「新宿でバイトの募集をしたいけど、時給はいくらに設定すべき?」
「新宿の時給の相場や、傾向を把握した上で時給を決めたい!」
と、お悩みではありませんか?
アルバイトを募集する経営者にとっては、時給設定はとても重要な要素です。
しかし、無数にある求人時給データから意思決定をするには無理がありますし、そもそも職種によって職務条件や内容も変わってくるので、その時給が参考になるかもわかりません。
そこで今回は「新宿区でバイトを募集する企業」に絞って、時給決定の参考となるような「基準時給」を、主要な職種ごとに提示しました。
実際に、新宿区のアルバイト求人データを使用して分析をおこない「基準時給」をまとめたので、ぜひ参考にしてください!
目次
結論. 各職種の参考時給【新宿】
例えば、「オフィスワーク」の場合「テレマ、テレオペ、テレアポ」の業務内容を含む場合は参考にする時給が1,700円になります。
また、「飲食」については「⽇払い」をしていると参考時給が1,500円、女性店員を武器とした飲食店を経営している場合は参考時給が2,000円というように参考にする時給が変わります。
今回の分析の結論を出すために、アルバイトとして主要な14職種の参考基準時給を以下の表にまとめました。
職種 (ジャンル別) | 参考基準時給 | (条件付)参考基準時給 | 条件 |
オフィスワーク | 1,300円 | 1,700円 | 業務内容によって変わる |
飲食 | 1,300円 | 1,500円 2,000円 | 日払いと男女比によって変わる |
物流 | 1,200円 | – | – |
接客 | 1,200円 | – | – |
その他 | 1,300円 | – | – |
販売 | 1,250円 | – | – |
クリエイティブ | 1,600円 | – | – |
営業 | 1,600円 | – | – |
清掃 | 1,250円 | – | – |
医療・介護 | 1,300円 | – | – |
教育 | 2,000円 | – | – |
ナイトワーク | 2,500円 | – | – |
イベント | 1,250円 | – | – |
製造 | 1,350円 | – | – |
この表の使い方は、以下のようになります。
- まず自分の職種に当てはまる職種ジャンルを探す。
- その職種ジャンルの基準時給を参考にして、その基準と同じにするか、高くするか、低くするか、というように時給の意思決定を行う。
ここで、(条件付)参考基準時給については、特定の条件を満たした場合に参考となる基準時給となります。
以降では、分析の概要とこのような結論に至るまでの過程について説明していきます。
新宿区のアルバイト参考基準時給の分析方法
新宿区でアルバイトに支払う時給を分析した方法は、
- Webサイトからのクローリング・スクレイピングデータを行う。
- 取得したcsvデータに前処理を施す。
- 加工したデータを使用してヒストグラムを作成する。
- 特徴の一致するヒストグラムごとに分類し、分類ごとに分析手法を変えて最終的な「参考基準時給」を設定する。
といった流れで行いました。
使用データ
データはバイトルの2024年6⽉3⽇に取得した求⼈データを使用しました。
データ数は1650件で、取得条件は「新宿区」の「アルバイト・パート」に絞ってスクレイピングを行っています。
また、今回時給の分析のために計16項目取得しましたが、最終的に以下の5項目を使用して分析を行いました。
- 職種
- 給与情報
- 給与
- 日払い
- 男女比
また、職種の項目から新しく「ジャンル」という項目を追加しました。
各職種をジャンルに割り振ることで、ジャンルごとに時給の特徴を捉えることができるようになります。
ジャンルは以下の定義して、分類を行っています。
- ①物流 =ピッキング, 検品, 仕分け
- ②飲⾷ =ホール, カフェ, バリスタ
- ③製造 =製造, 組⽴
- ④販売 =レジ, 販売
- ⑤イベント =イベント
- ⑥接客 =フロント, コンシェルジュ
- ⑦清掃 =清掃, ビルメンテ
- ⑧医療・介護 =介護⼠, 看護
- ⑨オフィスワーク =データ⼊⼒, 事務, 受付
- ⑩クリエイティブ =デザイナー, カメラマン
- ⑪営業 =営業
- ⑫教育 =塾講師, 家庭教師, インストラクター
- ⑬ナイトワーク =キャバクラ, ナイトワーク, ホスト, コンカフェ
- ⑭その他 =これらキーワード以外
新宿区のアルバイト参考基準時給を決定したデータ分析の流れ
ここからは、参考基準時給を決定したデータ分析の詳細な方法について、手順を追いながら説明していきます。
大まかな分析の手順は以下の通りです。
まず、「参考基準時給」を決定するにあたって、それぞれのジャンルごとのヒストグラムを確認します。
その後、ヒストグラムの特徴ごとに大きく以下の3つのパターンに分類します。
- パターン1:多峰性無し
- パターン2:多峰性あり、かつそのジャンルのデータ数が少ない
- パターン3:多峰性あり、かつそのジャンルのデータ数が多い
多峰性とは、データが2つ以上の山に分かれている形で、データが2つのグループに分かれている時などに発生しやすい分布になります。
この特徴ごとに、分析手法を変えて「参考基準時給」を設定しました。
まず、パターン1とパターン2の「参考基準時給」の設定方法について説明します。
パターン1
パターン1の多峰性無しのジャンルです。
パターン1には以下のジャンルが含まれていました。
これらのジャンルでは、主に「最頻値」に着目して、「参考基準時給」を設定しました。
例えば、「販売」の場合だと最頻値が1,250円となっています。そのため、「参考基準時給」も1,250円としました。
これを参考に例えば、うちは販売は販売でも、難しい商品の販売だから差別化して時給は1,300円に設定しよう!と言うような意思決定に使用することができます。
パターン2
次に、パターン2の多峰性はあるが、データ数が少ないジャンルの「参考基準時給」の設定方法を説明します。
