かっこのデータサイエンスサービスで、よく使っている技術として、統計や機械学習(AIと呼ばれているもの)があります。
この記事では、ビジネスにおいて統計学が得意としていることと、共に活用されがちな機械学習との役割の違いについて、お話ししようと思います。
統計学が得意なこと
統計学にはデータの分布を明らかにする「記述統計」や、採集したサンプルのデータから全体を推測する「推測統計」といったものがありますが、カジュアルに統計学が得意なことをまとめると、以下の2点になります。
目の前にある複雑なデータを人間がシンプルに理解しやすくすること
データについて考察できること
目の前にある複雑なデータを人間がシンプルに理解しやすくする
昨今は、どこの企業であれ、規模にかかわらず恐ろしいほど大量のデータを抱えるようになっています。
莫大な情報量に圧倒され、事業で何が起きているのか、理解することは非常に困難です。
このような状況も、基本統計量(平均値、中央値、標準偏差など)によってビッグデータを別の代表値に置き換えることで、打開できます。
いま起きている事の理解をかんたんに進めることができるようになるのです。
例えば、
・2つの顧客リストの売上を平均値で比較する
・売上のばらつきを把握するために分散を確認する
・平均売上から非常に高い、もしくは低い売上の顧客を、標準偏差を使うことで定義する
このように、データの量にかかわらず、中身の分布を簡単に知ることで、いま起きていることの理解を助けてくれるのが「統計学」です。
データについて考察できる
2つ目に統計学の得意なことは、データについての考察です。
例えば、「キャンペーンの効果検証をしたい」ときに、キャンペーンを実施した顧客、実施していない顧客、の2つの顧客群のデータがあれば、それに対する答えを得ることができます。
これは統計的仮説検定で解決することができる問題で、データの分布をもとに効果の有無を判断することができるのです。
他にも、
ロイヤルカスタマーに購入されやすい商品の特定
適切な商品の在庫量
来期の売上の予測
KPIの設定
ロイヤルカスタマーにするために閾値となる注文金額は幾ら?
ロイヤルカスタマーにするために閾値となる購入回数は月に何回?
月額定額サービスにおいて最低何回利用してもらえれば次月も継続する?
等
統計学は、ビジネスを成功させるうえで、アクションに繋がる有力な判断材料を提供してくれます。
機械学習との役割の違い
機械学習を使っても分類や予測ができることをご存知の方は多いのではないでしょうか。
少し詳しい知識があると、例えば、あることを予測したいとき、統計学の「ロジスティック回帰」か、機械学習の「ランダムフォレスト」のどちらを使えばよいか、悩むようなこともあるかもしれません。
しかし、明確な統計学と機械学習の役割の違いを知っておくことで、ベストな選択ができるようになります。
統計学における予測は、予測の妥当性やどんな条件が貢献するかということが重視されるときに向いている手法です。
一方、機械学習は、将来の予測の精度を追求するときに用いられます。
例えばある商品の需要予測をするような場合、適切な在庫管理によって、販売機会ロスと在庫を持ちすぎるリスクの両方を徹底的に削減するために、予測の精度が高ければ高いほど嬉しいと考えるなら、機械学習はビジネスに貢献するでしょう。
一方で、売上の予測をしたいようなケースでは、ロジスティック回帰のような統計学の手法を使う事で、どんな条件によって売上にポジティブな影響があるのか、またはネガティブな影響が起こるのかを推論することができます。
その結果からは、売上をあげるために、どのような経営判断をすればよいのか、期待効果の大きなアクションの優先順位についてまで、判断材料が得られるのです。
特にマーケティングにおいては、アクションの打ち手を考えていくこと、また意思決定のために充分なエビデンスが必要とされるため、データの関連性を推論することは、とても重要になってきます。
統計学はチャレンジのあと押しをしてくれる
統計学は、客観的なデータに基づき判断材料を提供してくれます。
これまでの経験や勘を裏付けてくれることがある一方、時として過去の経験や勘を裏切るような結果が出ることもあります。
経験や勘と一致するのであれば、自信を持って意思決定を行っていくことが可能です。
しかし、もし過去の経験や勘、自社内の定説を裏切るような結果になったとしても、それは客観的なデータに基づいて認識を改め、新たな視点で意思決定を見直すきっかけになるでしょう。
統計学は、ビジネスにおいて有意義なチャレンジの後押しをしてくれる最高のツールなのです。
かっこでは、統計学を用いて、より有益なアクションを実行に移すための「判断材料」を出す、お手伝いをしています。
また、統計学、機械学習の様々な手法の中から、テーマに応じて現実的に活用しやすい最適なものを選択して、ご提案します。
ぜひ、かっこのデータサイエンスまでお気軽に、ご相談ください。
