「RPAってなに?」
「RPAとAIはどう違うの?」
と、気になりますよね。
RPAは、ルーティン作業を自動化する技術です。
RPAを導入することによって、人的ミスの防止や人件費などのコスト削減に繋がり、その分の時間や経費を重要な業務に使えるようになります。
この記事ではさらに詳しく、
- RPAの仕組み
- RPAの導入後に気をつけたい3つのこと
- RPA開発におすすめの言語
についてお伝えしていきます。ぜひ参考にしてみてください。
\経験豊富なかっこのデータサイエンティストがまとめました!/
RPAとは
RPAは、人が行っていた慣習的な作業を自動化する技術です。
RPAとは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略で、「ロボットによる作業工程の自動化」という意味です。
RPAを使うには、ツールの導入が必要な場合もありますが、GASなどのように無料ツール内で自身でスクリプトを打ち込むことによって、作業を”RPA化”させることもできます。
GASとは、主にGoogleのサービスを自動化するプログラミング言語です。Googleアカウントがあれば誰でも利用することができ、複雑な環境構築もいりません。
RPAの仕組み
RPAは、あらかじめ人が作成したシナリオに基づいて業務を実行します。
RPAに於けるシナリオとは、【自動化したい業務の手順を具体的に可視化したもの】です。
プログラミング言語を使用しない「ノーコード」や、最低限のソースコード記述で済む「ローコード」でも、シナリオの作成が可能です。
シナリオを作成し、実行するタイミングを指定しておけば、ロボットが複数のアプリケーションやツールを操作して人の代わりに業務を行います。
例えば、『決まった場所から決まった場所にデータを抽出する』『同じwebページの指定の場所を13時にクリックする』などということができます。
上の図のように、定期的にデータを収集する作業も24時間休みなく可能なので、一定の作業スピードを保ち安定して業務効率化を助けてくれます。
また、主にRPAには「サーバー型」「デスクトップ型」「クラウド型」の3種類があり、それぞれ特徴や対象規模が異なります。
「サーバー型」「デスクトップ型」「クラウド型」それぞれのRPAツールに適した環境があるので、自社で問題なく運用できるタイプを選択することが大切です。
RPAの特徴
ルーティン作業を自動化するRPAは、業務効率化に有効ですが、すべての業務に適用できるわけではありません。
クリエイティブなアイデア出しや顧客からの問い合わせに対する個別対応など、臨機応変な判断力が必要な業務は、RPAが自動化できる範囲を超えています。
「RPAはすべての作業を自動化できる」という誤った認識で導入すると、十分に活用できない可能性があるので注意が必要です。
RPAのビジネスでの活用事例
RPAは、判断力が必要な業務には不向きな一方で、以下のような業務を得意としています。
- パソコン画面操作の自動化
- アプリケーションの起動や終了
- スケジュールの設定と自動実行
- データの整理や分析
- 定型レポートの作成 etc.
例えば、人事部門にRPAを導入して「勤怠登録の管理」を任せたり、経理部門では「請求書データとの照合作業」を自動化したりと、幅広い定型作業を休みなく実行してくれます。
企業だけでなく、高知県の町役場では作業効率化の一環としてRPAを導入し、現在は労務や出納など13の業務をソフトウェアロボットに任せ、業務時間の短縮に成功しています。
導入3年目を迎えた黒潮町役場では、庁内業務へのRPA活用が完全に定着しています。これにより創出された人的リソースは累計およそ1,400時間相当にのぼり、従来の手作業との比較で作業時間の最大98%を削減した、完全自動化に近い成果も達成しています。
※引用:オープン株式会社
このように、RPAはさまざまな企業や自治体で活用され、業務効率化の手助けをしています。
「人的コストを削減したいけど、RPAはまだよくわからない…」「単純作業を自動化したいけど、RPAを使いこなせるか不安…」とお悩みの人におすすめなのが、データサイエンスです。
データサイエンスについて詳しく知りたい人は『データサイエンスとは?再度注目された背景や身近な例を分かりやすく解説』の記事をご参照ください。
RPAが普及した理由
RPAは年々多くの人が使うようになったり、見聞きする機会が増えています。
理由としては、夜間や休日でもルーティン作業を実行するRPAを活用することで、より効率的に業務を進められるからです。
さらに以下の理由も影響し、RPAはどんどん普及してきているのです。
【RPA普及の理由1】働き方改革の推進
