データ分析の内製化を成功させるやり方と注意点を解説!

組織

「データ分析を内製化したいけれど、何から始めればいいの?」
「AIやツールを使えば、社内だけで分析できるようになるの?」

と、悩んでいる人は多いと思います。

データ分析の内製化とは、社内で分析結果を理解し、業務改善や施策判断に活かせる状態を作ることです。

ただし、人材やデータ環境が整わないまま進めてしまうと、担当者任せで属人化したり、ツールを導入しても分析結果を活用できなかったりすることがあります。

この記事で整理するポイントは以下のとおりです。

  • データ分析を内製化するメリット・デメリット
  • 内製化を始める前に確認したいこと
  • データ分析を内製化するための具体的な進め方
  • AIにデータ分析を任せるときの注意点

この記事を読めば、データ分析の内製化に向けて何を確認し、どのような順番で進めればよいのかを整理できます。

自社だけで進めるべき範囲と、外部支援を検討したい場面もイメージしやすくなるでしょう。

ぜひ参考にしてみてください。

Cacco_datascience

目次

データ分析を内製化するメリット・デメリット

データ分析を内製化することで、分析の進め方やデータを見るときの判断基準を社内に残せるようになります。

一方で、人材育成やデータ環境の準備には時間と工数がかかるため、始める前に負担も確認しておきましょう。

ここではまず、データ分析を内製化するメリット・デメリットを整理します。

  • 【メリット1】社内に分析ノウハウが残る
  • 【メリット2】自社の業務や顧客理解を反映できる
  • 【メリット3】必要なタイミングで分析できる
  • 【デメリット1】人材の確保や育成に時間と工数がかかる
  • 【デメリット2】担当者任せになると属人化しやすい
  • 【デメリット3】データや分析環境の準備が必要になる

メリットとデメリットの両方を知っておくと、自社でどこまで内製化すべきかを考えやすくなります。

それぞれ順に確認していきましょう。

【メリット1】社内に分析ノウハウが残る

データ分析を内製化するメリットは、分析の進め方や判断の過程が社内に残ることです。

外部にすべて任せる場合、分析結果は受け取れても、どのような前提で分析したのかが社内に残りにくいことがあります。

内製化で残しておきたいノウハウには、以下のようなものがあります。

  • どのデータを使ったか
  • どの指標を見たか
  • どのような前提で分析したか
  • 分析結果をどう判断したか
  • 次回以降に見直すべき点は何か

こうした情報を残しておくと、同じような課題が出たときに、前回どのデータを見て、どう判断したのかを確認できます。

担当者だけでなく、チーム全体で分析の考え方を共有できる点も、内製化のメリットなのです。

【メリット2】自社の業務や顧客理解を反映できる

データ分析を内製化すると、自社の業務や顧客理解を分析に反映できます。

売上や購入回数の増減は、データだけを見ても、「なぜそうなったのか」までは判断できないことがあります。

例えば、以下のように社内の状況と合わせて確認すると、次の判断につなげやすくなります。

データで見えること データだけでは見えないこと
特定商品の売上が伸びている 一時的な販促の影響か、需要の変化か
既存顧客の購入回数が減っている 商品への不満か、接触頻度の低下か
店舗ごとの売上に差がある 立地、在庫、人員配置などの影響があるか
広告経由の購入が増えている 継続購入につながっているか

業務の担当者が分析に関わると、売上の増減を数字だけで判断せず、販促や在庫、顧客層などの状況と合わせて確認できます。

その結果、分析結果を「どの商品を強化するか」「どの顧客に施策を打つか」といった具体的な判断へ落とし込めるようになります。

【メリット3】必要なタイミングで分析できる

内製化によって、よく使う数値を社内で確認できるようになると、依頼や確認にかかる時間を減らせます。

分析のたびに社内の別担当者や外部へ依頼する場合、依頼内容の整理や結果の確認までに時間がかかることがあります。

そのため、売上や購入回数などを常に社内で見られる状態にしておくと、以下のような場面で早めに次の対応を考えられます。

  • キャンペーン後に売上や購入回数を確認する
  • 月次会議の前に最新の数値を確認する
  • 特定商品の売上低下に早めに気づく
  • 顧客層ごとの購入傾向を見直す
  • 施策後の変化を次の改善に活かす

