クリスマス商戦の売上予測はデータ分析で読み解く!最適な生産数や在庫管理方法の導き方

分析

「今年のクリスマス商品は、何点くらい売れる?」
「売上予測を在庫や生産数の判断にどう使えばいい?」

と、悩んでいませんか。

クリスマス商戦の売上を予測するときは、過去の販売実績をそのまま今年に当てはめず、商品ごとの販売個数と、価格・販促など今年の条件を見比べることが大切です。

売上金額が同じでも、売れる商品の種類や個数が違えば、用意すべき在庫は変わります。

また、前年に売り切れた商品は、販売実績だけを見ても、売り切れ後にどれくらい売れた可能性があるかはわかりません。

この記事では、小売・ECの担当者に向けて、次の内容を解説します。

  • クリスマス商戦で予測する数字と、予測を見直す時期
  • 売上予測に使うデータと、販売実績を比べる際のポイント
  • 予測した販売数・売上を、在庫や生産の判断に活かす方法

自社の販売データから予測の基準を作り、今年の条件に合わせて見直す際の参考にしてください。

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目次

クリスマス商戦の売上予測とは

クリスマス商戦の売上予測とは、過去の販売実績と今年の販売条件をもとに、商品が何点売れ、いくらの売上になるかを見積もることです。

仕入れや生産数を決めるには、店舗全体の売上金額だけでは判断できません。

まずは、何を予測するか、予測をいつ見直すかを整理しましょう。

売上金額だけでなく商品ごとの販売個数を見積もる

在庫や生産数を決めたい商品は、販売個数を先に予測し、想定する単価を掛けて売上金額も見積もります。

同じ売上10万円でも、単価5,000円のクリスマスギフトセットが20点売れる場合と、単価1,000円のオーナメントが100点売れる場合では、用意する個数が異なるためです。

店舗ごとの在庫配分を決めるなら販売場所別に、日ごとの補充を考えるなら日別に分け、判断に使える単位で予測しましょう。

なぜクリスマス商戦の売上予測が重要なのか

予測した販売個数は、売り切れを防ぎつつ、売れ残りも増やしすぎない在庫・生産数を考える材料になります。

クリスマス限定のデザインや包装の商品は、商戦後に同じ価格で売れるとは限らないためです。

30点の見込みに対して何点を先に用意するかは、追加の補充が間に合う日と、売れ残った場合の負担を確認して決めましょう。

クリスマス商戦の売上予測はいつ行う?

前年の商戦が終わったら販売実績を振り返り、今年の仕入れ・生産数を決める前に予測を更新します。

それぞれの時期に行うことは、次のとおりです。

  • 前年の商戦後:商品・販売場所・日ごとの販売個数と、売り切れや値引き・販促の記録を残す
  • 今年の仕入れ・生産数を決める前:価格や販売期間、販促予定など前年と異なる条件を確認して予測を見直す

前年に売り切れた商品の販売個数は、需要の上限とは限りません。

売り切れ後に売れた可能性がある数量の見積もり方は、『クリスマス商品の在庫切れ対応と機会損失の見積もり方』の記事で詳しく解説しています。

クリスマス商戦の売上予測を行う際のポイント3つ

前年の販売実績を今年の予測に使う前に、対象となる商品・期間・販売場所と、売れ方に影響した条件を確かめます。

数字が増減した理由を見ずに前年の実績を使うと、今年の見込みを高く、または低く置いてしまうためです。

比較する際のポイントは、次の3つです。

  • 【ポイント1】商品・期間・販売場所をそろえて比べる
  • 【ポイント2】価格・販促など前年と違う条件を確かめる
  • 【ポイント3】欠品した日の販売数を需要の上限とみなさない

まず、比較する数字が同じ範囲の販売を表しているかを見ていきましょう。

【ポイント1】商品・期間・販売場所をそろえて比べる

前年の販売実績から今年の販売数を予測するときは、商品・販売場所・対象期間を先にそろえます。

例えば、前年の実績がA店の12月20~24日分で、今年は全店舗の12月1~24日分を予測したい場合、販売場所と期間が異なるため、前年の販売数をそのまま基準にはできません。

