導入事例

データサイエンスcase study

最大305%up!タイトル解析で
PVに寄与する「キーワード」「表現」「構成」が明らかに!

株式会社NEWSY様
株式会社NEWSY

導入サービス:データサイエンス

株式会社NEWSYが提供する調査系ニュースメディア「しらべぇ」。
月間3,710万PVを誇る人気記事の数々から、PVに貢献するタイトルの表現や、ことばを解析して、より読者の心を掴むコンテンツ制作を実現させようという試みが成果をあげています。
果たしてニュースメディアに、かっこのデータサイエンスがどのような貢献を果たしているのか、しらべぇ編集長でNEWSYの代表取締役でもあるタカハシマコト様に、弊社取締役の成田がお話を伺いました。

しらべぇとかっこの共通言語は「データ」

成田 「今日はよろしくお願いします。もともとは僕がNEWSY取締役の岡田さんと知り合いで、設立間もない頃にタカハシさんを紹介いただいたんですよね」

タカハシ 「そうですね。面白い人がいると聞いて(笑)。あれからもう4年くらいですか。
当時しらべぇを立ち上げたのは、データに基づくニュースを出したいという思いがあったんです。今でこそWebメディアにもデータやエビデンスが求められていますが、あの頃は新聞社などのニュースサイトと、匿名掲示板などに2極化していた感がありますから。

株式会社NEWSY 代表取締役CEO/ニュースサイト「しらべぇ」編集長 博報堂クリエイティブディレクター タカハシマコト様
株式会社NEWSY 代表取締役CEO/ニュースサイト「しらべぇ」編集長 博報堂クリエイティブディレクター タカハシマコト様

そこでしらべぇの一つの柱として、自社でアンケートパネルを持ち、意識調査をした結果をベースに記事を配信していました。ただ、データはアンケート調査の結果しかなかったんです。成田さんとお会いして、オープンデータを解析するという手法で記事をいただけることになり大変助かりました」

成田 「そう言ってもらえると嬉しいです。
当時は、『ビッグデータ』ってバズっている割によくわからない言葉になっていて、それを誰にでもわかる、判断の材料に使える形にして伝えてみたかったんです(※)。

僕もかっこにジョインしたばかりで、博報堂さんが本気で作るWebメディアに寄稿すれば、かっこについて知ってもらえるかもしれないという思惑があり、お互いの求めているところが『データ』を軸にうまく合致したんじゃないでしょうか」

(※) 山手線全駅のトイレ個室調査では、誰でも知ることのできるデータを可視化によりわかりやすく伝え、話題となった。
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 https://sirabee.com/2015/09/04/48797/

しらべぇ独自のメソッドを統計的なアプローチで構築

成田 「記事のタイトルを解析しようという話も、こうした関係の中で自然と出てきたんですよね」

タカハシ 「そうそう、初回の分析は2016年。社内で検討して、やってみたら面白かった。
もちろん実施した理由はあって、その頃ウチにはメディア勤務歴のない社員や経験の浅いライターも多かったんです。僕自身も、コピーライターとしては20年のキャリアがありますが、メディア編集長としての経験は浅かったですし、まずデータに頼ってみようと考えたのがきっかけです」

成田 「マスメディアなどが持っているノウハウを持ち込むのではなく、統計的なアプローチでしらべぇ流のメソッドを作りたかった、ということでしょうか」

タカハシ 「まさにその通りです。いろんなメディアを見て、表面的に真似ていくことはできますが、それが正しいかどうかはわからない。検証して、初めて裏付けが取れるということです」

NEWSYの運営する「しらべぇ」とタカハシ様
NEWSYの運営する「しらべぇ」とタカハシ様

PVに寄与する「キーワード」「表現」「構成」が明らかに!