ただし、最初からすべての分析を社内で行う必要はありません。

まずは、日常的に確認する売上や顧客データなど、見る頻度が高い指標から内製化を進めるとよいでしょう。

【デメリット1】人材の確保や育成に時間と工数がかかる

データ分析の内製化には、分析を担当する人材の確保や育成が必要です。

分析ツールを導入しても、目的に合うデータを選び、結果を読み取り、施策につなげる人がいなければ活用は進みません。

そのため、内製化を進める際は、以下のような作業を担当できる人や体制を用意する必要があります。

必要な作業 内容
目的設定 何を改善するために分析するかを決める
データ確認 必要なデータの場所や状態を確認する
集計・可視化 売上や顧客データを見やすい形にする
結果の読み取り 数値の変化や原因を考える
施策への反映 分析結果を業務改善や販促施策に活かす

既存業務と兼任する場合は、分析に使える時間が限られることもあります。

内製化を進めるときは、担当者だけに負担が偏らないように、作業範囲と工数を事前に確認しましょう。

【デメリット2】担当者任せになると属人化しやすい

データ分析を内製化しても、特定の担当者だけに任せると属人化するおそれがあります。

また、分析手順や判断基準が共有されていないと、担当者の異動や退職によって、同じ分析を続けられなくなるリスクが高まります。

属人化を防ぐためには、以下の情報を残しておきましょう。

  • 使用したデータの場所
  • 集計や加工の手順
  • 確認している指標
  • 分析結果を判断した理由
  • 施策に反映した内容
  • 次回確認すべきポイント

個人のスキルに頼りすぎると、内製化しているように見えても、実際には担当者1人に依存した状態になります。

分析内容を記録しておけば、担当者が変わった場合でも、どのデータを使い、どの基準で判断したのかを確認しながら分析を続けられます。

【デメリット3】データや分析環境の準備が必要になる

データ分析を内製化するには、分析に使うデータや作業環境を整える必要があります。

社内にデータがあっても、保存場所や入力ルールがばらばらな状態では、担当者が毎回データを探したり、集計前の修正に時間を取られたりするからです。

表記ゆれや欠損、重複が多いまま分析すると集計結果が実態とずれる原因にもなるため、内製化を目指す際は、以下の項目を確認しておきましょう。

確認すること 確認内容
データの保存場所 どのシステムやファイルにデータがあるか
データの状態 表記ゆれ、欠損、重複がないか
データの権限 誰が閲覧・加工できるか
更新頻度 毎日、毎週、毎月など、いつ更新されるか
分析環境 Excel、BIツール、分析基盤など、何を使うか

データの保存場所や閲覧権限が整理されていないと、分析を始める前の確認作業に時間がかかります。

内製化を進める前に、データの状態、更新ルール、使用するツールを確認しておけば、担当者が同じ準備作業でつまずくリスクを減らせます。

データ分析を内製化する前に確認したい5つのこと

データ分析を内製化する前に、分析結果をどの業務改善や施策判断に使うのかを決めておきましょう。

使い道が曖昧なまま分析テーマを広げると、データ準備やレポート作成に時間をかけても、社内の判断につながりにくくなります。

内製化を始める前に、次の5つを確認してください。

データ分析を内製化する前に確認したい売上改善、継続見直し、担当者、費用工数、情報管理の5項目

  • 【1】売上改善や業務改善につながる分析か
  • 【2】継続して見直す必要がある分析か
  • 【3】分析結果を確認する人や施策を決める人がいるか
  • 【4】継続に必要な費用や工数を確保できるか
  • 【5】機密情報や個人情報の扱いを決めているか

