「偏差値60って、全体の中でどれくらいすごいの?」
「点数が高ければ、偏差値も高くなるの?」
と、気になっている人は多いと思います。
偏差値とは、テストの点数そのものではなく、集団の中で自分がどの位置にいるかを示す数値です。
ただし、平均点や全体の点数のばらつきによって見え方が変わるため、数字だけを見てしまうと、今の立ち位置や学力を正しく読み取りにくいことがあります。
この記事では、テスト結果を正しく分析するために、以下のポイントをわかりやすく整理します。
- 偏差値の意味と点数との違い
- 偏差値の求め方
- 偏差値70・60・50・40が示す位置の目安
- 偏差値を比べるときの注意点とよくある疑問
この記事を読めば、偏差値の仕組みがわかり、自分の立ち位置を正しく読み取りやすくなるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。

前田 夏希
偏差値とは
偏差値とは、集団の中で自分がどのあたりにいるかを、平均からの距離をもとに読み取りやすくした数値です。
例えば、同じ80点でも、平均点が90点のテストと平均点が60点のテストでは、集団の中での位置づけがまったく変わります。
「点数」が純粋に何点取れたかを見る数字であるのに対し、「偏差値」はテストの難易度(平均点)に左右されず、自分の本当の立ち位置を知るための数字なのです。
平均の目安は「偏差値50」
偏差値を見るときの基本は、平均点にあたる人の偏差値が50になることです。
偏差値は、得点を平均50・標準偏差10になるように変換した数値なので、自分の点数がちょうど平均点なら偏差値は50になります。
標準偏差については次章で説明しますが、まずは50より上か下かを見るだけでも、自分が集団の中で平均より上にいるのか下にいるのかをつかみやすくなります。
偏差値の基本的な考え方については、こちらの動画でもわかりやすく解説しています。
おはようございます。今日も分析日和です📊
Caccoのデータサイエンティスト・根本さんが今回も登場🙌テーマは【偏差値】👀
90点なのに偏差値55、40点なのに偏差値60…?
実は偏差値は点数そのものではなく、
「みんなの中でどの位置か」を見る指標なんです。なぜそんな逆転が起きるのか?… pic.twitter.com/EWptr8vclD
— Caccoのデータサイエンス (@Cacco_Inc_DSlab) February 23, 2026
※引用:X|Caccoのデータサイエンス
基本的な偏差値の求め方
偏差値は、点数の高さだけで決まる数字ではなく、「自分の点数と平均点との差」と「全体の点数のばらつき」の2つの要素を使って求めます。
ここでは「テストAとテストBで同じ80点を取った場合」を例に、偏差値が決まる流れを順番に見ていきましょう。
- 【前提】平均点との差や点数のばらつきで偏差値は変わる
- 【手順1】自分の点数と平均点の差(偏差)を出す
- 【手順2】全員の点数がどのくらい散らばっているか(標準偏差)を出す
- 【手順3】偏差を標準偏差で割り、10倍して50を足す
まずは、偏差値が決まる「前提」から整理します。
【前提】平均点との差や点数のばらつきで偏差値は変わる
偏差値は、同じ点数でも平均点との差や点数のばらつきによって変わります。
テストAとテストBの両方で80点を取ったとしても、平均点が違えば集団の中での位置づけは同じとは限りません。
偏差値は、この違いを点数だけでなく「平均との差」と「ばらつき」の両方から読み取りやすくする仕組みなのです。
【手順1】自分の点数と平均点の差(偏差)を出す
まず、自分の点数から平均点を引いて、平均より何点上(または下)かという「偏差」を出します。
先ほどの例で計算すると、テストAは「80点(自分の点数)-60点(平均点)=+20点」、テストBは「80点(自分の点数)-90点(平均点)=-10点」となります。

このように平均との差を出すと、テストBの80点は平均を下回っていたことがわかります。
【手順2】全員の点数がどのくらい散らばっているか(標準偏差)を出す
次に、参加者全員の点数がどのくらい散らばっているかを表す「標準偏差」を出します。
標準偏差は、それぞれの点数が平均点からどれだけ離れているかをもとに計算し、ばらつきの大きさを1つの数値にまとめたものです。
ここでは計算の細かい形を覚える必要はなく、「平均との差を1つの数値にまとめる」と考えれば十分です。
