「利益を上げるにはどうすればいいの?」
「利益を上げるためには何から取り組んだらいいの?」
とお悩みではありませんか。
利益とは、収益から費用を引いた、いわゆる「儲け」です。
この利益を上げるには様々な方法がありますが、自社の状況に合わせた方法を取ることが重要です。
その中でもデータを分析・活用する(データサイエンスを使う)ことは「儲け」を増やすために、とても有効な施策です。
データを分析・活用することで、売上向上やコスト削減につながる効果的な施策を立てられるので、まずはデータ分析をして自社の状況をきちんと理解し、何が課題となっているかを明確にできます。
この記事では、
- 「儲け」について
- 利益を上げる5つの方法
- 利益を追求するためのデータ活用の手順
などを解説していきます。すべて読めば「儲け」の知識が付き、利益を上げるための方法を知ることができます。
\経験豊富なかっこのデータサイエンティストがまとめました!/
そもそも利益とは?間違われやすい「売上高」
まず最初に、「儲け」の部分である、利益の意味や売上高との違いについて紹介していきます。
企業の経営状態を把握するには、前提として、利益とは何かを理解しておく必要があります。
「利益」という言葉の意味
利益とは、収益(会社が受け取ったお金全般)から費用を引いた、いわゆる「儲け」のことです。
利益は、企業の存続や成長にとって重要な経営指標です。
また投資家や株主にとっても、事業がうまくいっているのかを判断する指標として重要視されています。
「利益」と「売上高」の違い
よく「利益」と「売上高」は認識を間違えられてしまい、間違ったまま使われることがあるのでここで説明します。
売上高とは、商品やサービスを販売・提供することによって得られた売上の合計金額です。
株の配当や受取利息など、本業以外の活動で得られる収益(営業外収益)は売上高に含まれないので注意しましょう。
利益の種類
損益計算書と呼ばれる決算書において、利益には次の5種類があります。
利益の種類 | 意味 |
売上総利益 | 売上高から売上原価を差し引いた額 |
営業利益 | 営業活動によって稼いだ利益 |
経常利益 | 営業利益に本業以外の経常的に発生する損益を加えたもの |
税引前当期純利益 | 経常利益に特別な要因で発生した損益を加えたもの |
当期純利益 | 税引前当期純利益から税金を差し引いた最終的な利益 |
企業の経営状態を把握するとき、当期純利益のみを見てはいけません。
なぜならば、表を見て分かるように、当期純利益には特別な要因で発生した損益が含まれているからです。
本業の利益である「営業利益」や、企業の継続した活動によって生まれた利益の「経常利益」もきちんと確認しましょう。
利益を上げる5つの方法
ここからは、利益を上げる方法について紹介していきます。
利益とは「収益-コスト」なので、売上を伸ばすこととコストを削減することで利益向上を目指せます。
それぞれについて取れる方法を5つ紹介します。
- ①購買単価を上げる
- ②新規顧客の獲得
- ③リピーターを増やす
- ④変動費を下げる
- ⑤固定費を下げる
企業の状況や産業を踏まえた上で、企業に合わせた方法を取る必要があります。
急いで利益を増やしたいと思っている事業者の方も、この記事を参考にまずは焦らず何をすべきか考えてみましょう。
以下で、施策例も紹介しながら詳しく解説していきます。
方法①購買単価を上げる
利益を上げるためには、まずは売上を伸ばすことを考えていく必要があるでしょう。
売上を伸ばす方法の一つが、購買単価を上げることです。
購買単価とは、1つの取引や購買で顧客が支払う金額のことです。
以下の表は、購買単価を上げるために考えられる施策例です。
施策の例 | 意味 | 効果 |
クロスセル | 顧客がいつも購入する商品やサービスに関連する商品を提案し、追加の購入を促すこと。 | 既に購入意向を示している顧客に対して追加の購買を促進できる |
アップセル | いつも購入する商品やサービスに類似した、より高価な商品の購入を促すこと。 | 顧客により高い価値や機能を提供することで、購買単価を向上させることができる |
方法②新規顧客の獲得
新規顧客の獲得も、売上を伸ばすために必要な要素です。
新規顧客は、市場の拡大、顧客基盤の強化につながります。
まずはターゲット層を決定し、それに合わせた施策を打つことが大切です。
以下の表は、新規顧客を獲得するために考えられる施策例です。
施策の例 | 効果 |
広告を出稿する 例) SNS広告、リスティング広告、ポスティング |
|
ウェブサイトの構築やSNSの運用 | インターネット上で企業や商品に関する情報を発信することで、信頼性や魅力を伝えられる |
限定的な特典や割引などキャンペーンの実施 |
|
