「メールのリンクからPayPayアプリが起動されて送金してしまった」
「もし間違って送金してしまった場合はお金は戻ってくる?」
など、最近増えている最新の詐欺手口に困惑している方はいませんか?
近年、電子決済サービス「PayPay(ペイペイ)」を悪用した詐欺メールが急増しているとのことです。
これは、従来の詐欺メールとは異なり、メールのリンクを開くと、PayPayアプリが起動されて送金を促される巧妙な手口が使われています。
この記事では、
- 間違えてURLをクリック・PayPayで送金してしまった時の対処法
- PayPayで送金してしまった場合の補償の有無
- PayPayから送金させる詐欺メールを見分ける3つのポイント
などを解説していきます。
適切な対処をしないと二次被害を招く恐れもあるため、心当たりがある方は必ず最後までお読みください。
また、被害に遭わないための予防策もご紹介しておりますので、被害を未然に防ぎたい方も本記事を参考にしてください。

本多 舞
目次
【最新手口】PayPay(ペイペイ)アプリから送金を促す詐欺メールに騙されないで
冒頭でもお伝えしたように、近年PayPayアプリから送金を促す詐欺メールが急増しています。

※引用:PayPay
具体的な内容としては、
「税の納付期限が迫っています」
「お支払いが未完了です」
などといったメッセージ内容がメールやSMSに送られてきて、メールのなかのリンクを開くと、PayPayアプリが起動し、数万円程度の請求額が記載された送金画面にうつります。
そして、画面上の「送る」を押してしまうと、利用者の残高から不正者へ送金されてしまう仕組みです。

※引用:読売新聞オンライン
フィッシング対策協議会には、2026年3月頃からこのような被害の報告が確認されており、
- 3月は592件
- 4月は2万8,499件
- 5月は5万5,447件
と、右肩上がりに被害が増えている状況です。
PayPay公式サイトからも、「不審なメールやSMSを受信した場合には、添付ファイルやURLを開いたりせずに削除してください。」と注意喚起が出されています。
【実例】どんな内容の詐欺メール(SMS)が送られてくるの?
PayPayを悪用した詐欺メールとは、一体どんな内容で送られてくるのか知りたい方も多いでしょう。
ここでは、実際に送られてきた詐欺メールを3つご紹介します。
①国民年金保険料の未納分を請求する詐欺メール

※参考:フィッシング対策協議会
上記内容の詐欺メールは、実際にフィッシング対策協議会が公表している実例で、赤枠の「PayPayアプリで納付する」をクリックしてしまうと、PayPayアプリが起動して送金画面にうつるということです。
文面を見ても分かる通り、日本語に違和感はなく、本物のメールと勘違いしてもおかしくないような内容です。
ただし、メールから国民年金を納付させることは絶対にありませんので、このようなメールを受け取った方はすぐに削除し、フィッシング対策協議会や消費者ホットラインに報告・相談するようにしましょう。
②実在する保険会社を語り、保険料の納付を請求する詐欺メール

※参考:フィッシング対策協議会
上記内容の詐欺メールも、実際にフィッシング対策協議会が公表している実例で、赤枠の「お支払いはこちら」をクリックしてしまうと、PayPayアプリが起動して送金画面にうつるということです。
この保険会社に身に覚えがない場合は詐欺と判断できますが、文面のなかに「不審なメールと感じられた場合は、メール内のリンクをクリックせず、必ず公式サイトよりご確認ください。」などと公式の注意喚起を装った悪質なものになっています。
先ほどのケースと同様に、メールから保険料の支払いを求められることは絶対にありませんので、このようなメールを受け取った方はすぐに削除し、フィッシング対策協議会や消費者ホットラインに報告・相談するようにしましょう。
③大手携帯電話キャリアを語り、料金未払いの支払いを請求する詐欺メール