これらの項目を先に整理しておくと、どの分析から内製化するべきか、優先順位をつけやすくなります。

分析を始めたあとに「見る人がいない」「データが使えない」「工数が足りない」といった理由で止まらないよう、それぞれ順に見ていきましょう。

【1】売上改善や業務改善につながる分析か

最初に確認したいのは、その分析が売上改善や業務改善につながるかどうかです。

どの商品を強化するか、どの顧客に施策を打つかなど、決めたいことが曖昧なままでは、商品別や顧客別に数値を出しても次の施策につながりにくくなります。

まずは、分析テーマごとに「判断に使えること」と「必要なデータ」を整理します。

分析テーマ 分析結果をもとに決められること 内製化前に確認したいこと
商品別の売上分析 重点的に売る商品や販促対象を決める 商品別の売上データがそろっているか
顧客別の購入傾向分析 優良顧客や休眠顧客への対応を考える 顧客IDと購入履歴をひもづけられるか
広告施策の効果分析 継続する施策や見直す施策を決める 広告費用と購入数を同じ期間で見られるか
在庫や欠品の分析 仕入れ量や発注タイミングを見直す 在庫数や欠品状況を記録できているか
業務時間の分析 時間がかかる作業や手戻りを見直す 作業時間や処理件数を確認できるか

内製化で優先したいのは、結果を見たあとに次の行動を決められる分析です。

「何となく分析したい」ではなく、売上改善や業務改善につながる判断ができるテーマから始めるとよいでしょう。

【2】継続して見直す必要がある分析か

次に見るのは、その分析を継続して見直す必要があるかどうかです。

確認頻度が高い数値ほど、毎回集計を依頼していると、会議や施策判断の前に準備の負担が大きくなります。

まずは、継続的に見直す場面がある分析テーマを整理しましょう。

分析テーマ 見直すタイミング 社内で確認できるとよい理由
月別の売上推移 月次会議の前 前月との差を見て、次の施策を考えやすい
商品別の売上変化 週次または月次 売れ筋や落ち込みを早めに確認できる
既存顧客の購入回数 月次または四半期 リピート施策の対象を見直せる
広告施策後の購入数 施策後 継続する広告や停止する広告を判断できる
在庫数や欠品状況 日次または週次 発注や販売機会の損失を見直せる

一度だけ確認すればよい分析は、必ずしも最初から内製化する必要はありません。

会議や施策判断のたびに使う数値から内製化すると、社内で継続して見直す流れを作りやすくなります。

【3】分析結果を確認する人や施策を決める人がいるか

誰が分析結果を確認し、誰が次の施策を決めるのかが曖昧だと、内製化してもレポート作成だけで止まりやすくなります。

データ分析は、数値を出すだけでなく、結果を見て施策や業務改善につなげるところまで決めておくことが大切です。

まずは、分析後の流れに関わる担当者を整理しましょう。

役割 決めておくこと 決まっていないと起きること
数値を確認する人 レポートや数値を誰が見るか 作成したレポートが見られないままになる
数字の背景を補足する人 キャンペーン、在庫、顧客対応などの状況を誰が共有するか 数字だけで原因を決めつける可能性がある
次の施策を決める人 分析結果をもとに、何を続けるか、見直すか、止めるかを誰が決めるか 分析後の行動が決まらない
施策を実行する人 決まった対応を誰が進めるか 分析結果が業務改善につながらない
更新や共有を管理する人 レポートの更新や共有の流れを誰が管理するか 継続して確認する仕組みが残らない

担当者を先に決めておけば、分析担当者はレポート作成後に、誰へ共有し、何を確認してもらうのかで迷いにくくなります。

数値の確認だけで終わらせず、背景の確認、施策決定、実行までつなげることで、分析結果を業務改善に活かせます。

【4】継続に必要な費用や工数を確保できるか

データ分析を内製化しても、費用や工数がゼロになるわけではありません。

社内で対応する場合でも、担当者が分析や確認に使う時間、ツールの利用料、データ整備の工数は必要です。

担当者の通常業務を圧迫しないよう、内製化を始める前に必要な工数や費用を見込んでおきましょう。

必要な工数・費用 具体例 事前に決めておきたいこと
担当者の作業時間 集計、レポート更新、数値の確認 週次・月次でどれくらい時間を確保するか
学習時間 Excel、BIツール、分析の基礎理解 誰がどの範囲まで学ぶか
ツール費用 BIツール、分析ツール、データ基盤 月額・年額でどの程度の予算を見込むか
データ整備の工数 表記ゆれ、欠損、重複の確認 分析前の準備を誰が担当するか
外部支援の費用 初期設計、分析支援、運用相談 自社で対応する範囲と相談する範囲をどう分けるか