店舗とECサイトの売れ方が違う場合も、最初から合計せず、販売場所ごとの数字を見てから全体の予測につなげましょう。

【ポイント2】価格・販促など前年と違う条件を確かめる

前年の販売実績を今年の予測に使うときは、当時の価格や広告などの販売条件も確認します。

前年に値引きや広告を行っていた商品を、今年は通常価格で販売するなら、前年の販売数をそのまま見込みに使えるとは限りません。

競合のセール時期や価格帯も参考になりますが、それだけで自社の販売数が何個変わるかは判断できないため、予測を見直す際の参考情報として扱いましょう。

【ポイント3】欠品した日の販売数を需要の上限とみなさない

前年に途中で売り切れた日の販売個数は、その日の需要の上限とはみなしません。

在庫がない時間に商品を買いたかった人がいても、その人数や個数は販売履歴に残らないためです。

前年の販売記録には欠品の有無と売り切れ時刻を付け、欠品した日の販売個数をそのまま今年の予測の基準に使わないようにしましょう。

クリスマス商戦の売上予測に必要なデータ4つ

販売個数の実績に、在庫の状況と当時の販売条件を重ねると、予測の基準に使える日を選びやすくなります。

確認するデータは、次の4つです。

  • 1. 商品・販売場所・日付別の販売個数と売上金額
  • 2. 在庫・欠品・予約の記録
  • 3. 価格・値引き・広告などの販売条件
  • 4. 市場・競合・トレンドの情報

まず自社の販売と在庫の記録をそろえ、外部の情報は前年と今年の条件差を考える際に使います。

1. 商品・販売場所・日付別の販売個数と売上金額

POSやECサイトの販売履歴を、Excelなどで「1行=1商品・1販売場所・1日」の単位に集計します。

注文1件に同じ商品が複数個含まれることもあるため、注文件数ではなく、対象商品が売れた個数を合計しましょう。

取り消された注文を除き、日ごとの販売個数と売上金額を並べると、比較に使う商品と販売場所を決めやすくなります。

2. 在庫・欠品・予約の記録

販売数だけでなく、その商品を販売できた時間と、予約済みの数量も確かめます。

在庫がなかった時間帯の販売数0は、その時間帯に商品を買いたい人が0人だったことを意味しません。

例えば、予約済み30個と当日販売の見込み50個を合わせて80個用意するには、50個の予測に予約分が含まれていないか確かめる必要があります。

3. 価格・値引き・広告などの販売条件

販売した日ごとの価格と販促内容を、販売数の記録と結び付けて確認します。

値引きを行った日に多く売れていても、今年も同じ価格・広告で販売する予定がなければ、その日の実績をそのまま当てはめるのは適切ではありません。

商品単価が変わる場合は、販売個数の見込みと売上金額の見込みも分けて考えます。

4. 市場・競合・トレンドの情報

外部の情報は、自社の過去実績と今年の販売環境がどれほど違うかを考える材料にします。

競合の公開価格や販売開始日、話題になっている商品などを調べれば、前年と同じ条件で販売できそうかを検討できます。

ただし、検索数やSNSでの話題の多さを商品の販売個数へそのまま置き換えず、自社の予約状況や販売実績と照らし合わせましょう。

データを活用してクリスマス商戦の売上を予測する3つの手順

条件の近い過去の販売個数を出発点に、今年の販売条件を確認して個数を見積もり、予定単価から売上金額を計算します。

ここでは、A店でクリスマス向け雑貨を12月20~24日の5日間販売する架空の例を使います。

予測の手順は次の3つです。

  • 【手順1】欠品のなかった販売実績から個数の基準を決める
  • 【手順2】前年と今年の条件を比べて予測販売個数を決める
  • 【手順3】予測販売個数と単価から売上金額を見積もる