※参考:フィッシング対策協議会
上記内容の詐欺メールも、実際にフィッシング対策協議会が公表している実例で、青文字の「PayPay請求書払い」をクリックしてしまうと、PayPayアプリが起動して送金画面にうつるということです。
この携帯キャリアを利用していない方は詐欺と見抜くことができますが、もし自分が利用している携帯キャリアからこのような未払い分の請求がくると騙されてしまう可能性は高まります。
何度もお伝えしているように、メールから「未払い分の支払い」や「保険料の納付」が求められることは絶対にありません。
メールのリンクから支払いを促される場合は、公式サイトで似たような詐欺が発生していないか確認し、判断に迷う場合は、消費者ホットラインに相談するようにしましょう。
間違えてURLをクリック・PayPayで送金してしまった時の対処法
この記事を読んでいる方のなかには、間違えてURLをクリックしてしまったり、すでにPayPayで送金してしまった方もおられるでしょう。
ここからは、このようなケースにおける適切な対処法をご紹介します。
▼URLをクリックしただけの場合
- リンクを開いてしまったらすぐにブラウザを閉じる
- ウイルススキャンを実行する
- ID・パスワードを入力した場合は即座に公式から変更する
▼URLをクリックしてPayPayアプリから送金してしまった場合
4. PayPayで送金してしまったら証拠を保存する
5. PayPayカスタマーサポートへ速やかに連絡する
6. 警察への被害届・相談する

「URLをクリックしただけ」と「PayPayアプリから送金した」場合とでは、対処法が異なりますので、以下でさらに詳しく解説していきます。
1. リンクを開いてしまったらすぐにブラウザを閉じる
詐欺メールのリンクを開いてしまっても、慌てないでください。
まずは、その画面をすぐに閉じることが最優先です。
スマートフォンの場合は、ブラウザのタブを閉じるか、PayPayアプリ自体を終了させましょう。
その後、できるだけ早めに次のステップに進んでください。
2. ウイルススキャンを実行する
実は、怪しいサイトにアクセスしただけでも、スマートフォンにウイルスが仕込まれることがあります。
そのため、セキュリティアプリをお持ちであれば、すぐにスキャンを実行してください。
セキュリティアプリをまだ入れていない方は、これを機にインストールを検討してみましょう。
3. ID・パスワードを入力した場合は即座に公式から変更する
もしIDやパスワードを入力してしまった場合は、本物のPayPayアプリまたは公式サイトからすぐにパスワードを変更してください。
このとき、メールのリンクからではなく、PayPayアプリを直接開いてからアクセスするようにしましょう。
同じパスワードを他のサービスでも使い回している場合は、そちらも合わせて変更することをおすすめします。
4. PayPayで送金してしまったら証拠を保存する
送金してしまった場合は、慌てずに取引履歴のスクリーンショットや、詐欺メールのスクリーンショットを保存しましょう。
後から警察や相談窓口に報告するときに必要になります。
送金相手の情報(PayPay ID・電話番号など)も記録しておいてください。
5. PayPayカスタマーサポートへ速やかに連絡する
PayPayには専用のカスタマーサポートがありますので、詐欺被害に遭ったと思ったら、できるだけ早く連絡してください。
送金直後であれば、取引の調査をしてもらえる可能性があります。
ただし、次章でも詳しく解説しておりますが、PayPayアプリで自ら送金をしてしまった場合は、補償対象外となる可能性が高いです。
6. 警察への被害届・相談する
お近くの警察署やネット上の「警察庁サイバー犯罪相談窓口」に被害届を出しましょう。
一人で抱え込まず、公的な機関に相談することが大切です。
また、消費生活センターに電話することでも、専門家から適切なアドバイスをもらうことができますので、被害金額の大小にかかわらず、気軽に相談してみてください。
【注意】自らPayPayで送金してしまった場合は「お金は戻ってこない」
PayPayでは、「お客様ご自身がPayPayの残高を送る・受け取る機能を使ったお取引は、PayPayの補償制度の対象外となります」と明記しています。