費用や工数を見込まずに始めると、レポート更新やデータ整備が後回しになり、分析を続けにくくなります。

最初から大きな仕組みを作るのではなく、担当者が無理なく続けられる範囲から始めましょう。

【5】機密情報や個人情報の扱いを決めているか

顧客情報や購買履歴を分析に使う場合は、機密情報や個人情報の扱いを先に決めておく必要があります。

扱えるデータや共有範囲が曖昧なままだと、分析に必要なデータを出せず、確認作業で止まりやすくなるためです。

内製化を始める前に、以下のように「誰が、どのデータを、どこまで扱えるか」を整理しておきましょう。

決めておくこと 具体例 決まっていないと起きること
分析に使うデータの範囲 売上、購買履歴、顧客ID、問い合わせ履歴など 必要以上の個人情報を扱う可能性がある
個人を特定できる情報の扱い 氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどを使うか 分析に不要な情報まで共有してしまう
閲覧できる人 分析担当者、施策を決める人、外部支援先など 誰に共有してよいか判断できない
外部共有の方法 匿名化、項目削除、集計後データでの共有など 相談前にデータを出せず、分析が進まない
保管と更新のルール 保存場所、更新担当者、最新版の管理方法 古いデータや重複データを使う可能性がある

最初からすべての情報を分析に使う必要はありません。

目的に必要な項目だけを選び、個人を特定できる情報を外すことで、社内でも扱いやすいデータにできます。

データの扱いを先に決めておくと、分析を始めるときに「誰に共有してよいか」「どこまで加工すべきか」で迷いにくくなります。

データ分析を内製化するための具体的な進め方

データ分析を内製化するときは、目的、データ、体制の順番で決めることが基本です。

BIツールやAIを使う場合でも、目的やKPI、分析結果の使い方が決まっていなければ、社内で分析結果を活用する状態にはつながりません。

まずは、以下のやり方で内製化を進めていきましょう。

データ分析を内製化するために目的とKPI、データ確認、小さな分析、役割分担、外部支援の順で進める流れ

  • 【1】目的とKPIを決める
  • 【2】必要なデータの場所と状態を確認する
  • 【3】小さな分析テーマから始める
  • 【4】役割分担を決めてから人材育成を進める
  • 【5】外部支援も使いながら社内に知見を残す

この流れで進めると、分析作業だけで終わらず、施策判断に使える状態を作りやすくなります。

ここからは、各ステップで何を決めるべきかを順に整理します。

【1】目的とKPIを決める

最初に、データ分析で何を改善したいのかを決定します。

目的が決まっていないと、売上、顧客数、購入回数など、どの数字を優先して見るべきか判断できません。

目的とKPIは、以下のようにセットで考えます。

目的 KPIの例 分析で見ること
売上を伸ばしたい 売上高、購入単価、購入回数 どの商品や顧客層が売上に影響しているか
リピート購入を増やしたい リピート率、購入頻度、最終購入日 どの顧客が継続購入しているか
広告の効果を見たい 問い合わせ数、購入数、問い合わせ・購入1件あたりの広告費 どの施策が成果につながっているか
在庫を見直したい 在庫数、欠品数、在庫が売れて入れ替わる速さ どの商品が余りやすいか、不足しやすいか
業務時間を減らしたい 作業時間、処理件数、ミス件数 どの作業に時間や手戻りが多いか

