2026.02.13
report

【インドネシアEC不正利用の実態調査2025】
EC事業者の 65% が何らかの不正被害を経験

EC事業者の65%が何らかの不正被害を経験
「代引き詐欺」「偽アカウント注文」が多発により事業者の運用負荷が深刻化

国内導入実績No.1※1の不正検知サービスを提供し、安全なネットショッピングのインフラづくりに貢献するかっこ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 : 岩井 裕之、証券コード:4166、以下 Cacco)は、これまで日本国内においてEC事業者や消費者などにおいて不正被害や対策の実態調査をおこなってきました。この度、インドネシアにフォーカスし、ECに関連する不正利用被害や対策に焦点を当てた調査結果を発表いたします。

インドネシアは東南アジアでも有数のデジタル経済成長国であり、EC市場は2028年に868.1億ドル規模へ拡大、年平均10.4%で成長する※2と見込まれています。こうした市場拡大に比例して、不正被害の増加も今後一層進むことが予測されます。

※1株式:会社東京商工リサーチ「日本国内のECサイトにおける有償の不正検知サービス導入サイト件数調査」2025年3月末日時点
※2:「Indonesia Country Commercial Guide」International Trade Administration(国際貿易局)  2025年11月17日

【結果サマリ】

  • ・ 被害経験率:インドネシアのEC利用者の 65%が「不正・詐欺被害を経験」しており、日本よりも高い傾向が見られた。
  • ・ 不正の手口:被害内容は「代引き詐欺(COD受け取り拒否)」「偽アカウント注文(アカウント乗っ取り)」が多発しており、日本で注目されるクレジットカード不正利用とは異なる。
  • ・ 経済的損失:被害金額は月間Rp 1,000,000(9,329円)以下の小規模な損害が約75%を占めるが、23%はそれ以上の被害に達している。
  • ・ 対策の現状:採用されている対策は「手動モニタリング(51%)」と「不正検知システム(53%)」が半数を超える一方、3Dセキュアの導入は22%にとどまる。
  • ・ 運用の課題:手動監視に多くの人的コスト(毎月11〜20時間など)が費やされており、スタッフの判断のばらつきや誤検知による売上ロス、運用負荷が深刻化している。

■調査背景

インドネシアはデジタル経済の成長が著しく、それに伴いEC市場も急速に拡大しています。しかし、消費活動の活発化に比例して不正注文や詐欺行為のリスクも高まっています。日本国内では「クレジットカード不正利用」が最大の脅威となっていますが、決済方法や商習慣が異なる東南アジア市場において、どのような不正被害が起きているのか、また現地の事業者がどのような対策をとっているのかを明らかにするため、かっこ株式会社は独自に実態調査を実施いたしました。

■調査概要

  • ・調査主体:かっこ株式会社
  • ・調査方法:Populixによるインターネットリサーチ
  • ・調査対象:EC事業者
  • ・有効回答数:100人
  • ・調査実施期間:2025年5月

※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。

■調査結果の詳細

【1.不正被害の頻度】

Q:不正な注文被害(詐欺、偽造、詐欺的な注文など)にあったことがありますか?(単一回答)

インドネシアにおけるEC事業者の65%が何らかの不正被害を経験しています。日本の被害経験率(38.0%)と比較しても大幅に高く、不正リスクが非常に身近な脅威となっていることがわかります。

不正注文被害の経験有無

【2.不正手口の内訳】

Q:どのような種類の詐欺行為に直面しましたか? (複数回答)

インドネシアでは「代引き(COD)関連の不正」が58%、「他人のアカウント乗っ取り(偽アカウント注文)」が52%と大きな割合を占めています。日本国内の調査で最も懸念される「クレジットカード不正利用」はわずか6%にとどまり、日本とは不正の構図が大きく異なる点が顕著な特徴です。

直面した詐欺行為の種類

【3.不正利用による被害額】

Q:不正被害による月平均の経済的損失総額はいくらですか?(単一回答)

被害に遭う頻度自体は多いものの、約75%は「月間Rp 1,000,000以下」の小規模な損害に集中しています。しかし、23%の事業者は月間Rp 1,000,000〜Rp 10,000,000の範囲の被害を受けており、事業者全体で見ると一定の経済的損失が発生している実態が伺えます。

月平均の経済的損失総額

【4.不正注文への対策状況】

Q:不正注文を防止するためにどのような対策を採用していますか?(複数回答)

現在採用されている対策は、「AI・機械学習を用いた不正検知システムの導入(53%)」と「手動による不正監視(51%)」がそれぞれ5割を超え主力となっています。一方で、日本国内で広く浸透している「3-Dセキュア」の導入はわずか22%にとどまります。

採用している不正防止策

【5.手動監視に伴う人的コストの課題】

Q:手動による不正監視に毎月どのくらいの時間を費やしていますか?(単一回答)

手動での不正監視を実施している事業者のうち、全体の49%が「毎月11〜20時間」を監視業務に費やしています。このような体制は、スタッフの個人の判断のばらつきによって誤検知(正常な注文を弾いてしまう売上ロス)を招きやすく、同時に大きな運用負荷を生み出す原因となっています。

手動監視の毎月費やし時間

■Caccoによるまとめ

今回の調査により、インドネシアのEC市場では代引き詐欺やアカウント乗っ取りなど、プラットフォームや現地の決済環境に応じた独自の不正が多発していることが明らかになりました。市場の急成長に伴い、不正手口の多様化や巧妙化がさらに進むことが懸念されます。

多くのEC事業者が手動監視によるチェックに頼らざるを得ない現状がありますが、人的な審査体制はスタッフの負荷を高めるだけでなく、機会損失(誤検知による売上ロス)のリスクを内包しています。今後の健全な市場拡大に向けては、人海戦術からの脱却を図り、リアルタイムな自動検知やルール運用を組み込んだシステム化を進めることが強く求められています。

かっこ株式会社は、今後もグローバルな視点を含め、高度化する不正注文やサイバーリスクに対する高精度なセキュリティサービスを提供し、安全・安心なEC環境の構築に貢献してまいります。

※1:株式会社東京商工リサーチ「日本国内のECサイトにおける有償の不正検知サービス導入サイト件数調査」2025年3月末日時点
※2:「Indonesia Country Commercial Guide」International Trade Administration(国際貿易局) 2025年11月17日
本調査結果を引用いただく際は、「かっこ株式会社『インドネシアEC不正利用の実態調査2025』調べ」と引用元としてご記載ください。