「D2C事業って難しそうだけど、売上を伸ばすためのポイントとかあるの?」というお悩みの方に向けて今回は
- D2C事業で売上を拡大するために重要な3つのポイント
- D2C事業で売上拡大に成功しているスタートアップ3選
について整理しました。
D2Cは新しい概念であるため、ビジネスに適用するのが難しく感じるかもしれません。
しかし、この記事でまとめている成功のポイント参考にすればD2C事業で売上を伸ばすことができるでしょう。
〜ネット通販(EC)やD2C事業に付きまとう不正注文が起こる原因や対策を解説〜
Contents
前提:2025年には3兆円規模に拡大する見込みのD2C市場
株式会社売れるネット広告社によるデジタルD2Cの市場調査では「2025年には3兆円に達すると予測」との調査結果が示されています。
市場規模が拡大するということは、すなわち売上を成長させる余地がまだまだあるわけです。
そこで、皆さんがこのチャンスを逃さないためにも、売上を拡大させる為のポイントを説明していきます。
D2C事業で売上を伸ばすために重要な3つのポイント
D2C事業として売上を伸ばすためのポイントは以下3つです。
- 顧客や購買データを蓄積する仕組みを構築する
- 蓄積されたデータを分析し日々のマーケティングに活用する
- 実店舗やオンラインショップのUI/UXを改善しブランドの世界観を作り上げる
これらを実践することで、自社の世界観を出しながら、売上を拡大するD2C事業を構築できます。
1. 顧客や購買データを蓄積する仕組みを構築する
D2Cとして売上を伸ばすための1つ目のポイントは、顧客や購買データを蓄積する仕組みを構築することです。
商品の販売を小売店に任せていた場合は、売れそうな商品を企画・生産することに集中すればよく、販売に関するノウハウは不要でした。
しかし、D2Cでは自社で消費者を集め、販売していく必要があります。
ですから、「誰にどんな商品が売れているのか?」「何に興味を持ってくれたのか?」について、データを収集・蓄積しておくことが非常に重要です。
例えば、ShopifyなどのECサイト構築サービスを使う場合は、特に意識せずとも購買データが蓄積されていきます。
しかし、自社でECを構築するにはAWSやGCP、Azureといったクラウドサービスや自社サーバーにおいて、はじめにデータ収集の基盤を整える必要があります。
D2Cで着実に売上を拡大するにはデータが不可欠だと言っても過言はありません。
そのため、必ずデータを蓄積する仕組みを構築できているのか、確認しましょう。
▼Shopifyに関する記事
2. 蓄積されたデータを分析し日々のマーケティングに活用する
2つ目のポイントは、蓄積されたデータを分析し日々のマーケティングに活用することです。
データをきちんと活用できれば自社の顧客像を理解できるようになり、「誰に何を届けるべきか」について根拠のある判断につながります。
しかし、ECサイトの顧客データや閲覧・購買データを収集・蓄積できるようになっても、それを活用できなければ宝の持ち腐れです。
例えば、アクセサリーをD2Cで販売している企業に「20代の男性向けに新商品を開発したいけど、ピアスかリングかネックレスどれを重点的に開発すれば良いかわからない」という悩みがあったとします。
この際、データを蓄積し活用できる仕組みがあった場合、「20代の男性にはリングがよく売れているようだ」といった傾向が確認できます。
そのため、自信を持って「20代男性をターゲットにするならリングを開発しよう!」と判断が下せるのです。
データを蓄積し日々のマーケティングに活用することで、根拠を持った上で意思決定し、売上アップにつなげることができるといえます。
3. 実店舗やオンラインショップのUI/UXを改善しブランドの世界観を作り上げる
D2Cとして売上を拡大するための3つ目のポイントは、実店舗やオンラインショップのUI/UXを改善しブランドの世界観を作り上げることです。
D2Cではブランドの世界観を正しく伝え、共感してくれるようなファンを持つことがとても大事です。そのためには、顧客接点となる実店舗やECサイトのUI/UXを磨き上げ、ブランドの一貫性が伝わるように作り込む必要があります。
例えばシンプルなデザインの商品が売りである無印商品のECサイトが、赤や黄色などの原色がいくつも入ったデザインだと、ブランドのコンセプトと一致しておらず違和感を感じるはずです。ブランド価値が下がる可能性もあります。