成田 「分析をしてみて、タカハシさんとしてはどんな知見が得られました?」

タカハシ 「感覚的に信じていたことが、正しいと検証できた点がありました。たとえば隅付き括弧【】を使うとPVが落ちるというのは、メディアでは最近の定説になっています。
でも、ウチでは2年前に解析結果としてそれを知っていました。一般論でよく聞くから真似しておこう、ではなく、データとして何%落ちるということまで知っている。そこは強みになりますよね。

一方で、こっちの方がPV伸びるの!とか、同義語でも選び方で大きな差が出る、といったように、新たな気付きや認識の修正につながったこともありました。このあたりは、『しらべぇ』というメディアの特性が統計という形で明らかになったんだと思います」

成田 「それから、2016年にはPV数増加に大きく貢献した言葉が、2018年には貢献度0だった、ということもありました。言葉が生き物であることを感じます」

タカハシ 「しらべぇの場合は、メディアとしての成長も結果に反映されたのかな。知見をアップデートするためにも、定期的に調べていくことが必要ですね」

しらべぇ記事タイトルがPVに寄与する「キーワード」「表現」「構成」
しらべぇ記事タイトル解析結果抜粋(2018年調査)

クリエイティブとともにあるデータサイエンス

成田 「しらべぇ編集部では、この結果をどう活用されているのでしょうか」

タカハシ 「媒体のレギュレーションとして、推奨する表現、避けるべき表現を分析結果から抜粋して編集者やライターに展開しています。
ただ、『これは全部禁止!』という形にはしていません。メディアとして一辺倒になってしまいますから。結果が出ていない言葉をあえて選ぶなら、意図や戦略をもって使うように教育をしています」

成田 「統計学・AIとクリエイティビティって、対極にあるように思われがちだけど、そうではないですよね。
データや解析結果がある中、それを参考指標として踏まえた上であえて一石を投じた別の表現を生み出すような使い方をすれば、データはクリエイティブの材料になります。そこから生まれた表現は、今後、また新たな変数になっていくわけです」

タカハシ 「タイトルとして効果が出ない言葉があるなら、言い換えることはできないのか、魅力的な表現はできないのか。ときには失敗してもチャレンジしていくのがタイトルワークだと思います。
記事についてサイトに表示されているのはタイトルとアイキャッチ画像程度ですから、メディアを運営していて、タイトルの重要性は本当に大きいと感じています」

弊社カフェスペースにて、タカハシ様(左)とデータサイエンス事業部成田(右)
弊社カフェスペースにて、タカハシ様(左)とデータサイエンス事業部成田(右)

成田 「関係性や効果を認識しておくことで、クリエイティブの世界に統計を使う理由もはっきりしてきますね。
コピーライターとしても著名なタカハシさんの視点から、クリエイターの方たちがこうしたデータサイエンスに期待するのはどういう点だと思いますか?」

タカハシ 「クリエイターが企画会議をすると、データは苦手だ、なんて話によくなります。でも、避けては通れないという危機感も持っています。そんな中、判断の材料として使えるかっこさんのようなアプローチはシンプルでわかりやすい」

成田 「AIを使ってアウトプットまで作り上げるアプローチもありますけど、統計の出す分析結果と人間の力を組み合わせるような考え方、クリエイティブの判断材料として統計の結果を使ってもらうような考え方は、割と受け入れられる気がします」

タカハシ 「今、オウンドメディア運営企業さんのコンサルティングもしているのですが、ノウハウがなく手探りでやっているような企業もありますから、今回のような分析を横展開していくのも面白そうです。効果的なワードの共通項とか、メディアごとの特性を説明できるような結果が出そうですね。
データを基にできるという安心感がありますし、自分たちの強み・弱みがわかったうえでコンテンツを考えていければ、アウトプットの質も変わってきます。

あとは、流入チャネルによってタイトルの好みが分かれて、効く言葉などが違ったじゃないですか。同じ記事でもこのチャネルにはこのタイトル、というところまで開発したら結構受けるかも」

成田 「今後の展開はいろいろ考えられそうですね。ぜひ一緒にビジネスを成長させていきましょう!」

── 調査データに基づくニュースメディアとして、月間3,710万PV、1,040万ユーザーを誇るNEWSYの「しらべぇ」。100%オリジナルコンテンツの持つパワーを、ユーザーにより深く届けるために、かっこのデータサイエンスを今後も活用頂ければ幸いです。

しらべぇ:
https://sirabee.com/

2018年4月20日取材 ※文中発言欄の敬称略。内容は取材時のものです。