展示会やセミナーなどイベントへの参加 | 直接顧客と対話することで、製品やサービスの魅力を深く伝えられる |
方法③リピーターを増やす
リピーターを増やすことも、売上を伸ばすための大きな一手となります。
なぜならば、一般的に売上の大部分は、何度も購買してくれるロイヤリティの高い顧客によって生み出されているからです。
よって、リピーターは安定的な売上のために重要な存在です。
以下の表は、リピーターを増やすために考えられる施策例です。
施策の例 | 効果 |
顧客のニーズに合わせた商品やサービス作り |
|
ポイントカードやクーポンの発行など再来店のきっかけ作り |
|
メルマガやLINE登録などで顧客との接点を持つ | 定期的な情報提供や特典のお知らせを通じて、顧客に価値を届けることができる |
リピーター用のキャンペーンの実施 | リピーターに対して特別な扱いをすることで、継続的な応援を促進する |
「自社は今、どのくらいリピーターがいるの?」「そもそもなんでリピートするの?」などと、気になる方は以下の記事も参考にしてみてください。
方法④変動費を下げる
利益とは「売上-コスト」のため、コストを削減することでも利益向上を目指せます。
またコストは変動費と固定費に分けられます。
変動費とは生産量や販売数に応じて生じる費用のこと、具体的には、原材料費や販売手数料、在庫の管理費などを指します。
以下は、変動費を下げるために考えられる施策の例です。
施策の例 | 効果 |
原材料・資材の見直しや大量発注で原価を下げる | 原材料や資材のコストは製品の変動費に大きく影響するため、製造原価を下げることで、利益率の向上が期待できる |
適切な生産量の決定と在庫管理 |
|
効率的なアルバイトやパートの配置 | 効率的な配置により、無駄な時間やリソースを削減できる |
方法⑤固定費を下げる
固定費とは、人件費や光熱費など生産量に関係なく発生する費用のことです。
固定費は一定に生じる費用のため、継続的な効果が見込めるでしょう。
固定費を下げるために考えられる施策の例です。
施策の例 | 効果 |
時間外労働削減のための業務効率化 | 業務プロセスの見直しや自動化をすることで、業務効率が向上し、人件費の削減が可能となる |
電気・ガス代のプランの見直し | 適切なプランの選択や効率的なエネルギーの使用がコスト削減につながる |
ペーパーレス化により印刷費や郵送費の削減 |
|
データを分析・活用すれば効率よく利益を上げられる
ここまでは利益を上げる方法について紹介してきましたが、効果的な施策を講じるにはデータ分析が有用です。
ここではデータ分析でどのようなことができるのか、具体例も含めて解説していきます。
データ分析で目指せること
ここで紹介するデータ分析の目的は利益を上げることです。
また、データ分析を行うことで自社の課題解決に向けたアクションが取れます。
データの分析、活用では以下の6つのことが期待できます。
- ①新たな収益源の発見
新たなビジネス創出機会を発見し、新しいチャレンジをすることができる。 - ②競争力の向上
企業の強み・弱みをデータのチカラで可視化し、競争力を向上させられる。 - ③マーケティング・広告最適化
ターゲット・コンテンツ・タイミングの選定などの最適化から、広告費の効果的な運用を行える。 - ④カスタマーサクセス
嗜好や行動を理解し、個別に最適な顧客体験を提供できるようになる。 - ⑤生産性向上
業務プロセスの最適化・効率化により、生産性の向上・コスト削減を行える。 - ⑥リスク管理
企業活動におけるリスクを見積もり、不足の事態にも迅速に対応を行える。
このようにデータ分析は、経営課題に対して勘や経験ではなく、客観的な数字を根拠としたアクションの判断材料となります。
具体例①アーバンリサーチ|顧客クラスタリングから効果的な施策を立案
『株式会社アーバンリサーチ』は実店舗だけでなくEC事業も行うアパレルブランドです。
課題となっていたのは「リピーターに繋がらない」という点でした。
そこでまずは顧客像を理解するために、購入頻度、ブランド、アイテム、値引き率などの顧客クラスタリングを実施しました。
そこで分かった顧客像と、顧客ごとに算出した購買期待値をを元に、購買を促すためのより最適な施策立案が可能となりました。
※実際のデータ分析(データサイエンス)活用事例インタビューはこちら
具体例②デザインフィル|需要予測と最適な生産計画の自動提供
「株式会社デザインフィル」は紙製品を中心としたステーショナリーの企画、製造、卸、販売を行うライフスタイルデザイン事業を行っています。
これまで商品の生産量を決定するのはベテラン社員の長年の勘や経験によるものでした。
しかし社員の退職をきっかけに業務の属人化を解消しようと、データから客観的に生産計画を立てるための分析を実施しました。