目的とKPIを先にそろえると、必要なデータや分析後の判断を決めやすくなります。

同じ売上改善でも、新規購入を増やすのか、既存顧客の購入回数を増やすのかで必要なデータは異なるため、以下の内容も一緒に残しておきましょう。

  • 分析で解決したい課題
  • 優先して見るKPI
  • そのKPIを選んだ理由
  • 分析結果を使う部署や担当者
  • 分析後に判断したいこと

ここまで決めておくと、分析に必要なデータを絞りやすくなり、あとから分析を見直すときも当時の判断理由を確認できます。

【2】必要なデータの場所と状態を確認する

目的とKPIが決まったら、分析に使うデータの場所と状態を把握します。

日々の業務で蓄積される取引データや顧客データは、分析用に設計されたデータとは限らないため、入力ルールの違い、欠損、重複、例外的な処理がないかを確認しましょう。

分析前に見るポイントは、以下のとおりです。

確認すること 見るポイント 放置すると起きること
データの場所 どの部署、システム、ファイルに保存されているか 必要なデータを探すだけで時間がかかる
データの形式 Excel、CSV、スプレッドシート、システム出力など 加工や集計の方法を決めにくい
データの期間 いつからいつまでのデータがあるか 比較したい期間の数字がそろわない
データの項目 売上、顧客ID、商品名、日付などがあるか KPIに必要な項目が足りない可能性がある
データの状態 表記ゆれ、欠損、重複、集計単位のずれがないか 集計結果が実態とずれる原因になる
利用権限 担当者が閲覧や加工をできるか 分析のたびに権限確認が発生する

この段階で、すべてのデータを完璧に整える必要はありません。

まずは、今回の目的に対して必要なデータ項目と定義がそろっているかを確認するとよいでしょう。

データ整備について詳しく知りたい方は、『データ整備は何をどこまで整える?分析で迷わないための4ステップ』も参考にしてください。

【3】小さな分析テーマから始める

データ分析の内製化は、小さな分析テーマから始めるのが基本です。

最初から高度な予測分析や大規模なダッシュボード構築を目指すと、必要なデータや体制が増え、途中で止まりやすくなります。

まずは、結果を確認しやすく、次の行動につなげやすいテーマを選びましょう。

最初に取り組みやすい分析テーマ 始めやすい理由 次に広げる方向
月別の売上推移を見る 売上データだけで始めやすい 商品別、店舗別、顧客別に分けて見る
商品別の売上を確認する 売れている商品と落ちている商品を把握できる 在庫や販促施策と組み合わせる
既存顧客の購入回数を集計する 顧客IDと購入履歴があれば確認できる リピート率や休眠顧客の分析に広げる
キャンペーン後の購入数を見る 施策前後で比較しやすい 広告費や顧客層ごとの反応を見る
問い合わせ数の変化を見る 営業やマーケティングの動きとつなげやすい 商談化率や受注率まで追う

小さなテーマから始めると、必要なデータの不足、表記ゆれの修正量、担当者が集計に使う時間を早い段階で確認できます。

最初の分析で見つかったデータや作業時間の課題を直しておくと、商品別から顧客別、店舗別などへ分析対象を広げるときも、担当者が同じ準備作業で止まりにくくなります。

【4】役割分担を決めてから人材育成を進める

内製化を続けるには、分析担当者だけでなく、結果を使って動く人まで決めておく必要があります。

分析担当者だけに任せると、データの背景確認や施策判断まで1人に集中し、属人化につながるためです。

まずは、分析後の流れに関わる役割を分けて考えましょう。

役割 担当すること この役割がないと起きること
分析担当者 データの集計、可視化、レポート作成を行う 数値を確認できる形にできない
業務・現場担当者 キャンペーン、在庫、顧客対応など、数字の背景を共有する 数字だけを見て原因を決めつける可能性がある
施策を決める人 分析結果をもとに、何を続けるか、見直すか、止めるかを決める 分析後の行動が決まらない
実行担当者 決まった施策を実務に反映する 分析結果が現場の改善に使われない
管理担当者 データの更新ルールや分析手順を管理する 担当者ごとにやり方が変わり、再現しにくくなる

役割を先に分けておくと、分析担当者だけに作業や判断が集中しにくくなります。

BIツールやレポートを見る人、数字の背景を補足する人、施策を決める人がそれぞれ必要な知識を持つことで、分析結果を業務改善に使いやすくなるからです。

人材育成は、全員に高度な分析スキルを求めるのではなく、役割ごとに必要なスキルから進めましょう。

  • 既存レポートやダッシュボードの見方を理解する
  • 売上や顧客データの基本的な集計を行う
  • 数値の変化から仮説を立てる
  • 分析結果を会議や施策検討で説明する
  • 分析手順や判断基準を社内に共有する

