「D2C事業って難しそうだけど立ち上げの際に気を付けておくべき事ってあるの?」「D2Cって言葉をよく聞くけど今ってチャンスなの?」と気になっていませんか?
このようにお悩みの方に向けて今回は
- D2C事業の立ち上げのステップ
- D2C事業を今立ち上げるべき理由
- D2C事業で成功するポイント
について整理しました。
「D2C」は新しい概念であるため、ビジネスに適用するためのノウハウがまだまだ少ない状況です。
しかし、立ち上げのポイントを押さえるだけであればハードルは高くありません。
今回は立ち上げのステップを5つに分けて重要なポイントを中心に解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
D2C事業立ち上げの5ステップ
D2C事業立ち上げのステップは以下の5つに分けれます。
- ステップ1:D2C事業のビジョン・ブランドの世界観を描く
- ステップ2:D2C事業の商品を開発する
- ステップ3:D2C事業のビジネスモデルを策定する
- ステップ4:D2C事業のインフラ(組織体制・システム)を構築する
- ステップ5:D2C事業のマーケティング・プロモーションを実施する
これらのステップを理解・実践することで、D2C事業の成功確率が大幅に上がります。
ステップ1:D2C事業のビジョン・ブランドの世界観を描く
ステップ1は、D2C事業のビジョン・ブランドの世界観を描くことです。
ビジョンやブランドの世界観がなければ、事業としてどこに向かっていけばいいかわからず、戦略を構築することができません。
「D2C事業でどんな顧客の悩みを解決したいのか?」「どんなブランドを作って世の中に変化をもたらしたいのか?」考え抜く必要があります。
そこで、以下のような方法を活用することで顧客理解が深まり、ビジョン・ブランドの世界観を描くインプットにすることができまるので試してみてください。
- 想定ユーザーへのインタビュー
- カスタマージャーニーマップの作成
未来の社会を想像し、D2C事業のビジョンやブランドの世界観が言語化できるレベルまで徹底的に考え抜きましょう。
ステップ2:D2C事業の商品を開発する
ステップ2は、D2C事業の商品を開発することです。
ビジョンやブランドの世界観を描くことができたら、それらを体現した商品を開発してみましょう。商品開発におけるポイントは最初からあまり作りこまず、大量生産せず、まずはプロトタイプ(試作品)を少量開発してみることです。
商品は実際に触ってみないとわからないことが多いものです。
そのため、プロトタイプを開発し、顧客に実際に使ってもらってフィードバックを受けることで、手戻りなどの無駄なコストをかけずに求めれれている機能だけを拡充できます。
ステップ3:D2C事業のビジネスモデルを策定する
ステップ3は、D2C事業のビジネスモデルを策定することです。
ビジネスモデルとは、簡単にいえば「お金を儲ける仕組み」です。
ビジネスモデル策定の方法論であるビジネスモデルキャンバスの考えを参考にすると、以下のような要素について考える必要があります。
▼ビジネスモデル策定に考えるべき10個のこと
- 主要な顧客は誰か?
- どのような価値を提供するのか?
- どのチャネルから商品を届けるのか?
- どのような関係を顧客と構築・維持するのか?
- 誰が有望なパートナーか?
- どのような価値を提供するのか?
- どのようなリソース(人材・資産など)が必要か?
- 価値を提供するために重要な活動は何か?
- コスト構造はどうすべきなのか?
- 収益はどうやって上げるのか?
