFM+Pで分析してあげるとさらに有意義なインサイトが得られることが、わかっています。

取引あたりの顧客の利益を厳密に算出しようとすると、途端に難しくなることもありますが、企業が最終的に追求するのは「利益」です。

弊社では、顧客ごとの「利益」を算出して、指標として加えた顧客分析のお手伝いも、させていただいています。

また他にもCPM分析をはじめとしまだ紹介し切れていない顧客分析の手法もありますし、

顧客セグメントに対するアプローチとして機械学習(例 クラスタリング)を用いてさらに客観的に特徴的なギャップを捉えたり、デモグラフィック情報を加えてビッグデータ解析への発展も期待できます。

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