過去の購買履歴から商品の需要を予測し、最適な生産計画の自動提供を行っています。
※実際のデータ分析(データサイエンス)活用事例インタビューはこちら
データ活用の7ステップ
「データ活用って何から始めたらいいの?」と思う方のために、ここからはデータ活用の手順について紹介していきます。
データ活用はビジネスにおいて強力な武器となり得ますが、正しい手順で進めることが肝要です。
【ステップ1】目的の設定
まず大事なのが目的設定です。
データ活用で何を達成したいのか、なんの課題を解決したいのかを明確にして方向性を定めましょう。
「3. データを活用・分析する」の中で、具体例として紹介した企業様の場合はそれぞれデータ活用の目的が異なります。
- 株式会社アーバンリサーチ様(小売業)→目的:リピーターの増加
- 株式会社デザインフィル様(製造業)→目的:最適な生産計画の立案
先ほど紹介した2社のように目的の設定を行う際には、目的の背景や理由まできちんと把握しておくようにしましょう。
【ステップ2】分析課題の設定
次に分析課題の設定を行います。
目的や課題に合わせた分析内容を決定することは、データ活用では重要なポイントです。
【ステップ1】で紹介した例では、
- 「リピーターの増加」が目的の場合
→分析内容:リピーターにつながる要因の把握 - 「最適な生産計画の立案」が目的の場合
→分析内容:商品の需要予測
などとなります。
【ステップ3】データ収集
目的や分析課題を元に、必要なデータの検討とデータ収集を行いましょう。
顧客情報や購買データなど、目的に対してどのようなデータがあれば達成できるか検討し、収集します。
【ステップ4】基礎集計
データを収集したら、分析を行う前に基礎集計を実施しましょう。
基礎集計とは、データを様々な切り口で集計し、基本統計量や分布から現状の把握をすることです。
データという客観的な事実に基づいて正しく現状把握することで、個人の思い込みによらない仮説立てや有効な施策の立案が期待できます。
【ステップ5】データ分析
現状把握ができたら次は、いよいよデータ分析です。
データ分析を行うことで、目的を達成させるために「取るべきアクション」が明らかになります。
例えば次のようなことが挙げられます。
- 収益構造の解明(利益や損失と因果関係の大きな要素の発見)
- 分析に基づいたKPIの発見
- クラスタリングによる顧客の生態把握
- 優良顧客・非優良顧客に峻別した作戦の立案
データ分析の結果から得た知見は、ビジネスにおいて具体的な行動へとつながります。
また、経営課題に対してデータに基づいたアクションが可能となります。
【ステップ6】アクションプランの策定
分析結果を元にアクションプランを策定しましょう。
目的を達成させるためにはどのようなアクションが必要か、目的が明確であるほどブレのないアクションに繋がります。
【ステップ7】効果検証
データに基づいたアクションに対して、本当に期待通りの成果が挙げられているのか、効果検証を行いましょう。
データ分析とアクションの結果を踏まえ、将来より良い施策や計画を立てる際の指針となります。
データの活用・分析で重要なお話
データ活用の手順を一通り紹介してきましたが、ここからは特に重要なポイントを説明していきます。
データ活用において最も大切なのは「目的の設定」です。ここがずれてしまっては分析を行ったとしても課題解決につながりません。
当サイトを運営する「かっこ株式会社」にくる相談の中には、「シフトの自動生成を行いたい」など実施したいことを具体的にイメージされているケースがあります。
しかしヒアリングをしていくと、本来の課題は「人手が足りなくてシフトを組むのに難航している」ことであることが分かったこともあります。
人手不足はデータ分析の力で解決できるものではないため、根本的な問題の解決になりません。
まずは人手不足がどこでどの程度発生しているのかを把握する分析の方が課題解決に対して有効です。
このようにデータを活用する際には、
- データを活用して何を達成させたいのか
- 何が課題となっているのか
- 何で解決したいのか
など、背景や理由も含めて明確にしておくようにしましょう。
まとめ
本記事では、利益を上げる方法と利益向上にはデータの利活用が有用であることを説明しました。
どのようなアプローチで利益向上を目指すか、企業に合った手法を取ることが必要です。
まずは自社が何を課題に感じているのかを明確にしましょう。
「そうは言ってもどう課題を考えたら良いかわからない」「データをどう活用すれば良いかわからない」とお悩みの方は、『かっこのデータサイエンス』にご相談ください。
今なら無料で、課題の洗い出しから、解決に向けたアプローチの提案まで行っております。