「コストを抑えてECサイトのリピート率を上げられる?」
「そもそも、ECサイトのリピート率ってどうやって上げるの?」
とお悩みではありませんか?
ECサイトにとってリピート率は重要な指標であり、リピート率が高ければ安定した売り上げを得られます。
とはいえ、どうやってリピート率を上げれば良いか分からないことも多いと思います。
もし、適切な方法でリピート率を上げる戦略を立てられなければ、コストが増大するだけに終わってしまいます。
そこで、本記事では、
- ECのリピート率を向上させる代表的な方法9選
- コストを抑えてリピート率を上げる手順
について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ECのリピート率は大切?
リピート率とは一度購入した後に再度そのECサイトで買い物をしてくれる顧客の割合のことで、ECにとって非常に大切な指標になります。
なぜなら、リピート率は顧客が満足しているかを判断できる指標であり、リピート率が低ければ売上の低下に直結するためです。
例えば、以下のようなECサイトは、リピート率が低くなってしまうことで売上が上がらなくなっている可能性があります。
- アフターフォローがない
- ポイントがまったくつかない
このような状態にあるECサイトはリピート率が低い可能性が高いので売上も伸びづらいです。
そのため、この記事で紹介するリピート率を上げる方法を実践して、ECでのリピート購入を増やして売り上げを上げる努力をすることが必要です。
以下では、リピート率を上げる方法について解説していきます。
コストを抑えてECのリピート率を上げる9つの方法
ECのリピート率を上げるには、様々なアプローチから方法を考えていく必要があります。
この記事では、ECでのリピート率を上げるために以下の4つの観点に分けて9つの方法を紹介していきます。
- 観点1. 顧客体験を向上させる
- 観点2. 顧客がリピートするインセンティブを与える
- 観点3. 顧客との接触機会を増やす
- 観点4. データ(顧客特性)の分析を行う
また、以上の4つの観点から選んだ方法は以下の通りです。
- 『顧客体験を向上させる』
- 【方法①】アフターフォローを行う
- 【方法②】顧客の好みに合わせたおすすめ商品を提案する
- 『顧客がリピートするインセンティブを与える』
- 【方法③】ランク制度を設ける
- 【方法④】ポイントを付与する
- 【方法⑤】クーポンを配布する
- 『顧客との接触機会を増やす』
- 【方法⑥】メルマガを配信する
- 【方法⑦】SNSで発信する
- 【方法⑧】インフルエンサーに紹介してもらう
- 【方法⑨】オウンドメディア(ブログ)を立ち上げる
- 『データ(顧客特性)の分析を行う』
これ以外にもECでリピート率を上げる方法は様々ありますが、今回はコストを抑えてできることとして9つの方法を紹介します。
さらに、4つ目としてリピート率を上げるデータ分析の必要性についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
それでは、ECのリピート率を上げるための方法について解説していきます。
観点1. 顧客体験を向上させる
1つ目の観点は顧客体験を向上させることで、ECサイトにおけるリピート率の向上に直結する部分です。
顧客が一回目の購入で良い体験を得られなければ、ECサイトから離れリピートに結びつきません。
リピート率に直結する顧客体験を上げる方法は以下の2つです。
- 【方法①】アフターフォローを行う
- 【方法②】顧客の好みに合わせたおすすめ商品を提案する
以上の方法のどちらもが、顧客が再度購入したいと思えるような体験を提供するための方法です。
それぞれ解説していきます。
【方法①】アフターフォローを行う
アフターフォローは、商品の購入後も顧客のサポートを提供することで、顧客体験の向上が見込めます。
顧客が安心できる効果に加えて、購入後も顧客との接点が持てることも、リピート率に対して良い効果をもたらします。
例えば、以下のようなアフターフォローを行うことがおすすめです。
- 商品が無事に手元に届いたかの確認メールを送る
- 使用感を聞くアンケートを実施する
- 商品の使用方法やメンテナンス方法をメールで伝える
特に、購入後のアンケートは、アンケート結果のデータとして利用できるため、他の購入権当社に対しての良い情報提供に繋がります。
このように、アフターフォローはリピート率向上に大きくつながり、顧客はECサイトや購入した商品に対して安心感を持てるのです。
【方法②】顧客の好みに合わせたおすすめ商品を提案する
顧客の購入履歴や閲覧履歴を基に、その人の好みに合った商品をおすすめすることも良い顧客体験を実現する方法の1つです。
AmazonやNetflixなどの多くのサイトでは、顧客に合わせた提案が行われており、顧客の継続的な購入を促進できます。
おすすめ商品を提案することによる顧客が感じるメリットは以下になります。