商品のコンセプトやブランドの世界観に共感してくれる人を増やすためにも、常に顧客接点のUI/UXとブランドの世界観が一致しているか確認し続けることが売上拡大の重要なポイントだといえます。
D2C事業で売上拡大に成功しているスタートアップ3選
これから売上拡大に成功しているD2Cスタートアップの事例として
- インスタライブを活用し売上拡大:COHINA
- サブスクリプションモデルで売上拡大:BULK HOMME
- OMOマーケティングで売上拡大:FABRIC TOKYO
の3つを紹介します。
これら成功企業のエッセンスを自社のビジネスに適用してみてください。
1. インスタライブを活用し売上拡大:COHINA
引用:COHINA
COHINAは2017年に、当時大学生だった2名の創業者が「小柄な自分にも似合う服がほしい」という原体験からスタートしたD2Cブランドです。
COHINAの特徴は、消費者とのSNSを活用して直接コミュニケーションを取っている点です。小柄な女性を着用モデルに起用したインスタライブを365日配信することで、商品コンセプトやブランドの世界観を直接消費者に伝えています。
毎日インスタライブで配信し続けた結果今ではInstagram公式アカウントのフォロワーが20万人を超えています。(2021年8月3日現在)。
COHINAはSNSをうまく活用し消費者と直接コミュニケーションを取ることで悩みやニーズを汲み取った製品を開発し、売上の拡大に成功しているD2C事業の代表例だといえます。
2. サブスクリプションモデルで売上拡大:BULK HOMME
引用:BULK HOMME
BULK HOMMEはITベンチャー等複数の企業立ち上げを経験した野口卓也氏によって、2013年に創業され、メンズスキンケアを販売しているD2Cブランドです。
BULK HOMMEの特徴は、マーケティング手法とブランド戦略にあります。特にオンライン販売に強みがあり、売上の8割を支えています。
マーケティング手法としては、まずはGoogle・Facebook・LINEなどあらゆるプラットフォームにおいて、ネット広告を配信し、自社のECサイトへ集客します。そして、デザイン性が高く、高品質な男性用化粧品を、初回特典として安価で販売。
その後、サブスクリプション形式で定期購入を促すことで、安定して収益を得るビジネスモデルを構築しています。
ブランド戦略としては木村拓哉氏を起用したCMを配信し、ブランドの認知を拡大。「イケてるメンズコスメ」の地位を確立しました。
早期にメンズコスメ市場に参入し、サブスクリプションモデルを構築できていることが売上拡大に繋がっているといえます。
3. OMOマーケティングで売上拡大:FABRIC TOKYO
引用:FABRIC TOKYO
FABRIC TOKYOは2012年に創業されたオンライン発のカスタムオーダーメイドビジネスウェアブランドです。
FABRIC TOKYOは当初オンラインで完結するビジネスモデルを展開していましたが、リアル店舗を出店しOMOマーケティングを実践することで売上を拡大したことが特徴です。
FABRIC TOKYOが第一号店(ポップアップストア)を2015年・浜松町に出店したきっかけは「実際に採寸して欲しい」という声が多数あったことだそうです。
実際に、リアル店舗でプロが採寸することで、顧客は安心してオンラインで購入できるようになり、リピート率が向上する効果があったそうです。
また、2号店は常設店舗を渋谷の少し外れたエリアに出しましたが、オンラインで既に広く認知されていたため、開店当初から来店が順調だったそうです。
FABRIC TOKYOはオンラインからオフライン、オフラインからオンラインと相互に送客を行う「OMOマーケティング」の仕組みを構築できていることが売上拡大に繋がっているといえます。
D2C事業で売上拡大するにはデータ活用とブランド構築が重要!
今回はD2C事業で売上を拡大するための3つのポイントから、売上拡大に成功しているスタートアップ事例を紹介させていただきました。
D2Cを成功させるには
- データを蓄積する仕組みを構築しマーケティングに活かしていくこと
- 顧客接点となる実店舗やECサイトのUI/UXをブランドの世界観とマッチさせること
が重要であるとお伝えしました。
また、売上拡大に成功しているスタートアップ事例から「SNS活用」「サブスクリプション」「OMOマーケティング」という成功のエッセンスを紹介しました。
これらD2Cの成功のポイントを押さえて、自社のビジネスへ取り入れてみてください。