パターン2には以下のジャンルが含まれていました。
これらのジャンルは、多峰性はみられるものの、データ数が少ないため、小さい山が単にデータのばらつきや偶然の可能性があります。
そのため、今回の分析では、データの小さい山は外れ値として扱い、データ数の多い山の最頻値と、中央値に着目して、「参考基準時給」を設定しました。
例えば、「製造」の場合だと、最頻値は1,250円、1,450円のように二つあり定まらないため中央値の1,350円に着目をし、1,350円で「参考基準時給」を設定しました。
職種によって時給設定は変えることをおすすめ
このようにバイトの時給設定は、職種のジャンルによって変更することが重要です。
これらの結果を踏まえて、もう一度ここまでの各職種の参考基準時給を、パターンと共に提示します。
各職種の参考基準時給
職種 (ジャンル別) | パターン | 参考基準時給 |
物流 | 1(多峰性無し) | 1,200円 |
接客 | 1(多峰性無し) | 1,200円 |
その他 | 1(多峰性無し) | 1,300円 |
販売 | 1(多峰性無し) | 1,250円 |
クリエイティブ | 1(多峰性無し) | 1,600円 |
営業 | 1(多峰性無し) | 1,600円 |
清掃 | 1(多峰性無し) | 1,250円 |
医療・介護 | 1(多峰性無し) | 1,300円 |
教育 | 1(多峰性無し) | 2,000円 |
ナイトワーク | 2(多峰性あり、データ数: 少) | 2,500円 |
イベント | 2(多峰性あり、データ数: 少) | 1,250円 |
製造 | 2(多峰性あり、データ数: 少) | 1,350円 |
このようにヒストグラムのパターンごとに、分析手法を変えて「参考基準時給」を提示しました。
しかし、パターン3(ヒストグラムに多峰性あり、かつそのジャンルのデータ数が多い)の場合は、ヒストグラムの解釈の仕方や参考基準時給を決め方が異なるため、次の章でどのように分析したかを説明します。
条件によって時給設定が変わる職種
パターン3では、「参考基準時給」の他に、「(条件付)参考基準時給」と言うものを提示しています。
これは、ヒストグラムに多峰性がみられて、尚且つデータ数の多いジャンルになっており、ある要素で山を分解して、その山ごとに「参考基準時給」を提示する必要があります。
オフィスワークの場合
オフィスワークでは、ヒストグラムの中に山が2つみられました。
これを「テレマ、テレオペ、テレアポ」という文言が「職種」列にあるものとないもので
要素を分解した結果が、以下のヒストグラムです。
このように山を2つに分けることができました。
この山ごとに「参考基準時給」を提示しており、業務に「テレマ、テレオペ、テレアポ」が含まれる場合は、緑で囲ったヒストグラムの中央値の1,700円に着目してこれを基準時給として設定しました。
またそれ以外のオフィスワークに関しては、赤で囲ったヒストグラムの中央値の1,300円に着目してこれを基準時給として設定しました。
飲食の場合
オフィスワークでは、ヒストグラムの中に山が3つみられました。
これを「日払い」の有無と「男女比」の要素で分解した結果が、以下の図です。
このように、「日払い」をしている飲食店は時給の中央値が1,500円で、逆にしていない飲食店は中央値が1,250円となっていることがわかりました。
また、「男女比」が5(女性がとても多い)の場合には、時給の中央値が2,000円になっていることがわかりました。
これらの結果から、「日払い」をしている飲食店はその中央値の1,500円を、「男女比」の箱ヒゲ図より女性店員を武器とした飲食店を経営されている場合は、その中央値の2,000円を、そしてそれ以外の場合には、元のヒストグラムの中央値と最頻値を考慮し、1,300円と基準時給を設定しました!
このような分析結果から決めたのが、以下の参考基準時給と(条件付)参考基準時給です。
職種 (ジャンル別) | パターン | 参考基準時給 | (条件付)参考基準時給 |
オフィスワーク | 3(多峰性あり、データ数: 多) | 1,300円 | 1,700円 |
飲食 | 3(多峰性あり、データ数: 多) | 1,300円 | 1,500円 2,000円 |
まとめ
いかがでしたでしょうか?
新宿区のアルバイト参考基準時給とその分析方法について解説しました。
最後に参考基準時給をもう一度まとめた表です。
職種 (ジャンル別) | 参考基準時給 | (条件付)参考基準時給 | 条件 |
オフィスワーク | 1,300円 | 1,700円 | 業務内容によって変わる |
飲食 | 1,300円 | 1,500円 2,000円 | 日払いと男女比によって変わる |
物流 | 1,200円 | – | – |
接客 | 1,200円 | – | – |
その他 | 1,300円 | – | – |
販売 | 1,250円 | – | – |
クリエイティブ | 1,600円 | – | – |
営業 | 1,600円 | – | – |
清掃 | 1,250円 | – | – |
医療・介護 | 1,300円 | – | – |
教育 | 2,000円 | – | – |
ナイトワーク | 2,500円 | – | – |
イベント | 1,250円 | – | – |
製造 | 1,350円 | – | – |
データ分析を用いることで、今まで主観や感覚・経験のようになんとなくで行っていた意思決定から脱却し、客観性のある意思決定をすることができます!
また今回の分析は、ヒストグラムや箱ひげ図など基礎的な分析手法でしたが、このように意思決定の参考となるような情報を得ることができます。
もし、今回の分析の対象外の地域でバイトの時給を決めあぐねているなら、この記事を参考にして実際に分析をし、客観的な指標から時給を決めてみてはいかがでしょか?
私たちはあなたの悩みをデータの力で解決します!
データ分析を活用して解決したい課題がありましたら「かっこのデータサイエンス」にご相談ください!