- 自分の好みを理解してくれていると感じられる
- 自分でも気づいていないほしかった商品を発見できる
おすすめの提案は、顧客が欲しいものを提案できることから、自分の好みに合ったものがあるECサイトだと認識してもらえます。
例えば、顧客が特定のジャンルの本を多く購入しているなら、そのジャンルに新しく追加した本をおすすめするメールを送るなどが挙げられます。
このように、顧客にECサイトが自分に合っていると感じる体験を提供することで、そのECサイトをリピートしてもらえるのです。
観点2. 顧客がリピートするインセンティブを与える
顧客が再度購入するインセンティブを与えることもリピート率向上に効果的です。
インセンティブを用意することで、リピートすることがお得感に繋がり、顧客の購買意欲を刺激できます。
顧客にリピートするインセンティブを与える方法は以下の3つです。
- 【方法③】ランク制度を設ける
- 【方法④】ポイントを付与する
- 【方法⑤】クーポンを配布する
それぞれ解説していきます。
【方法③】ランク制度を設ける
購入金額や購入回数に応じてランクを設け、特典を提供することで、ランクを上げようとリピートしてくれる可能性が高まります。
ランク制度は、リピートすればするほど特典が得られるシステムであるため、顧客は特典を得ようとしてリピートされるのです。
例えば、ランクに応じて以下のような特典を設けることが挙げられます。
- ランクに応じてクーポンを提供
- 特別なセール情報を先行して知らせる
以上のような特典を設けることで、顧客は次のランクを目標にリピートしてくれるのです。
ですが、ランク制度はランクの線引きをするのが非常に難しく、失敗すると逆効果になる可能性があります。
ランク制度を導入する場合は、よく検討を重ねることをおすすめします。
【方法④】ポイントを付与する
ポイント制度を導入し、購入金額に応じてポイントを付与することで、そのポイントを利用しようとリピートしてくれる可能性があります。
ポイントを付与することで、顧客はリピート時に得すると感じ、購入意欲が刺激されるのです。
また、ポイント制度を導入することで、ポイントが利用できるそのECサイトで購入を検討する可能性が高まります。
ポイント制度を導入することで、上図のような購買の流れを生み出せるのです。
しかし、ポイントを与えすぎると利益が減少するため、ポイント付与は適切に行う必要があります。
とはいえ、ポイント制度をうまく活用できれば、顧客のリピート購入だけでなく良い顧客体験にも繋がるため、リピート率の向上におすすめです。
【方法⑤】クーポンを配布する
クーポンを配布することで顧客に「お得感」を提供でき、リピート率を向上できます。
お得感が顧客の購入意欲を刺激し、何かを購入する時にそのECサイトを利用する動機となるのです。
クーポンの配布方法は以下の2つです。
- 購入後に次回購入時に使えるクーポン
- 購入していなくても定期的に配布されるクーポン
また、クーポンの利用条件を工夫することで、顧客の購入行動をコントロールすることも可能です。
例えば、一定金額以上の購入で利用できるクーポンを配布することで、顧客の購入金額を上げられます。
クーポンもポイントと同じく、配布しすぎると売上低下に繋がるため、注意が必要です。
観点3. 顧客との接触機会を増やす
顧客との接触機会を増やせば、顧客の意識にそのECサイトが常にある状態を作り出せ、何か購買したい時にリピートしてくれる可能性が高まります。
接触機会を増やすことで、ザイオンス効果を生み出し、好感度の上昇にも繋がります。
以下が、顧客との接触機会を増やす方法です。
- 【方法⑥】メルマガを配信する
- 【方法⑦】SNSで発信する
- 【方法⑧】インフルエンサーに紹介してもらう
- 【方法⑨】オウンドメディア(ブログ)を立ち上げる
現在はネット社会であることから、多くの手段で顧客との接触回数を増やせるのです。
テレビCMも接触機会を増やせますが、コストの観点から省いています。
それぞれ解説していきます。
【方法⑥】メルマガを配信する
定期的にメルマガを配信することで、接触機会も増やせ、リピートしてくれる可能性が高まります。
メルマガは古くから使われている方法ではありますが、コンテンツや広告を発信できる点でまだまだ強いです。
メルマガでは、以下のようなコンテンツを発信することをおすすめします。
- 商品やサービスの広告
- 読者の役に立つ情報
ポイントなのは、商品やサービスの情報だけでなく、役に立つ情報も発信することです。
ずっと商品やサービスの紹介をしていると、メールを読んでくれなくなるためです。
また、顧客が「スパムかな?」と感じないようにするために、配信頻度にも気を付ける必要があります。
【方法⑦】SNSで発信する
SNSを活用して、定期的に商品情報や使用例を発信することで、接触機会の増加が見込めます。
SNSはメルマガと違い、画像や動画などを簡単に発信できることから、企業の発信の場として用いられます。
