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必要なデータは5つだけ!
早速、今回の記事からマーケティングでデータ分析に踏み出してみることにします。
今回実践する分析で必要なデータは、「顧客ID、購買No、購買日、購入金額、商品名(商品番号)」の5つだけに絞りました。
もちろんさらなる深堀りのために、性別、年齢といった顧客情報や、商品カテゴリなど、データの種類はあればあるほど分析の幅が広がります。ですが、いきなり様々な情報を取り入れて膨大な図表を作ってもそれを解釈するのが大変です。
さらに、マーケティングにおいて時間軸は非常に重要なので、最新のデータ(直近1年)を対象にしてみます。
分析の前に目的意識をもとう(KPIの設定)
ところで、いま、思いつきで分析を始めようとしていませんか?
データ分析を始める前にまず目的を意識することがとても大事です。
手法やツールを使うことが目的ではありません。
目的を定めることによって初めて、適した手法、ツールは何かという判断ができます。
そこで、ご存知の方も多いと思いますが、よく使われる「KGI」「KPI」について押さえておきます。
KGIとは、Key Goal Indicatorの略で日本語でいうと、重要目標達成指標という意味になります。企業の最終目標は何かについて意識して設定しましょう。
次に、KPIとはKey Performance Indicatorsの略で日本語で言うと、重要業績評価指標という意味になります。これは最終目標(KGI)を達成するために、目指すべき数値のことで、中間目標としてとらえる値になります。
KGI→KPIの順に設定しましょう。
ここで、そもそも自社のKGI、KPIが何だろう・・・という気持ちになる方もいるでしょう。
今回はマーケティングのデータ分析なので、間違いない数値として、KGIは売上とします。また、売上を分解すると、売上 = 顧客数 * 1回の購入金額 * 購買回数になります。よって、売上をあげるという最終目標(KGI)のために、中間目標(KPI)を、顧客数、1回の購入金額、購買回数として設定することとします。
基礎集計:分布を確認しておこう
意気揚々な方は早速AIとか機械学習・・・とか始めるかもしれません。ですがどんなときでもまずデータの分布を確認しましょう。
データの分布を把握しておくことで
- 思い込みに左右されずに適切な判断ができる
- 仮説立てや、改善施策を設計できる
- 同じ数値の変化を確認しておくことで、効果検証ができる
というメリットがあります。
特にビジネスではデータの分布を把握するだけでも課題やチャンスを見つけられるケースが多く発生します。
今回は特に設定したKGIとKPIについて、サンプルデータでその分布の可視化を見ていきます。
売上の分布
まずは基本的な分布を出します。
加えて、現状の評価を深めるために前年比も見ておきます。
データが少なかったり特に季節性がなければ、前月比でもいいかもしれません。
同様に顧客数、平均購買回数、平均購買単価の分布をみていきます。
顧客数の分布
平均購買回数の分布
平均購買単価の分布
分解することで具体的なアクションイメージができる
このように、売上を分解して現状評価することで、売上目標に対し、何をどう動かすと、成功率が高そうかがイメージしやすくなります。
例えば、純粋に売上を2倍あげたい、といってもどんな施策をすべきか。
これを実現性も合わせて検討するとなるとなかなか難しいと思います。
そんな時は、顧客数を1.5倍、平均購買回数を1.2倍、平均購買単価は1.1倍と個別に目標設定をしてみましょう。もしこれが達成されれば全体で約2倍の売上になります。
売上を2倍にするアクションはなかなか思いつきづらいですが、このように分解をすることで、現実的に取れそうなアクションが、イメージしやすくなります。
まとめ
今回は、分析にあたって必要なデータと分布の考え方、使い方について紹介しました。
データの分布を把握しておくことで
- 思い込みに左右されずに適切な判断ができる
- 仮説立てや、改善施策を設計できる
- 同じ数値の変化を確認しておくことで、効果検証ができる
今回ご紹介した、基礎集計の大切さはあらゆるデータ分析における本質的な手順です。
挑戦したけど上手くいかなかった事例があれば、今一度データの中身を1つ1つみてあげることで、違った視座が見えてくるかもしれません。
次回をお楽しみに!!
最後に、かっこでは、1億レコードまでのデータであれば、お手軽にデータ分析をはじめられる「さきがけKPI」というサービスを提供しています。
分析に関して相談してみたい方は、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。