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日々、巧妙化する不正取引の対策頻度を10倍に向上!「異常検知」活用事例

左から福山、おおたけ、安中

かっこでは、AI、統計学、数理最適化などのデータサイエンス技術を用いて、自社が展開しているEC不正取引の審査事業に適用したり、外部のお客さまから依頼を受けた分析や、サービス開発の提供をしています。

今回は、後払い決済事業者(BNPL)に対して、詐欺的な取引などで代金未回収につながる不正についての対策を支援している、コンサルティング事業部による「異常検知」の活用事例をご紹介します。

「異常検知」を導入したことで、コンサルティング事業部では日々巧妙化する不正者の手口をいち早く検知し、それに対策する審査アルゴリズムの更新頻度を導入前との比較で10倍にもアップさせることが出来ました。

その背景や、成果について、かっこ広報の前田が、「異常検知」を開発・提供したデータサイエンス事業部のマネージャーおおたけさん、技術を運用に載せたコンサルティング事業部の安中さん、日々、対策に技術を活用している福山さんに、お話を伺いしました。

本題に入る前に、各事業部について簡単にご紹介をお願いします。

 コンサルティング事業部 福山さん:

決済代行会社やEC事業者に対し、決済システムの提供や、代金未回収につながるリスクの高い取引や、詐欺的な取引の審査(不正検知)の運用コンサルティングサービスを提供している部門です。

私はその中で、不正検知の業務に携わっています。お客様に対する不正注文対策を支援することがメインで、未然により多くの不正を見つけるために、お客様から連携された注文データのモニタリングやデータ分析を行っています。

 コンサルティング事業部 安中さん:

福山さんと同じくコンサルティング事業部で不正検知の業務に携わっています。 今回のデータサイエンス活用の取り組みに、初期から関わってきました。

 データサイエンス事業部 おおたけさん:

事業者のマーケティングや業務生産性などの課題に対し、データサイエンスを活用しデータドリブンな施策やツールを社外と社内に対し提供しています。社外においては、アパレルメーカーの顧客分析やコミュニケーション施策、コールセンターの最適な人員配置計画作りなどにご利用いただいており、社内では不正検知精度の更なる向上のため不正状況の可視化や分析、マーケティング施策を検討する材料などを提供しています。

―コンサルティング事業部の後払い決済事業者(BNPL)の不正対策支援について、どういったことをしているか教えてください。

福山さん:審査自体は、当社の不正注文検知サービス「O-PLUX」の審査エンジンを使っていますが、コンサルティング事業部ではさらに未払いなどの不正注文を削減するためにデータ分析やモニタリング等を行っています。具体的には、データサイエンスを活用し、仕組み化された「異常検知」で、不正取引になりうるような怪しい取引の塊を見つけたり、流行りの不正手口を分析し、データを絞って定期調査を行います。調査方法を工夫することで、短時間でより多くの不正対策をお客様に提案できるようにしています。

―そこで、なぜデータサイエンスを活用しようとなったのでしょうか。

安中さん:以前はお客様からこんな不正が発生しているからなんとかしてほしいと依頼があってから、取引を自動で審査するプログラムのアルゴリズム変更を行っていました。

ただ、こちらの想いとしてはお客様の先回りをして、不正を検知できるようにしたいと考えていて、よい仕組はないか模索していました。

もちろん、当時もこちらから提案することはありましたが、そこまで多くなかったですね。

 福山さん:私もモニタリングを行う上で、限られた時間の中で1件でも多くの不正を見つけたいという想いがありました。

 おおたけさん:データサイエンス事業部としても、もっと社外の問題解決で培った技術を社内のいろんなところに使っていきたいという想いがありました。また、組織体制が事業部ごとの縦割りではなく事業部横断型になり、他部署へのデータ活用支援の動きが増えました。そういった状況の中、2020年の8月頃に、コンサルティング事業部から相談をいただきました。不正取引の流行の兆しをお客さまに先んじて察知し、対策したいという「ウイルス対策的世界観」を実現するプロジェクトです。

―今回のデータサイエンスの活用について、もう少し教えてください。

おおたけさん:異常検知という技術を使っています。わかりやすく言うと、異常=不正とは限らず、普段と違う傾向のあるデータを検知しています。そのため、週1回異常検知で洗い出した取引情報をどこが異常なのかというフラグを付けて、コンサルティング事業部へ共有し、それを福山さんなどがチェックして不正かどうかをさらに判断していく流れになっています。

 

―「異常検知」を活用したことで、どういった変化がありましたか。

福山さん:絞り込まれた状態で、しかも、見るべきポイントが予め分かっているため、以前に比べ短時間で効率的に不正を見つけることができるようになりました。さらに、定期的に改善を行っており、当初より目指していた「ウイルス対策的世界観」を実現させることができています。これまではお客様から依頼を受け不正検知のアルゴリズムに追加するパターンが多かったですが、「異常検知」を使うようになってから、お客さまに先んじた当社の提案で対策された件数は全体の7割程度に増加し、件数自体も以前の10倍になりました。その結果、これまで見つからなかった不正取引の兆候をいち早く検知し、より多くの不正を見つけることができています。

 

―とても効果が出ているようですが、そこまでたどり着くまでの準備や大変だったことなどはありましたか?

おおたけさん:異常検知のあり方を0から考えているので、その「切り口」をあげていくことが難しかったです。コンサルティング事業部がこれまでどういったポイントで不正を見つけてきたのかを1つ1つひも解いて、ロジックに落とし込み「切り口」にしていき、さらに不正の傾向変化に合わせて新しい「切り口」を追加しやすいようにしたりと運用面も考慮し、設計しました。

最初の頃は、データが多すぎて抽出に8時間かかっていましたが、今は仕組みをシステム化したので、ほぼ自動でコンサルティング事業部とやり取りできるようになりました。

 ーさいごに、今後取り組んできたいことなど教えてください。

おおたけさん:今後は、データを見るだけで直感的に不正かどうかを判断できるコンサルティング事業部の方々の知見を、AIに落とし込むなどやってみたいですね。社内でデータサイエンスの活用がどんどん広がっているので、さらに今後も活用の幅が広がっていけばと思っています。

 福山さん:不正注文にはいくつかの傾向があるので、審査ロジックにそこも加味することで、通常取引の巻き込みを極力なくしていけたらと思います。

コンサルティング事業部では、一緒に働く仲間を募集しています。

間違い探しが好きな方、細かいところを気にせず、ある程度おおざっぱに物事を進められる方(たくさんのデータをもとに不正傾向を見つけていくため、細かく見すぎると業務が終わらない(笑))、不正を見つけることにやりがいや正義感を感じるような社会貢献に興味がある方は、ぜひ、一緒に働きましょう。

・・・

皆さん、ありがとうございました。

部署を超えて一緒に取り組むプロジェクト、その裏側やそれぞれの想いを知ることができました!

 ちなみに、コンサルティング事業部の福山さんは、かっこのアルバイトスタッフを経て、2021年11月から社員として働かれています。当時のインタビュー記事もよかったらご覧ください

当時からデータ分析にも興味があり、自身の業務でデータサイエンスを活用しその効果を実感されていて、嬉しそうにお話しする姿が印象的でした。

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