コロナの影響で巣ごもり消費が盛り上がり、競争が激しくなっているオンラインショッピング。
ライバルに打ち勝ち、お客さんに自社の製品を買ってもらうためにはECサイトに工夫が必要になっています。
その鍵を握っているのがECサイトのブランディングです。
今回の記事では「なぜブランディングが必要なの?」という疑問を解消した後、ブランディングの効果・成功法まで解説します。
たしかに、マーケティングやPR担当者以外にとってはブランディングというと馴染みがなく、難しく感じるかもしれません。
しかし、重要なポイントを押さえるだけなら意外と簡単です。
これからECサイトの売上を上げていきたい方はぜひご一読ください。
Contents
ECサイトのブランディングとは?
結論からいうと、ECサイトにおけるブランディングとはその商品ならではの価値やイメージを顧客に想起させることです。
「マーケティングとは何が違うの?」と思う方もいると思いますが、マーケティングとは自社から消費者に向けて発信し、顧客を増やしていく施策のことです。
ブランディングでは「スニーカーといえばNIKEでしょ!」のように、お客さん自身にブランドを想起してもらうための活動全般を指しています。
一方、マーケティングは「うちの商品はとても良いですよ!」と商品を買ってもらうために事業者が顧客に働きかける活動全般を指しています。
つまり、顧客が自発的に想起するか、顧客に想起させるかがブランディングとマーケティングの違いです。
ブランディングで顧客にイメージを植え付けることで、商品を購買してもらったり口コミを拡散させてもらうことができます。
ECサイトにブランディングが必要な理由
ECサイトにブランディングが必要な理由は以下の2点です。
- ネット販売への参入が増加して差別化が必要になりはじめたため
- 商品そのものではなく”ブランドストーリー”がより重要になったため
なぜブランディングが必要か納得できないと行動に移しにくいと思うので、まずは理由から解説します。
ネット販売への参入が増加して差別化が必要になりはじめたため
コロナの影響などもあり、オンラインで商品を購入する人が増加し、さまざまなネットショップが立ち上がり競争が激化しています。
ライバルが増え競争が激しくなると、無数のECサイトから選んでもらえるような差別化が必要です。
差別化のポイントは、デザインだけではなく、決済方法が揃っていること、画面遷移がスムーズなことなど。
「洋服を買うならZOZOTOWN!」のように、まず第1にお客さんに想起してもらえるようにECサイトのデザインから機能までこだわりを持つ必要があります。
商品そのものではなく”ブランドストーリー”がより重要になったため
モノそのものではなく、その背景の”ブランドストーリー”がより重要になったのも大きな理由です。
例えば、自動車ブランドのNISSANは「やっちゃえNISSAN」という「自分の信じる道に勇気をもって踏み出そう」というマインドが、ブランドの存在意義として共有されています。
ブランディングにより「チャレンジャーといえばNISSAN」のようなイメージを植え付けることで、TOYOTAなどのライバルからの顧客奪取に成功しているのです。
NISSANのように顧客にイメージを植え付けるためには、ECサイトのデザインもこだわる必要があります。
ブランドの世界観と一致するようなUI/UXにすれば、ユーザーにブランドのイメージを植え付け、商品を購入してもらえるようになるのです。
ECサイトブランディングによる3つの効果
ECサイトブランディングによる効果は以下3つです。
- ブランドへの愛着が増してリピーターが増加する
- 口コミが拡散されて集客アップが見込める
- 安売りせずとも商品が売れる
それぞれ重要なポイントなので順番に解説します。
1:ブランドへの愛着が増してリピーターが増加する
ブランドへの愛着が増してリピーターが増加することが1つ目の効果です。
ECサイトのデザインや機能を改善して、ブランディングに成功すると、そのECサイトに愛着を持ってくれるユーザーが増加します。
「愛着で売上が上がるの?」と思うかもしれませんが、愛着の効果は絶大です。
みなさんも”汚れてしまったけどなぜか捨てられない洋服”のようなものを持っているのではないでしょうか。
というのも、ものに愛着を持つとそれが自分のアイデンティティを形成するものの1つとなるため、なかなか切り離すことができなくなるのです。
愛着さえ持ってもらえれば、自分を形成する重要なブランドになれるので、自然にリピーターが増加するようになります。
2:口コミが拡散されて集客アップが見込める
口コミが拡散されて集客アップが見込めるのも重要な効果です。
皆さんも自分が気に入っているものを家族や友人に勧めることはないでしょうか?