少子高齢化が進む日本では、労働人口もまた年々減少しています。
そのため、作業を自動化して人手不足を補えるRPAに、政府や総務省も注目し、RPA導入を推奨しています。
※引用:総務省
【RPA普及の理由2】日本国内のITリテラシーの低さ
デジタル後進国とも呼ばれる日本には、ITの知識を持たない働き手も多くいます。
RPAは、基本的にはITの知識がなくても利用可能なツールなので、IT人材が不足しがちな国内企業も導入しやすいのも理由の1つです。
RPAとその他サービス・機能の違い
テクノロジーが日々進化するなか、RPA以外にも業務の効率化に役立つサービスや機能として、
- AI
- Excelマクロ
- ChatGPT
などがあります。
それぞれの違いや向いている作業について、順に見ていきましょう。
RPAとAIの違い
RPAがあらかじめ人間に設定されたルール(シナリオ)に従って作業を自動化するのに対して、AIは与えられたデータに基づいて法則性を見出し、予測や判断を行います。
AIはあくまでも物事を判断するソフトウェアのため、頭脳としての役割を担う形でRPAなどのシステム内に組み込まれます。
AIを搭載してより高度な処理に対応できるRPAの登場で、単純作業ではない非定型業務の自動化も期待されています。
RPAとExcelのマクロ機能の違い
RPAとマクロは、どちらもパソコン上の定型作業を自動化できますが、【自動化できる範囲】に大きな違いがあります。
RPAが【多様なアプリケーションと連携した作業】を自動化できるのに対し、マクロは【Office製品や、Windows系アプリを使った作業】しか自動化できません。
RPAのほうができることは多いですが、自動化したい作業がOffice製品内で完結するのであれば、無理にRPAを導入せずExcelマクロを利用するのもいいでしょう。
RPAとChatGPTの違い
ChatGPTは、【質問への回答や文章の言い換えなどのテキストベースの出力を自動化するツール】なので、RPAとは自動化できる作業範囲がまったく異なります。
単純作業を効率化するのに適しているRPAではカバーできないクリエイティブな業務のサポートに、ChatGPTは役立ちます。
これらのツールをうまく使い分けたり組み合わせたりすることで、より多くの労働時間の削減に繋がるでしょう。
RPAを活用する3つのメリット
先ほどからお伝えしているように、RPAは業務を自動化できるメリットがあり人が普段やっている作業を任せることができます。
このRPAを活用することで、以下3つのメリットがあるので業務効率化を考えている人は参考にしてみてください。
- 人件費削減に繋がる
- 人的ミスが減る
- 重要な業務に集中できる
それぞれ詳しく説明していきます。
人件費削減に繋がる
RPAが休みなく作業することにより、これまでその作業にかかっていた人件費を削減することができます。
RPAが得意とする単純作業は、人間が行うと手間がかかるようなものが多く、自動化できるメリットは大きいと言えます。
残業や休日出勤にともなう割り増し手当や、新人の採用コストや教育コストなどの削減にも繋がります。
人的ミスが減る
RPAは決められたルールに従って正確に作業を実行するので、人為的なミスを防止できます。
一方、人間が手作業を行う場合、慎重に行ったとしても作業ミスが起こってしまう可能性は捨てきれません。
人と違いRPAは長時間稼働してもミスなく作業ができるため、業務品質の向上も期待できるでしょう。
重要な業務に集中できる
RPAが単純作業をカバーすることで、その分のリソースを重要な業務やクリエイティブな仕事に使えるようになります。
慢性的な人材不足を迎えつつある今、貴重な人材は有効活用しなければなりません。
やりがいを感じながら働くことで、従業員のモチベーションも維持され、生産性を向上させることができます。
RPAの導入後に気をつけたい3つのこと
業務効率化やコスト削減などさまざまなメリットがあるRPAですが、使い方によっては業務停止や情報漏えいなどのリスクがあるので、日頃からあらゆる場面を想定して運用するといいでしょう。
実際にRPAを導入した際には以下の3つに気をつけてください。
- セキュリティ面のリスクがある
- システム障害が起こる場合もある
- 誤った作業を続行してしまう
順に解説していきます。
セキュリティ面のリスクがある
不正アクセスによって情報漏えいや乗っ取り被害が発生する可能性もあるため、セキュリティ対策を万全に行う必要があります。
外部との情報共有を自動化する際に、RPAに不正アクセスするためのバックドアを勝手に設置されるケースも考えられます。
アップデートを怠らず常に最新状態を維持したり、IDやパスワードを暗号化したりするなどの対策がおすすめです。
