カリフォルニア大学サンタバーバラ校データサイエンス学部4年の鵜飼大輝です。
大学では確率・統計を主に学んでおり、2024年の3月からかっこのデータサイエンス事業部でインターンをしています。
これまでに家庭の事情でニューヨークとアトランタにも滞在しており、カリフォルニアにいる期間も含めて合計で7年ほどアメリカに住んでいます。
2年前に私は実際にディーラーに赴き、車を購入しました。
その時に「こうすればもっと出費を抑えられたのかな」と感じた実体験をもとに今回の分析を行いました。
そのため、「カローラLE」をおすすめするには説得力のある内容になっていると思います!
目次
結論. カリフォルニアで経済的に(安く)トヨタ車を買うなら「カローラLE」
※引用:TOYOTA公式
まず結論ですが、カリフォルニアで経済的に(安く)トヨタ車を買うなら「カローラLE」です。
というのも今回の分析から、中古車の購入時と売却時の差額の傾向を分析して、その差額が小さい車種を「経済的な車」と定義した場合に「カローラLE」が最も経済的であると判明したからです。
カルフォルニアは、面積がとても広く、学生であっても通学や日常生活に車の購入が必須であるため、そんな学生にとっても有用な分析結果が得られたのではないかと思います。
カリフォルニアってどこ?
カリフォルニアは、アメリカの西海岸に位置する州で、アメリカで最も人口が多く、経済規模も非常に大きい州です。
有名な都市として、中心部のロサンゼルスやシリコンバレーの中心地であるサンフランシスコがあります。
カリフォルニアは一つの州であるにも関わらず、日本の総面積よりも大きく、そのため多様な気候と風景を持っています。太平洋沿岸のビーチ、シエラネバダ山脈の山々、そしてヨセミテ国立公園のような自然の名所が豊富です。
また、カリフォルニアは多文化共生が進んでおり、さまざまな背景を持つ人々が共に暮らしています。
経済的にも文化的にも重要な地域であり、観光地としても人気があります。
なぜカリフォルニア限定の話なのか?
アメリカは非常に広大な国(面積はなんと日本の約26倍)なので、州ごとに気候や文化が大きく異なります。
そのため、自分が住んでいる地域の状況を知ろうとして他の地域の情報を調べてもあまり参考にならないことも多いです。
こうした理由から、私はアメリカ全土を対象にした分析よりも、自分が住んでいるカリフォルニア州に焦点を当てた分析に魅力を感じました。
また、カリフォルニア州は『日本人留学生』が最も多く集まる州でもあるので、参考にしていただける方が多いのではないかと思います。
今回は、カリフォルニア州を対象に分析しましたが、経済的な車を見つけ出す方法自体は、他の州の場合においても活用できると考えられます。
なぜトヨタに限定したのか?
カリフォルニアで一番売れているメーカーであり、日本人相手に提案する際、なじみのあるメーカーであることも嬉しいポイントだと考え、トヨタを選びました。
また、アメリカで広く利用されている中古車の市場価格評価リソースである、Kelly Blue Bookにおいて、最もリセールバリューが高いメーカーとされていることも理由にあります。
これらを踏まえ、トヨタの中から経済的な車種を探すことが、将来の日本人留学生にとって最も有益だと考えました。
中古車に大きく影響するのは走行距離
今回分関をするために取得したデータは、
- 車種(Prius、 Corolla)
- 価格
- 燃料タイプ(ガソリン、ハイブリッド)
- 内装
- 外装
- ボディ(SUV、 セダン)
- 走行距離
- 市街地での燃費
- 高速道路での燃費
の9個のデータです。
この中で、値段との相関を調べ、最も関連性の強い変数を調べました。
その結果、走行距離が最も中古車の値段に影響を与えるという結論に至りました。
また車種ごとに、この走行距離が中古車の値段の下落にどれくらい影響するかを調べた結果、同じ走行距離を走った場合にカローラLEが最も値段の下落が小さく、結論で述べた経済的な車種であることがわかりました。
走行距離以外に見るべき指標
走行距離以外に見るべき指標としては、「外装の色」「内装の色」が挙げられます。
これは、カローラLEを最も経済的な車種と特定した後、カローラLEの中でその他の要素が値段の下落にどのように影響するかについて分析した結果、明らかになりました。
カリフォルニアで安いトヨタ車を探した方法
取得したデータを元に、以下3つの手順で分析を行いました。
- 【STEP1】:取得した要素ごとの相関関係を調べ、値段に最も影響を与える要素を調べる。
- 【STEP2】:【STEP1】で明らかになった要素を元に、どの車種が一番下落が小さいかを特定する。
- 【STEP3】:【STEP2】で選ばれた車種の中で、さらにどの要素が値段の下落を小さくできるかを特定する。
データの取得
今回は、「autolist.com」という中古車検索のオンラインプラットフォームから、カルフォルニアに住む人が中古車を選ぶ際、現実的に買うことができる車の条件を設定してデータを取得してきました。
具体的には、以下の条件を設定しました。
- 予算を$30,000(約460万円)以下に設定
- オートマチック車に絞り込み