最初から高度な分析スキルを求めると、担当者の負担が大きくなります。

まずは、日常業務で使う指標を読み取り、数値の変化を説明できる状態を目指しましょう。

慣れてきたら、仮説づくりや施策検討、分析手順の共有など、担当できる作業を少しずつ広げていきます。

【5】外部支援も使いながら社内に知見を残す

内製化を進めるときは、すべての作業を自社だけで抱えるのではなく、社内に判断基準を残せる進め方を選ぶことが大切です。

目的設定やデータ確認で迷う場合は、外部の知見を借りることで、自社で決めることと外部に相談することを整理しやすくなるからです。

ただし、支援先に任せきりにせず、自社で行う範囲と外部に相談する範囲を分けておきましょう。

工程 自社で行うこと 外部支援で補うこと 社内に残したいこと
目的設定 解決したい課題や優先順位を共有する 分析テーマやKPIの整理を支援してもらう なぜそのテーマを選んだか
データ確認 社内データの場所や種類を把握する 分析に使える状態か確認してもらう どのデータを使えると判断したか
集計・可視化 日常的に見る数値を確認する 複雑な集計やダッシュボード設計を相談する どの指標をどう見ているか
高度な分析 結果の見方や業務背景を共有する 予測分析や顧客分類などを支援してもらう 結果をどう解釈したか
施策活用 実行する施策を社内で決める 分析結果から改善案を整理してもらう どの判断をもとに施策を選んだか

どの工程を自社で担当し、どこを外部に相談したのかを残しておくと、次回同じような分析を行うときの判断材料になります。

外部支援は、内製化をあきらめるためではなく、自社だけでは足りない知識や工数を補いながら、社内で再現できる範囲を増やすための手段です。

AIにデータ分析を任せていいの?

AIは、データの集計やグラフ作成、分析のたたき台づくりに役立ちます。

ただし、AIが出した結果をそのまま使うだけでは、データ分析の内製化は進みません。

AIを使う場合も、何を分析するか、業務上の前提をどう反映するか、結果をどの施策に使うかは社内で決める必要があります。

AIの分析結果は精度やリスクを確認して使う

AIにデータ分析を任せる場合でも、出力結果は人が見直す必要があります。

AIの回答は、入力するデータの状態や指示の内容によって変わるため、常に正しいとは限りません。

この考え方は、総務省・経済産業省のAI事業者ガイドラインでも示されています。

AI事業者ガイドラインのうちAI利用者が精度やリスクを確認して利用することを示した部分

※引用:総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)本編

大切なのは、AIの出力を鵜呑みにせず、精度やリスクを理解したうえで利用することです。

データ分析でAIを使う場合も、出力された数値や要約が、元データや業務実態と合っているかを確認しましょう。

特に、以下のような点には注意が必要です。

  • 入力したデータに欠損や重複がないか
  • 分析対象の期間や条件が正しいか
  • AIが前提を取り違えていないか
  • 出力された数値や傾向が元データと矛盾していないか
  • 社内の業務実態と照らして違和感がないか

いずれかの項目に違和感がある場合は、データの条件やAIへの指示内容を見直しましょう。

元データ、分析条件、業務実態と照らし合わせることで、AIの出力を施策判断に使ってよいかを判断しやすくなります。

分析目的と活用方法は人が決める

AIを使う場合でも、何を分析し、結果をどう活かすかは人が決める必要があります。

AIは、指示された作業を進めることはできますが、自社の売上課題や業務上の優先順位まで判断できるわけではありません。

例えば、AIに任せやすい作業と、人が判断すべきことは以下のように変わります。

目的 AIに任せやすい作業 人が判断すべきこと
売上を伸ばしたい 商品別や期間別の売上集計 どの商品を重点的に売るか
リピート購入を増やしたい 顧客ごとの購入回数の集計 どの顧客層に施策を打つか
広告効果を見たい 広告別の購入数や問い合わせ数の集計 継続する広告や見直す広告を決める
業務時間を減らしたい 作業時間や処理件数の整理 どの業務から改善するか
在庫を見直したい 商品別の在庫数や欠品数の集計 発注量や販売計画をどう変えるか