※引用:PayPay
そのため、詐欺と分かっていても、自分で操作して送金してしまった場合は、PayPay側での返金対応は期待できません。
だからこそ、「送金する前に立ち止まること」が何より重要です。
「急いで送金しないとアカウントが止まる」「今すぐ支払いが必要」などと急かされても、一度冷静になって、本当に正しい相手への送金なのかを確認する習慣をつけましょう。
次章では、PayPayから送金させる詐欺メールを見分けるポイントを3つお伝えしますので、必ず覚えておくようにしましょう。
PayPayから送金させる詐欺メールを見分ける3つのポイント
詐欺の被害に遭わないため、または二度と同じような詐欺に騙されないためには、PayPayアプリから送金させる詐欺メールの見分け方を覚えておくべきです。
- 【ポイント1】送信元アドレスを確認する
- 【ポイント2】「正規メール視認性向上機能」を活用する
- 【ポイント3】メールのリンクから支払いを要求していれば詐欺確定
これは、PayPayを悪用した詐欺メールだけではなく、すべての詐欺メールを見分けるポイントでもありますので見逃さないようにしてください。
【ポイント1】送信元アドレスを確認する
送信元アドレスをよく見ると、英数字がランダムに並んでいたり、公式の企業の文字が含まれていても後ろに見慣れない文字がついていたりすることがあります。
少しでも違和感があれば、公式サイトにアクセスして、似たような詐欺が発生していないか確認してみてください。
【ポイント2】「正規メール視認性向上機能」を活用する
「正規メール視認性向上機能」を活用するのも、詐欺メールかどうか見分けるためのポイントです。
「正規メール視認性向上機能」とは、メールが本物の企業やブランドから送信されたものか、専用アイコンやロゴなどを表示して判別しやすくする機能のことです。
たとえば、Gmailの場合、本物の企業やブランドから送られてきたメールには、メールの左側に正式なロゴが表示されます。

もし、メールからPayPayアプリを開くよう誘導された際は、一度開くのを止めて「正規メール視認性向上機能」で確認してみてください。
【ポイント3】メールのリンクから支払いを要求していれば詐欺確定
公式企業やブランドから届くお知らせは、メールやSMSのリンクから直接送金や支払いを求めることは絶対にありません。
「このリンクからすぐに支払ってください」と書かれていたら、それは詐欺と判断して間違いないでしょう。
支払いや確認が必要な場合は、必ず検索エンジンやブックマークから公式サイト・アプリを直接開いてその中で確認・操作するのが正しい方法です。
メールのリンクは使わない習慣をつけることが、詐欺から身を守る最大の防衛策です。
PayPayを悪用した最新手口に騙されないための対策5つ
ここまで、PayPayを悪用した最新の詐欺手口への対処法や見分け方をお伝えしてきましたが、そもそも騙されないためのセキュリティ知識を身につけ、実際にすぐにできる対策を行うべきです。
ここで紹介する対策はおもに5つです。
- 【対策1】基本、メール内のリンクは開かない
- 【対策2】公式サイトで似たような詐欺の注意喚起を探す
- 【対策3】メールアプリの公式マーク(安心マーク)を確認する
- 【対策4】アプリ起動時や決済時の生体認証(パスキー)を設定しておく
- 【対策5】取引履歴をこまめに確認する
この記事から今すぐ簡単に対策ができますので、ぜひ一緒に確認・実施していきましょう。
【対策1】基本、メール内のリンクは開かない
PayPayに限らず、メールやSMSに含まれるリンクは基本的に開かないことが最大の予防策です。
「緊急を要する」「期限が迫っている」と急かすメールほど、詐欺の可能性が高いです。
焦らず、落ち着いて公式サイト・アプリから確認する習慣を身につけましょう。
【対策2】公式サイトで似たような詐欺の注意喚起を探す
「このメールは本物かな?」と思ったら、企業やブランド、PayPayの公式サイトを確認してみましょう。
たとえば、最近増えているPayPayアプリを起動して送金を促す詐欺メールの注意喚起が、PayPayの公式サイトから出されています。