まず、前年の販売個数が、期間を通して商品を販売できた結果なのかを確かめます。

【手順1】欠品のなかった販売実績から個数の基準を決める

前年に同じ商品を同じ販売場所・期間で売った個数を確認し、途中で欠品していなければ、今年の予測の出発点にします。

この例では、2025年12月20~24日にA店でクリスマス向け雑貨が50個売れ、期間中に欠品はなかったものとします。

前年に50個売れたことは確認できますが、今年も50個売れるとは決め付けません。

【手順2】前年と今年の条件を比べて予測販売個数を決める

前年の50個を今年の見込みに使えるか、販売期間・価格・販促などの条件を比べて判断します。

この例では、今年もA店で12月20~24日に、前年と同じ価格・販促条件で販売する予定とし、50個をいったん予測の基準にします。

A店のクリスマス向け雑貨について、2025年と2026年の12月20~24日の曜日を比較し、前年の販売数50個を今年の予測の仮の基準とする図

前年の日別の売れ方をExcelで調べる場合は、次の順で進めましょう。

  • A店の対象商品について、2025年12月20~24日の販売個数を日付ごとに集計し、合計が50個になるか確かめる
  • 日付・販売個数・曜日を表に並べ、日付と販売個数の2列を選択してExcelの[挿入]から縦棒グラフを作る
  • どの日に販売が集中したかを見て、2026年の曜日の並びと比べる

下の画像は、架空の販売データをExcelで日別に集計し、グラフにした例です。

2025年12月20~24日のA店におけるクリスマス向け雑貨の日別販売個数を示したExcelの表と棒グラフ。5日間の合計は50個

前年は土日の2日間に14個と13個、計27個売れており、5日間の販売数50個の半分を超えています。

今年の同じ期間に土曜日はありませんが、曜日だけで販売数が決まるわけではないため、前年の土曜日に売れた14個を50個からそのまま引くことはできません。

50個を仮の基準とし、比較できる別の年の日別実績や今年の予約状況を見て、見込みを調整しましょう。

【手順3】予測販売個数と単価から売上金額を見積もる

今年の販売個数の見込みに予定単価を掛けて、売上金額を計算します。

予定単価が1個2,000円なら、基準に置いた50個の見込み売上金額は50個×2,000円=100,000円です。

仕入れ・生産数を考えるため、45個または55個売れた場合も仮に置いて比べます。

想定 販売個数の想定 予定単価 見込み売上金額
少なめ 45個 2,000円 45個×2,000円=90,000円
基準 50個 2,000円 50個×2,000円=100,000円
多め 55個 2,000円 55個×2,000円=110,000円

45個・55個は売れ方の違いを見るための仮定であり、販売実績から導いた数値や、実際の販売数が収まる範囲ではありません。

比較できる別の年や条件の近い商品の実績があれば、基準の50個と、少なめ・多めに置く個数を見直しましょう。

販売期間中に値引きを予定する場合は、価格ごとに見込む販売個数を分け、売上金額を合計します。

売上予測をクリスマス商戦に活かす方法5つ

予測した販売個数は、仕入れ・生産数だけでなく、在庫を置く場所や補充期限を決める際にも使えます。

主な使い方は、次の5つです。

  • 1. 予測販売数と販売可能在庫から必要数を考える
  • 2. 日別・販売場所別の予測に合わせて在庫を配分する
  • 3. 追加の生産・補充が間に合う期限を決める
  • 4. 注文件数を別に見積もって販売・配送体制を整える
  • 5. 予測と実績の差を翌年の予測に活かす

予測値をそのまま発注数にせず、今ある在庫と、いつ補充できるかを合わせて判断します。

1. 予測販売数と販売可能在庫から必要数を考える

追加で用意する数量は、予測販売数から、販売に回せる在庫と期限内に入荷する数量を差し引いて考えます。

先ほどの例で、販売開始時点の販売可能在庫が30個、予測した販売期間中に販売できる状態で入荷する数量が10個なら、基準の50個に対して不足する目安は50-30-10=10個です。

