ときはカネなり。アルバイトで1時間働いたとき、最もお金が稼げる街はどこなんだろう?
データを分析して判断材料を提供する「かっこ株式会社」では、誰もが知りたいけれどもなかなか分からないこの問題を今回の調査のテーマに選びました。
街を比較する材料として、読者の皆さんが具体的に想像できる平等な尺度で、シンプルにアルバイト時給の「いま」を「見える化」したい。
そこで知恵を絞って発明したのが、日本経済を語る新たな指標「牛丼指数」です! これは、国民的牛丼チェーン「吉野家」さんの牛丼並盛の価格300円に注目し、これを時給との比較対象として、その街で1時間働いたとき、いったい何杯分食べることが出来るのかを指数化したものです。
具体的には、東京のJR山手線各駅周辺でインターネットを使って募集が行われていた求人4942件を対象に、地域内で突出して高額な上位10%の時給を除いて平均を算出し、指数化しました。
さて、「ときはカネなり」ならぬ「ときは並盛」から見えてきた真実とは?
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山手線全体の平均で見た場合の牛丼指数は3.85杯でした。つまり、1時間働けば3.85杯分の牛丼並盛にありつける、それが山手線沿線の平均です。
この平均より牛丼指数の低いエリアは、山手線の南北にそれぞれ連続する大きなゾーンを形成しており、北側は大塚駅から御徒町の間、南側は目黒から品川の間で、全体と比較して時給が低めの水準にあることが分かりました。
また、その中でも最も牛丼指数が低い3.65未満の駅は南側では大崎だけなのに対し、北側は大塚、田端、日暮里、鴬谷、御徒町と、特に広く分布している事も明らかになりました。
一方、時給で牛丼並盛を4杯以上食べられる可能性が高い、牛丼指数セレブな街として明らかになったのは、銀座に隣接する「新橋」、新宿と原宿に挟まれた「代々木」、そして池袋のお隣「目白」という意外な顔ぶれ。
実は、誰もが思いつくような繁華街やオフィス街よりも、そこに隣接する少しだけ存在感の薄い街の方が人集めに苦労しており、それによって時給が高くなっているのかもしれないという、新たな気付きを与えてくれる結果になっています。
都内に生活する学生や主婦の皆さん、この夏にアルバイトやパートを探す際には、「牛丼指数」が与えてくれた手がかりをもとに、どの街で働くか決める材料にしてみるのも良いかもしれませんよ。
かっこ株式会社のウェブサイトでは、各駅別の指数を表にした詳細を掲載していますので、興味ある方はぜひ、チェックしてみて下さい。
https://cacco.co.jp/findings/report_0004/
(文/かっこ株式会社・成田武雄)