AIには、条件が決まっている集計や整理の作業を任せやすいです。

一方で、数字の背景にある顧客行動、在庫状況、営業活動などを踏まえて施策を選ぶ判断は、自社の業務を理解している人が担います。

AIを活用するときは、作業の効率化と意思決定を分け、社内で判断すべき範囲を決めておきましょう。

データ分析の内製化でお悩みならCaccoのデータサイエンスに相談

データ分析の内製化は、すべての作業を最初から自社だけで担うことではありません。

目的設定やデータ確認、分析結果の活用方法など、自社だけでは判断しにくい部分に、外部の知見を取り入れる進め方もあります。

Caccoのデータサイエンス」は、企業の課題に合わせてデータ活用の進め方を一緒に整理するサービスです。

Caccoのデータサイエンスで申し込みからヒアリング、提案、データ集計・分析、最終報告会まで進む流れ

※引用:Caccoのデータサイエンス

Caccoのデータサイエンスでは、課題発見から解決に向けた進め方の提示までは無料で対応しています。

課題が曖昧な段階から相談できる

Caccoのデータサイエンスでは、何を分析すべきかが明確でない段階から、課題や見るべき指標を一緒に整理できます。

社内に売上データや顧客データがあっても、見るべき指標や優先すべき課題が決まっていないことがあります。

そのような場合でも、社内に蓄積されたデータをもとに現状を確認しながら、以下のような悩みを一緒に整理していきます。

  • 社内にデータはあるが、何を見ればよいかわからない
  • 売上改善や業務効率化につながる分析テーマを決めたい
  • 売上データや顧客データを施策判断に活かしたい
  • KPIや施策効果の見方を整理したい
  • 分析に使えるデータや項目を確認したい

課題が曖昧なまま内製化を始めると、データを集めても分析テーマを決めるところで止まりやすくなるため、先に現状や見るべき指標を整理しておくことが重要です。

さらに詳しく支援事例を確認したい方は、『【最新版】Caccoのデータサイエンス活用事例4選|導入で迷わない進め方も解説』もご参照ください。

データ整備から分析活用まで支援を受けられる

データ分析を内製化するための具体的な進め方』の章でも解説したように、データ分析を内製化するには、データの保存場所、入力ルール、表記ゆれ、欠損、重複など、分析に使うデータの状態を整える必要があります。

Caccoのデータサイエンスは、分析に必要なデータの項目や条件の整理、データ整備から、集計・分析、具体的な打ち手の提案まで支援できる点が特長です。

データの状態確認から分析活用まで整理して進めることで、ツールの導入だけで終わらせず、分析結果を業務改善や施策判断に使える状態を目指せます。

Cacco_datascience

まとめ

今回は、データ分析を内製化するメリット・デメリット、始める前に確認したいこと、具体的な進め方、AIを使うときの注意点について解説しました。

データ分析の内製化は、ツールやAIを導入することではなく、分析結果を社内で理解し、業務改善や施策判断に活かせる状態を作ることです。

最初から高度な分析を目指すのではなく、以下のポイントを確認しながら小さなテーマから始めることが大切です。

  • 分析の目的とKPIが決まっているか
  • 必要なデータの場所と状態を確認しているか
  • 分析結果を確認する人や、施策を決める人が決まっているか
  • 担当者任せにならないよう役割分担や記録方法を決めているか
  • AIに任せる範囲と、人が判断する範囲を分けているか

これらを1つずつ確認すると、内製化に必要な目的、データ、体制を整理できます。

分析結果を使う人や判断基準まで決めておくことで、担当者任せで終わるリスクも減らせます。

自社だけで内製化を進める中で、次のような課題がある場合は、外部支援の活用も検討しましょう。

  • 何から分析すべきか決められない
  • データが分析に使える状態かわからない
  • 分析結果を施策にどう活かすべきか迷っている
  • 社内に知見を残しながら進めたい

データ分析の内製化でお悩みの際は、「Caccoのデータサイエンス」にお気軽にお問い合わせください。

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