- 【例】
- 5人の点数がそれぞれ50点・55点・60点・65点・70点で、平均点が60点
- 平均との差は、それぞれ-10点・-5点・0点・+5点・+10点
- それぞれを2乗すると、100・25・0・25・100
- これらの平均は、(100+25+0+25+100)÷5=50(分散)
- 最後に平方根をとると、√50≒7.1
- このとき、標準偏差は約7.1点です
偏差値を出すときは平均との差だけでなく、その差が集団の中でどれくらい大きいのかを見るために、標準偏差が必要なのです。
標準偏差の基本や活用例については、『標準偏差とは?データを見るなら知っておくべき求め方や目安』の記事で詳しく解説しています。
【手順3】偏差を標準偏差で割り、10倍して50を足す
偏差値は、自分の点数が平均点からどれくらい離れているかを、テスト全体のばらつきもふまえて、比べやすい数字に直したものです。
自分の点数が平均点と同じなら偏差値は50になり、平均より標準偏差の値ぶん上なら60、下なら40になるように計算します。
この考え方を式にすると、次のようになります。
$$偏差値 = \left( \frac{自分の点数 – 平均点}{標準偏差} \right) \times 10 + 50$$
【手順1】で見たテストA・テストBの例に戻って、どちらのテストも標準偏差が10点だと仮定すると、偏差値は次のように計算できます。
- テストA(自分の点数80点、平均点60点)
$$
\left( \frac{80 – 60}{10} \right) \times 10 + 50 = 70
$$
- テストB(自分の点数80点、平均点90点)
$$
\left( \frac{80 – 90}{10} \right) \times 10 + 50 = 40
$$
このように変換することで、点数だけを見るよりも、集団の中で自分がどのあたりにいるのかを比べやすくなります。
同じ点数でも偏差値が変わる理由を、別の例でも確認したい方は、こちらの動画もあわせてご参照ください。
おはようございます。今日も分析日和です📊
Caccoのデータサイエンティスト・根本さん、今回も登場です🙌
前回は【偏差値】は点数そのものではなく、
「みんなの中でどの位置にいるか」を表す指標、というお話でした👀
今回はその続き!
90点でも偏差値が伸びない理由、… pic.twitter.com/CekAN25qnc— Caccoのデータサイエンス (@Cacco_Inc_DSlab) March 1, 2026
※引用:X|Caccoのデータサイエンス
偏差値60ってすごいの?偏差値の目安一覧
偏差値の仕組みがわかっても、60や40といった数字が実際にどのくらいの位置なのかは、まだイメージしにくいかもしれません。
そこで、平均の目安である50を基準に、それぞれの数字が示す大まかな位置を一覧で整理します。
なお、以下の割合は、点数分布が正規分布に近いとみなしたときの統計的な目安です。
正規分布とは、データが平均(中央)に多く集まり、そこから左右バランスよく散らばっている釣鐘型・山型を描く分布のことです。多くのテスト結果はこの形に近くなるため、偏差値の数字から「自分が100人中で何位くらいか」の目安を割り出せるようになります。
| 偏差値 | 位置の目安 | 割合の目安 | 100人中なら上から何位くらい? |
|---|---|---|---|
| 70 | かなり高い | 上位約2.3% | 約2位 |
| 60 | 高い | 上位約15.9% | 約16位 |
| 50 | 平均付近 | 約50% | 50位前後 |
| 40 | 低い | 下位約15.9% | 約84位 |
この表を見ると、偏差値60は上位約16%に入る目安で、平均よりかなり高い位置だとわかります。
反対に偏差値40は下位約16%の目安なので、50を基準に上下を見るだけでも、おおまかな立ち位置をつかみやすくなるでしょう。
偏差値を比べるときの2つの注意点
偏差値は自分の立ち位置を知る便利な数字ですが、読み方をまちがえると結果を正しく受け取りにくくなります。
結果を正しく受け止めるには、数字の性質を理解したうえで、いくつかの条件に気をつける必要があります。
ここでは、偏差値を見るときに押さえておきたい2つの注意点を順番に整理します。
- 【注意点1】母集団が違う偏差値は単純比較できない