システム障害が起こる場合もある
「サーバー型」RPAツールの場合、RPAをインストールしているサーバーに障害が発生すると、処理を停止してしまいます。
「デスクトップ型」RPAツールの場合、修正モジュールで自動的な再起動がかかった際、知らないうちに作業が停止していることもあります。
エラーが起こった際のマニュアルを作成したり、日々のメンテナンスで業務停止のリスクを減らすといいでしょう。
誤った作業を続行してしまう
RPAは、作業工程に間違いがあっても、途中で止まらずに作業をそのまま続行してしまいます。
シナリオに誤りがあると、その間違った指示に沿ってデータを処理してしまい、トラブルを生むおそれがあります。
作業開始前にはテストを行い、作動状況を実際に人の目で確認してからRPAを実行するようにしましょう。
RPAとプログラミングの関係性
マウス操作だけで自動化プログラムを作ることができるRPAツールを利用すれば、基本的にはプログラミング知識がなくてもRPAの導入は可能です。
プログラミング知識がある社員の確保が難しい場合は、初期費用や月額費用が必要になりますが、初心者でも扱える易しいRPAツールを利用するといいでしょう。
ただし、RPAツールを細かくカスタマイズしたい場合や、開発から保守まで自分で行いたい場合は、プログラミング知識やシステム開発の知識が求められます。
RPA開発におすすめの言語3選
RPAツールを開発する際に役立つ言語をまとめました。
RPAの導入にプログラミング知識は必須ではありませんが、知識があることでできることも増えるので、少しでも興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
- Python
- C#
- GAS(Google Apps Script)
それぞれについて、順に紹介します。
Python
Pythonは、さまざまなプログラムを少ないコードで記述できる汎用性の高さが特徴です。
スクレイピングや収集したデータの加工作業を自動化したい場合は、Pythonの知識があるとより効率的に進められるでしょう。
他にも、豊富なPythonライブラリを活用すれば、フォルダの操作や動画データの編集作業も自動化できます。
C#
C#は、Microsoftが開発した言語なので、Windows APIが利用できます。
C#の習得難易度は中程度ですが、Windows操作の自動化を目的としている人におすすめです。
国内でも人気のRPAツールがC#に対応しているので、開発だけではなく複雑なカスタマイズをしたい場合にも役立ちます。
GAS(Google Apps Script)
GAS(Google Apps Script)は、Googleが提供している言語なので、Googleアカウントがあれば誰でも利用できます。
GmailやGoogleスプレッドシートなど、Googleが提供するサービスと連携して自動化したい場合に役立ちます。
また、GASはJavaScriptをベースに開発されているため、JavaScriptの知識があるとRPA開発のハードルが下がります。
さらに詳しくプログラミング言語について知りたい人は『プログラミング言語一覧!主な言語13選の特徴と自分に適した言語の選び方を解説』の記事もご参照ください。
まとめ
今回は、RPAの活用事例と、RPA開発におすすめの言語などを解説しました。
RPAは、ルーティン作業を自動化する技術で、人が普段やっている業務を任せることができます。
日本の働き手不足を補う技術として総務省も注目しているRPAには、以下の3つのメリットがあります。
- 人件費削減に繋がる
- 人的ミスが減る
- 重要な業務に集中できる
このように、業務効率化やコスト削減などさまざまなメリットがあるRPAですが、
- セキュリティ面のリスクがある
- システム障害が起こる場合もある
- 誤った作業を続行してしまう
などの注意点もあるので、セキュリティ管理やこまめなメンテナンスを意識してRPAを運用しましょう。
「かっこのデータサイエンスぶろぐ」は、データサイエンスサービスや不正検知サービス、決済コンサルティングサービスなどを展開しているかっこ株式会社が運営しています。
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具体的には、
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- 宅配便の配送状況を自動確認するクローラー
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