- カリフォルニア州ロサンゼルス近郊(半径約16km)での検索
収集したデータの要素
収集したデータの要素は、以下の通りです。
- 車種(Prius, Corolla)
- 値段
- 燃料タイプ(ガソリン、ハイブリッド)
- 内装の色
- 外装の色
- ボディ(SUV, セダン)
- 走行距離
- 市街地での燃費
- 高速道路での燃費
回帰分析の活用
各要素が、中古車の値段に対してどれくらい影響を与えるかを分析するために、今回は回帰分析を活用しました。
例として、【STEP1】では、取得したすべての車に対して、中古車の値段を目的変数(y)、走行距離(マイル)を説明変数(x) として回帰分析しました。
回帰分析とは
回帰分析とは、ある結果に対し、他の要素との関係性を「y =ax + b」といった式に落とし込み、統計的に関係性の強さを明らかにすることができる手法です。
今回で言うと、価格の下落という結果に対して、走行距離といった車の使用状況がどのような関係があるかを調べるために利用しています。
回帰分析による車種別比較
得られた回帰式は以下のようになります。
y = 27342.84 – 0.08861x
この式から、1マイル中古車を利用すれば、$0.08861価格が落ちることがわかります。
また、ここから留学生が4年間で50,000マイル車を走ったと仮定すると、平均で約$4430.5(=$0.0861 × 5000)値段が下落すると推測できます。
そしてさらに【STEP2】【STEP3】では、この回帰分析を使いこなすことで、でも値段の下落が小さな要素を特定することができました。
- 車種ごとに回帰分析を実施して、4年間の値段の下落が一番小さな車種を特定する。
- 外装の色、内装の色ごとに回帰分析を実施して、4年間の値段の下落が一番小さな色を特定する。
分析の結果、以下のようなことがわかりました。
- カローラLEは、4年間で$3971の下落と、他の車種と比べて一番小さい。
- 中でも、外装が赤色であることは、4年間で$3649の下落と、他の色に比べて一番小さい。
- 中でも、内装がグレーであることは、4年間で$3840の下落と、他の色に比べて一番小さい。
カリフォルニアで車を買うべき人
基本的にカリフォルニアに住む全ての人に車を買うことをおすすめします。
なぜなら、カルフォルニアという広大な土地であり、公共交通機関が発達していない地域もあるためここで生活する人たちにとっては、車は必須だからです。
ですが、そんな中でも特に車を買うべき人というのを列挙していきます!
- アメリカで少しでも時間を有効に使いたい人
- アメリカで留学生活を楽しみたい人
- アメリカでより高い安全性を求める人
アメリカで少しでも時間を有効に使いたい人
車を持つと、通学やアルバイト、買い物、勉強などの日常活動が効率的に行えます。
車を使うことで通学時間や通勤時間が短縮でき、バスや電車の乗り継ぎの手間が省けます。
また、大型ショッピングモールやスーパーマーケットへのアクセスも便利で、買い物の時間を節約できます。
さらに、自分が集中しやすい図書館やカフェに自由に移動でき、勉強や研究に必要な時間を確保することができます。
アメリカで留学生活を楽しみたい人
車があれば、ビーチなどの観光地を自由に訪れ、地元や学校のイベントやアクティビティに参加しやすくなります。
また、友人やクラスメートとの外出や共同活動が増え、社会的な繋がりを広げる機会が増えます。
さらに、アメリカのさまざまな地域を訪れることで、多様な文化体験を楽しむことができ、留学生活がより深く豊かなものになります。
アメリカでより高い安全性を求める人
カリフォルニアでの生活で安全面を不安視する場合、車を持つことは非常に有益です。
夜間や治安が心配な地域で安心して移動できるほか、自転車の盗難リスクを避けることができます。
また、交通事故のリスクを低減し、荷物を安全に運ぶことが可能です。さらに、緊急時には迅速に対応できるため、公共交通機関が利用できない時間帯でも安心です。
まとめ
以上、カリフォルニアで車を買いたい人に「カローラLE」がおすすめな理由を解説しました。
「カローラLE」をおすすめするまでに用いた分析手法は回帰分析です。
そしてそのデータ分析の手順は、
- 【STEP1】:取得した要素ごとの相関関係を調べ、値段に最も影響を与える要素を調べる。
- 【STEP2】:【STEP1】で明らかになった要素を元に、どの車種が一番下落が小さいかを特定する。
- 【STEP3】:【STEP2】で選ばれた車種の中で、さらにどの要素が値段の下落を小さくできるかを特定する。
という流れです。
また、今回の分析には回帰分析を使っていて、分析の結果、以下のようなことがわかりました。
- カローラLEは、4年間で$3971の下落と、他の車種と比べて一番小さい。
- 中でも、外装が赤色であることは、4年間で$3649の下落と、他の色に比べて一番小さい。
- 中でも、内装がグレーであることは、4年間で$3840の下落と、他の色に比べて一番小さい。
もしカリフォルニアで車を買う予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。