※引用:PayPay
他にも、よくなりすましされる企業やブランドでは、同じような詐欺メールについての注意喚起が出ていることが多く、本物かどうかの判断材料になります。
検索するときは「PayPay 詐欺メール」などのキーワードで調べると、最新の手口に関する情報が見つかりやすいです。
【対策3】メールアプリの公式マーク(安心マーク)を確認する
安心できるメールアプリには、送信元が本物の企業かどうかを示す「正規メール視認性向上機能」が搭載されています。
このマークがない、または人型のアイコンやアルファベットになっている場合は、公式からのメールではない可能性があります。
お使いのメールアプリの設定を確認して、こうした機能が使えるようにしておくことと、常に意識して見ることをおすすめします。
【対策4】アプリ起動時や決済時の生体認証(パスキー)を設定しておく
PayPayやその他金融サービスなどでは、指紋や顔認証などの生体認証(パスキー)を設定することが推奨されています。
これにより、万が一IDとパスワードが漏れてしまっても、第三者がアカウントに不正アクセスしにくくなります。
設定は数分でできるものがほとんどですので、アプリのセキュリティ設定から「生体認証」や「パスキー」の項目を探して、今すぐ有効にしておきましょう。
【対策5】取引履歴をこまめに確認する
詐欺メールでは、金銭を騙し取られるケースが多いため、取引履歴はこまめに確認するようにしましょう。
そして、身に覚えのない取引が見つかった場合は、早めにカード会社やカスタマーサポートに連絡することが大切です。
こまめに確認することで、不正利用に早く気づくことができ、補償対応もしてもらえる可能性が高まります。
ただし、PayPayアプリで自ら送金しまった場合は、補償対象外となりますのでご注意ください。
PayPayを悪用した詐欺メールに関してよくある質問3つ
最後に、PayPayを悪用した詐欺メールに関して、よくある質問をまとめましたのでご覧ください。
- 【質問1】メールのリンクをクリックしただけでも被害に遭いますか?
- 【質問2】PayPayから補償が受けられるのはどういったケースですか?
- 【質問3】なぜ身に覚えがないのに、詐欺メールが届くのですか?
【質問1】メールのリンクをクリックしただけでも被害に遭いますか?
リンクをクリックしただけでは、被害が起こる可能性は低いです。
しかし、古いOSやブラウザを使っている場合は、リンクを開いただけでウイルスが仕込まれることもあります。
それを防ぐためにも、スマートフォンのOSは常に最新の状態に保つようにしましょう。
【質問2】PayPayから補償が受けられるのはどういったケースですか?
PayPayでは、自分の知らないうちに第三者がアカウントに不正アクセスして行った不正利用については、一定の条件を満たす場合に補償を受けられることがあります。

※引用:PayPay
一方、自分で操作して送金してしまった場合(いわゆる「だまされて送金」)は、補償の対象外になることがほとんどです。
被害に遭った場合は、まずPayPayカスタマーサポートに相談し、補償の可否を確認してみましょう。
【質問3】なぜ身に覚えがないのに、詐欺メールが届くのですか?
詐欺メールの多くは、特定の人を狙ったものではなく、大量のアドレスや電話番号に向けて無差別に送られています。
過去にどこかのサービスで情報が漏えいしていたり、メールアドレスが推測されやすいものだったりすると、詐欺メールが届きやすくなります。
つまり、「PayPayを使っているから狙われた」というわけではなく、誰にでも届く可能性があります。
不審なメールが届いてもすぐに反応せず、まず本物かどうかを確認する冷静さが大切です。
まとめ
従来からPayPayを語る詐欺メールはありましたが、2026年からメールのリンクからPayPayアプリが起動されて送金を促す新たな手口が急増しています。
こういった詐欺メールの被害に遭ってしまうのは、基本的なセキュリティ知識がないことや、自身でできる対策を怠ってしまっているからです。
この記事で紹介したポイントをまとめると、「メールのリンクは開かない」「急かされても焦らない」「怪しいと思ったら公式アプリで確認する」の3つです。
もし被害に遭ってしまったら、
- リンクを開いてしまったらすぐにブラウザを閉じる
- ウイルススキャンを実行する
- ID・パスワードを入力した場合は即座に公式から変更する
- PayPayで送金してしまったら証拠を保存する
- PayPayカスタマーサポートへ速やかに連絡する
- 警察への被害届・相談する
これらの対処法を行い、周りの人や公的機関の力も借りるようにしてください。
ご家族や友人にも、この記事の内容をシェアして、詐欺の被害を一緒に防いでいきましょう。