人間は自分が好きなものを他人にもシェアしたくなる習性があります。
そのため、ブランディングに成功しファンが増えれば、そのファンがさらにお客さんを連れてきてくれるようになります。
こうなれば、広告宣伝費をかけなくても勝手にお客さんが集まるので、余ったお金で商品開発などを行い、さらなる売上アップも見込めます。
3:安売りせずとも商品が売れる
最後は安売りせずとも商品が売れるようになることです。
例えば、時計業界では、他の時計と機能差がほとんどないようなロレックスの時計が数百万円、数千万円で売れます。
これは「高級時計といえばロレックス」のようにラグジュアリーなイメージを顧客に植え付けることができているためです。
このようなイメージを植え付けることができているので、「高いけどどうしてもロレックスが欲しい」といった気持ちにさせることができます。
つまり、ブランディングに成功すれば、価格競争から抜け出し大きな利益率をあげることができるのです。
ブランディングのためにはイメージ戦略が重要なので、ECサイトの細部のデザインまでこだわる必要があります。
ECサイトのブランディングを行う方法
Amazonや楽天などのECモールに出店すれば、簡単にネットショップを開設できます。
しかし、他のショップと似たようなデザインになったり、スーパーのチラシのようなゴチャゴチャした雰囲気になったりして、ブランディングは難しいです。
そのため、自社のブランディングを目指すのであれば独自のECサイトを構築する必要があります。
Shopifyなどでブランドの世界観を表現したECサイトを構築する
ブランディングに向けて独自のECサイトを構築するには、Shopifyなどのネットショップ構築サービスの利用がおすすめです。
Shopifyを使えば、ブランドの世界観を表現したECサイトを簡単に構築できます。
Shopifyをもっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
ECサイトのブランディングで成功するための3つのポイント
ECサイトブランディングで成功するには以下3つが重要です。
- 自社のターゲット顧客を定義する
- 競合サイトを分析する
- UI/UXを改善する
この3つを押さえておくとECサイトのブランディングの成功確率が大幅にアップします。
1:自社のターゲット顧客を定義する
まずは自社のターゲット顧客を定義するのが重要です。
なぜなら、誰に商品を届けたいか定義しないかぎり、ECサイトをどういうデザインでまとめるべきか判断ができないからです。
例えば、大人男性向けのビジネスウェアを販売しているとします。
この場合、ECサイトのデザインはモダンでシンプルなものであれば、商品のコンセプトと大きくずれることはないでしょう。
一方で、淡いピンクなどをメインカラーに使っていれば「女性向けのショップなのかな?」と迷って途中でサイトを閉じる人も多いはずです。
必ず最初に自社のメインターゲットを定義し、彼らが違和感を抱かないデザインにする必要があります。
2:競合サイトを分析する
競合サイトの分析も重要です。
具体的には、人気のECサイトを実際に使ってみて、自社のECサイトと異なる要素を洗い出してみましょう。
例えば、画面内に表示される商品の数や、「商品をカートに入れる」ボタンの位置、支払方法の入力までの導線などをチェックします。
そうすることで、人気のECサイトがどんな工夫をして顧客の離脱を防止しているのか把握できるのです。
商品やブランドイメージで差別化するためにも、ECサイトの使いやすさは競合と同じかそれ以上に整えておきましょう。
3:UI/UXを改善する
UI/UXを改善し続けることも欠かせません。
UI/UXとは簡単に言うと、ECサイトの使いやすさです。
顧客が「このECサイト使いにくいな…」と感じている箇所を把握して改善する必要があります。
そのためには、ECサイトの購買行動を以下の6ステップに分けると分析しやすいです。
- サイトに訪れる
- 商品を探す
- 商品をカートに入れる
- 支払方法を決定する
- 配送方法を決定する
- 購入する
これらのどのステップで顧客が離脱しているのかを数値化しておくと、顧客がどこに使いにくさを感じているかを確認できます。
例えば、支払方法を入力するところで離脱が多い場合、「顧客が求める支払方法に対応できていないのでは?」などの仮説を持てるようになり、改善の打ち手も明確になります。
UI/UXを改善し、ストレスを感じず買い物ができるネットショップに育てることで、誰かにすすめたいブランドになるのです。
ECサイトのブランディングではD2Cを理解しておくことも重要!
今回はECサイトのブランディングについて、ブランディングが必要な理由から、ブランディングの効果、押さえておくべきポイントについてお伝えしました。
振り返りですが、ECサイトにブランディングが必要な理由は以下の2点です。
- ネット販売への参入が増加して差別化が必要になりはじめたため
- 商品そのものではなく”ブランドストーリー”がより重要になったため
競争環境や顧客の志向が変化したためブランディングが求められているのでした。
また、ECサイトのブランディングによって得られる3つの効果についても紹介しました。
- ブランドへの愛着が増してリピーターが増加する
- 口コミが拡散されて集客アップが見込める
- 安売りせずとも商品が売れる
ブランディングによって集客力がアップし、利益率が改善されます。
ECサイトのブランディングを進めていくときは以下の3つを必ず押さえましょう。
- 自社のターゲット顧客を定義する
- 競合サイトを分析する
- UI/UXを改善する
また、ネット通販・D2C事業が上手く軌道に乗り、注文の増加・売上の拡大・ブランド認知度が向上してくると、不正注文も増えてきます。
不正注文とは、クレジットカードを不正利用した商品の購入や悪質な転売目的での商品購入などのことを指します。
これらが起こると自社の利益が減ったり、商品は発送しているのに売り上げになっていない..なんてことになってしまいます。
すでに月100件以上の注文があったり、不正注文の管理の仕方を知らない事業者などは以下の記事を参考に不正注文対策をしましょう。