予測販売数50個から販売可能在庫30個と期間中の入荷予定10個を差し引き、不足分の目安10個を求める図

少なめの45個なら5個、多めの55個なら15個が不足の目安となるため、入荷日と日別の販売見込み、売れ残った場合の負担も比べて追加で用意する数量を決めましょう。

2. 日別・販売場所別の予測に合わせて在庫を配分する

期間全体で必要な個数がわかったら、いつ、どの販売場所で使うかに分けます。

5日間で50個売れる見込みでも、毎日10個ずつ売れるとは限らないため、前年の日別実績や店舗・ECごとの売れ方を確認しましょう。

一方の店舗に在庫を集中させる前に、移動元で必要な数量と、移動先へ届く日程も確かめます。

3. 追加の生産・補充が間に合う期限を決める

追加で商品を作れる、または仕入れられる場合は、予測した販売時期に間に合う最終発注日を確かめます。

12月24日に販売する見込みの商品が25日に届いても、その日の需要に向けた補充には使えません。

商品を発注してから販売場所へ届くまでの日数を確認し、期限後は追加発注ではなく、残る在庫の配分を見直しましょう。

4. 注文件数を別に見積もって販売・配送体制を整える

販売個数から必要な作業量を考えるときは、注文や包装の件数も別に確認します。

商品が50個売れる見込みでも、1件の注文で複数個買う人がいれば、注文処理の件数は50件とは限りません。

過去の注文履歴で1件あたりの購入個数や包装の有無を調べ、販売・出荷担当者が対応する件数を見積もりましょう。

商品選びや集客、ギフト対応を含む販売前の準備は、『クリスマス商戦対策6選|売上アップにつなげる準備と進め方』で詳しく解説しています。

5. 予測と実績の差を翌年の予測に活かす

商戦後は、予測した個数と実際に売れた個数を比べ、差が出た理由も残します。

例えば50個と予測して40個売れた場合、価格や広告の違いに加え、途中で欠品していなかったかも確かめましょう。

欠品していたなら、単純に「10個多く予測した」とは判断できないため、販売できなかった時間も一緒に記録します。

販売データの整理や売上予測が難しい場合はCaccoに相談する

POS・EC・在庫のデータが別々に保存され、商品や日付ごとに結び付けられない場合は、予測方法を選ぶ前にデータの整理から始めます。

例えば、店舗とECサイトで商品コードが異なったり、販売数は日別、在庫数は月末時点でしか残っていなかったりすると、欠品のない日の実績を選びにくくなります。

「Caccoのデータサイエンス」では、保有データや課題を確認したうえで分析の進め方を提案し、需要予測や生産計画づくりも支援していますので、ぜひご相談ください。

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まとめ

今回は、クリスマス商戦の販売数と売上を予測し、在庫や生産の判断に活かす方法を解説しました。

商品・販売場所・期間をそろえて過去の実績を比べ、欠品や価格・販促の違いを確認してから、今年の販売個数と売上金額を見積もりましょう。

予測を実務で使う際は、次の点を押さえておくのがおすすめです。

  • 注文件数ではなく、対象商品が売れた個数を確認する
  • 欠品した日や予約分を区別し、比較できる販売実績を選ぶ
  • 予測した個数に予定単価を掛け、売上金額も見積もる
  • 日別・販売場所別の予測に合わせ、在庫の配分や補充時期を考える
  • 販売後は予測と実績の差だけでなく、その理由も記録する

予測した販売個数を、そのまま追加で仕入れ・生産する個数とは考えません。

販売可能な在庫と補充予定に加え、売れ残った場合の負担も確認して、用意する数量を決めましょう。

予測した販売個数を在庫や生産数の計画にどう反映するか、自社のデータをもとに検討したい場合は、「Caccoのデータサイエンス」にご相談ください。

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