主に、以下のようなSNSを活用すると良いでしょう。
- X(旧Twitter)
- TikTok
- LINE
また、SNSでは、顧客からのフィードバックを直接受け取れ、商品の改善や新しい商品開発のヒントにできます。
実際にフィードバックを行えば、顧客のファン化に繋がり、そのECサイトのブランド力・リピート率が向上します。
このように、SNSを活用することで、双方向のコミュニケーションを取れ、接触機会の向上やフィードバックに繋がるのです。
【方法⑧】インフルエンサーに紹介してもらう
SNSと関連して、インフルエンサーに商品を紹介してもらうことも、接触機会の向上に繋がります。
インフルエンサーに紹介してもらうことで、以下のような購買の流れを作り出せます。
インフルエンサーはフォロワーの行動に大きく影響を与えられるため、商品の紹介は非常に効果的です。
また、インフルエンサーにはその商品の使用感や評価を正直に伝えてもらうことで、商品の良さを多くの人に知ってもらえます。
このように、インフルエンサーを活用することで、リピート率の向上だけでなく新規顧客の獲得にも繋がるのです。
【方法⑨】オウンドメディア(ブログ)を立ち上げる
オウンドメディア(ブログ)を立ち上げて、顧客に対して価値ある情報を提供することで、そのECサイトに対する訪問機会を増やせます。
多くの人が解決したい悩みがあるときにネット検索を行うため、価値ある情報を提供することで、ECサイトを訪れてくれるのです。
例えば、顧客が悩んでそうな悩みを解決する記事を書き、最後にECサイトへの導線を作ることで、リピート率を向上されられます。
このように、悩みに対して商品を紹介することで、商品の購買率も向上できるのです。
そのため、オウンドメディアを持ち、お悩みを解決する記事や有益情報を発信することをおすすめします。
観点4. データ(顧客特性)を分析する
ここまで取り上げてきた内容をすべて実践するには、どうしてもコストがかかりすぎてしまいます。
そのため、コストを抑えるためには、自社の顧客の特性をしっかりと把握して、販促対象を絞る必要があるのです。
顧客特性を把握できていない状態でリピート率を向上させようとすると、見当違いな顧客に対しても販促を行ってしまいます。
上図のように、顧客特性を把握して販促対象を絞ることで、よりコストを抑えてリピート率を上げられるのです。
顧客特性を正しく把握するためには、これまでのデータを分析する必要があります。
以下では、実際にどのような手順でデータ分析をしていけばよいかについて解説していきます。
コストを抑えられる&ECのリピート率を向上させるデータ分析
コストを抑えつつ、ECのリピート率を向上させるためにはデータ分析ができると良いです。
実際のデータ分析手順は、以下のように行ってください。
- 手順1. データを揃える
- 手順2. 揃えたデータから顧客特性を分析する(クラスタリング)
- 手順3. 把握した顧客特性を基に、リピート率を向上させる戦略を立てる
これまで紹介してきた方法を取捨選択するための分析ですので、ぜひ参考にしてみてください。
手順1. データを揃える
必要なデータを揃えることは、顧客特性を把握する上で不可欠です。
もし、分析する際に必要なデータが揃っていなければ、不完全な顧客把握に終わってしまいます。
顧客特性の把握から分析を行うために揃えるべきECサイトのデータは以下の項目になります。
- 顧客の年齢や性別などの情報
- 商品の購入履歴
- 閲覧履歴
- クリック履歴
以上のデータを揃えることで、顧客の行動パターンや興味関心を把握できます。
手順2では、以上のデータから顧客特性の分析方法について説明していきます。
手順2. 揃えたデータから顧客特性を分析する(クラスタリング)
今回は、顧客特性の分析方法の1つとして、クラスタリングを用いた分析を解説します。
クラスタリングとは顧客をいくつかのグループに分ける手法のことで、顧客分類に用いられている分析手法です。
上図のように、クラスタリングでは、それぞれのグループがどのような特徴を持っているのかで分類できるため、顧客特性の把握ができるのです。
このように、クラスタリングを行うことで、顧客特性の理解を行え、戦略立案の判断材料にできます。
クラスタリングについてもっと知りたい方は、『マーケティングから不正検知まで、データの理解と意思決定を助けてくれる「クラスタリング」とは?』の記事をご参照ください。
手順3. 把握した顧客特性を基に、リピート率を向上させる戦略を立てる
クラスタリングで把握した顧客特性を基に、リピート率を向上させる戦略を立てます。
それぞれの顧客グループに対して、最も効果的なアプローチを考え、実行に移すことでリピート率を向上させるのです。
例えば、ファッションに関するECサイトで、10代の顧客が多いと把握できた場合、以下の方法が1例として考えられます。
- 顧客体験の向上:おすすめ商品の提案