- 【注意点2】偏差値だけで学力のすべては測れない
それぞれの注意点をしっかり押さえておくと、偏差値という数字に振り回されにくくなるでしょう。
【注意点1】母集団が違う偏差値は単純比較できない
テストを受けている集団(母集団)が違うと、同じ偏差値でも意味はまったく変わります。
全国模試の偏差値60と、難関校を目指す人が多い模試の偏差値60では、集団全体のレベルが違うため、同じ60でも同じ水準とは限りません。
自分の結果を読み違えないためにも、偏差値はできるだけ同じ条件のテスト同士で比べることが大切です。
【注意点2】同じ偏差値でも答案の中身まで同じとは限らない
偏差値は全体の中での自分の位置を知る便利な手がかりですが、これ1つで学力のすべてがわかるわけではありません。
例えば、同じ「偏差値60」を取った2人がいたとしても、点数の取り方は次のように違うことがあります。
- Aさん:基礎問題をほとんど落とさず、安定して点を取って「60」になった
- Bさん:難しい問題では点を取れた一方で、基本問題の取りこぼしがあり「60」になった
同じ偏差値でも、得意不得意の中身は違うことがあります。
偏差値という1つの数字だけで判断せず、点数の内訳や答案の内容まで見ることが大切です。
偏差値に関してよくある質問3つ

偏差値の仕組みや正しい見方がわかってくると、さらに細かい疑問が湧いてくるかもしれません。
ここでは、特によくある3つの疑問に絞って解説します。
- 【質問1】偏差値に最大値や最小値はありますか?
- 【質問2】偏差値と順位はどう違いますか?
- 【質問3】テストで90点だと偏差値はいくつですか?
それぞれの答えを確認し、数字をより正確に読み取れるようにしていきましょう。
【質問1】偏差値に最大値や最小値はありますか?
偏差値に「100が上限」「0が下限」といった決まりはありません。
偏差値は平均点からどれだけ離れているかをもとに決まるため、平均との差が非常に大きければ100を超えることも、逆に大きく下回れば0を下回ることも理論上はあります。
ただし、実際の学校のテストや模試では、そこまで極端な数字が出ることは多くありません。
【質問2】偏差値と順位はどう違いますか?
順位は「上から何番目か」を表す数字で、偏差値は「平均からどれくらい離れているか」と「点数のばらつき」をふまえて位置を示す数字です。
例えば、同じ10位でも、1位との差がほとんどないテストもあれば、大きく開いているテストもあるため、順位だけでは結果の中身まではわかりません。
その点、偏差値は平均点やばらつきも含めて見られるので、集団の中で自分がどのあたりにいるのかをつかみやすくなります。
【質問3】テストで90点だと偏差値はいくつですか?
2章『基本的な偏差値の求め方』でも解説した通り、偏差値を出すには「全員の平均点」と「全体の点数のばらつき(標準偏差)」が必要なので、「90点」という自分の点数だけでは、偏差値がいくつになるかを知ることはできません。
仮に標準偏差を10点と仮定すると、平均点が60点のテストで90点なら偏差値は80ですが、平均点が85点のテストで90点なら偏差値は55になります。
90点という点数だけで偏差値が高いと決めつけず、そのテスト全体の結果とあわせて見ることが大切です。
まとめ
今回は、偏差値の基本的な仕組みから計算方法、そして数字を比べるときの注意点について解説しました。
偏差値は、テストの点数そのものではなく、集団の中で自分がどの位置にいるかを示す数値です。
特に、今回押さえておきたいポイントは次の通りです。
- 偏差値は「平均点との差」と「点数のばらつき」から計算される
- 偏差値50を基準にすると、全体の中での立ち位置が直感的にわかる
- テストを受けている集団(母集団)が違うと単純に比較できない
- 偏差値だけで学力全体は測れない
偏差値を理解すると、点数だけで判断せず、平均や全体の中での位置もあわせて見られるようになります。
こうした「平均との差」や「ばらつき」をそろえて見る考え方は、テスト結果だけでなく、さまざまなデータを整理して判断するときにも役立ちます。
もし自社で、「データをどう見ればよいかわからない」「複数の数字をどう比べればよいか迷っている」とお悩みの際は、データ活用のプロに相談するのも選択肢の1つです。
「Caccoのデータサイエンス」では、データ利活用のプロが状況のヒアリングを行い、データ整理から課題解決提案まで無料で対応しています。