- インセンティブ:クーポンの配布
- 接触機会の増加:SNSやインフルエンサーの活用
同じ10代が購入している商品をおすすめとして表示し、クーポンによりインセンティブを与えます。
また、10代にはSNSやインフルエンサーを活用して接触機会を増やすことで、リピート率を向上させられる可能性が高いでしょう。
このように、顧客特性を把握することで、取るべき戦略が明確になり、リピート率を向上させられます。
かっこはECのリピート率向上の実績あり
かっこのデータサイエンスでは、ECサイトのリピート率向上をお手伝いできます。
この記事内でも解説しましたが、リピート率を向上させるには、クラスタリングなどのデータ分析によって顧客理解を行うことが不可欠です。
以下では、かっこのデータサイエンスでの分析事例をご紹介いたします。
事例. 株式会社アーバンリサーチ様
アーバンリサーチ様は、EC展開もいち早く行い、実店舗でもこれまでのアパレル業界になかった新たな取り組みで注目を集めています。
ECサイトでの離脱率の改善や会員のアクティブ化などの課題点の解決にかっこのデータサイエンスを活用いただいています。
導入のきっかけや効果は以下のようにお話しされています。
- 【導入のきっかけ】
「さらに場所が関係ないインターネットの世界でも知名度を上げていかないと、リアル店舗も厳しくなっていくだろうという思いがありました。幸い会員データはありますから、活かし方を考えることが次の仕事だなと思っていたところで、出会ったのが成田さんでした」
- 【効果】
「御社のクラスタリングによって、それまでの指標だった年間購入金額別ランクの話は減りましたね。購入金額は売る側にはわかりやすいのですが、購入へのポテンシャルは測れていなかったと思い知りました。」
「商品を縦軸に、お客さんのキャラクターを横軸に置き、メッシュとして見ていくことで類似性など浮き彫りになる情報があり、ご提案頂いた勝ちパターンへのアクションもより効率的に行えるということだと思います」
※引用:かっこのデータサイエンス導入事例「株式会社アーバンリサーチ様」
このように、かっこのデータサイエンスでは、クラスタリングによる顧客分析を行うことで、リピート率を効果的に上げるための勝ちパターンを提供しております。
リピート率の向上では、ご提供いただいたデータを基に、データサイエンティストが分析を行い、顧客特性の特定から結果の解釈などを行います。
現在、サンプルデータの確認から課題の洗い出し、課題解決に向けたアプローチの提案まで無料で承っております。(※データの集計や本データの分析、改善の実施には費用がかかります。)
もし、「リピート率が上がらない」「ECの売上を伸ばしたい…」というお悩みがあれば、『かっこのデータサイエンス』にお問い合わせください。
貴社の顧客特性を分析して、より効率的にECサイトの売上を伸ばすサポートをさせていただきます。
まとめ
適切な顧客特性の把握と戦略の立案を行えば、ECのリピート率は向上させられます。
ECでのリピート率を上げる方法は以下の4つの観点から整理していくことをおすすめします。
- 観点1. 顧客体験を向上させる
- 観点2. 顧客がリピートするインセンティブを与える
- 観点3. 顧客との接触機会を増やす
- 観点4. データ(顧客特性)の分析を行う
以上の4つの観点から、自社のECサイトに足りていない部分を補強するイメージを持つと良いでしょう。
4つの観点から、代表的な方法を整理すると以下のように表せます。
- 『顧客体験を向上させる』
- 【方法①】アフターフォローを行う
- 【方法②】顧客の好みに合わせたおすすめ商品を提案する
- 『顧客がリピートするインセンティブを与える』
- 【方法③】ランク制度を設ける
- 【方法④】ポイントを付与する
- 【方法⑤】クーポンを配布する
- 『顧客との接触機会を増やす』
- 【方法⑥】メルマガを配信する
- 【方法⑦】SNSで発信する
- 【方法⑧】インフルエンサーに紹介してもらう
- 【方法⑨】オウンドメディア(ブログ)を立ち上げる
- 『データ(顧客特性)の分析を行う』
以上の方法をすべて行うことは、コストの観点から難しいでしょう。
そのため、自社の顧客特性を適切に把握して、方法の取捨選択を行う必要があります。
顧客特性の把握から、戦略の策定までは以下の手順で行います。
- 手順1. データを揃える
- 手順2. 揃えたデータから顧客特性を分析する(クラスタリング)
- 手順3. 把握した顧客特性を基に、リピート率を向上させる戦略を立てる
この手順で分析を進めることで、リピート率を向上させる戦略を考えられるのです。
もし、「リピート率の上げ方が分からない…」「分析手順は分かったけど、分析する人がいない…」というお悩みがあれば、『かっこのデータサイエンス』にお問い合わせください。
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