これらそれぞれの問いに対して、言語化できるレベルまで徹底的に考え抜く必要があります。
また、財務シュミレーションを行っておくことも重要です。
Excelなどで自社の利益構造を因数分解し、指標となる【客数】【客単価】【売上原価】【販管費】【一般管理費】を元に売上や営業利益を計算してみましょう。
さらに、全てうまくいった場合・最悪の場合・まずまずの場合など、複数のシナリオ作成し、
- D2C事業を行うには最低いくら必要で、利益はどれほど出そうなのか
- 万が一、事業が失敗した場合に想定される赤字幅はどれほどになるのか
を事前にシュミレーションしておきましょう。
ビジネスモデル策定のステップがD2C事業の成否を分けると言っても過言ではないため、論理的に腹落ちするまで考え抜きましょう。
ステップ4:D2C事業のインフラ(組織体制・システム)を構築する
ステップ4は、D2C事業のインフラ(組織体制・システム)を構築することです。
まず、組織体制は大きく「機能別組織」と「事業別組織」どちらを採用するのか考える必要があります。
「機能別組織」とは調達・生産・販売など業務内容ごとに編成された組織を指します。調達なら調達業務だけなど、従業員は各々の組織の業務のみをこなすため、専門性を高めるのに適した組織構造です。
「事業部組織」とは事業・商品ごとに調達・生産・販売など全ての機能を持つように編成された組織を指します。
現場に権限が委譲されるので、責任の所在を明確にできる組織構造です。
これらの特徴を考慮すると、
- 立ち上げ時:機能別組織としてスタート、従業員の専門性を高める
- 商品ラインナップの増加or複数の事業展開:事業部組織に切り替えて、権限を委譲
という流れがベターだといえます。
次にシステムですが、ECサイト構築にShopifyなど既存サービスを利用するか、フルスクラッチで開発するかを考える必要があります。
Shopifyなどの既存サービスを利用すれば、早く・安くECサイトを立ち上げられます。
一方、フルスクラッチの場合は立ち上げまでに時間がかかり、高コストになりがちですが、既存サービスではカバーしきれない細かな要望も満たす開発が可能です。
D2C事業立ち上げの段階ではまだ成功するか否か判断できないため、万が一失敗した場合の撤退も視野にいれて、安価なShopifyなどの既存サービスを利用することをおすすめします。
ステップ5:D2C事業のマーケティング・プロモーションを実施する
ステップ5は、D2C事業のマーケティング・プロモーションを実施することです。
マーケティングやプロモーションで考えるべきポイントは「誰に」「何を」「いつ」「どこから」「どうやって」届けるかです。
マーケティング・プロモーションを実施するために
「誰に」についてはビジネスモデル策定のステップで考えた主要な顧客が当てはまります。
「何を」ではその顧客に刺さりそうな訴求内容を考えます。訴求内容の候補が複数あるときは、A/Bテストを実践し、訴求効果の高い方を採用することで広告効果が高まります。
また、「どこから」「どうやって」の部分に関しては、D2C事業に活用できるデジタル広告の活用をおすすめします。
デジタル広告には以下5種類あります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リマーケティング広告
- アフィリエイト広告
- SNS広告
この5つの広告は、予算に合わせて上記の広告をカスタマイズ配信したのち、どれだけのCV(コンバージョン)を獲得できているか効果検証することが重要です。
広告配信、効果検証を繰り返し「いつ」配信するのかも含め、自社のD2C事業に最も最適なデジタル広告を選択していく必要があります。
商品がどんなに優れていても顧客に届かなければ意味がなく、コストがかかりすぎても利益になりません。
マーケティング・プロモーションでは必ず効果検証を実施し、改善(PDCA)し続けることが重要です。
D2C事業を今立ち上げるべき理由
D2C事業の立ち上げを迷っていたり足踏みしている場合、今が事業立ち上げのチャンス期ですぐに立ち上げた方が良いと言えます。
その理由は以下の3つです。
- D2C市場が2025年には3兆円規模にまで成長する
- 蓄積されたデータを分析し日々のマーケティングに活用する
- 実店舗やオンラインショップのUI/UXを改善しブランドの世界観を作り上げる
これらを1つずつ解説していきます。
D2C市場が2025年には3兆円規模にまで成長する
1つ目の理由としては、日本のD2C市場がまだまだ拡大することが挙げられます。
株式会社売れるネット広告社によるデジタルD2Cの市場調査では「2025年には3兆円に達すると予測」との調査結果が示されています。
市場規模が拡大するということは、売上を拡大し成長する余地がまだまだあるということなので、立ち上げのチャンスを逃さないようにしましょう。
消費者と直接繋がれるツールが登場した
2つ目の理由としては、消費者と直接繋がれるツールが登場したことが挙げられます。
例えば以下のようなツールをつかうことで、製造者が直接消費者と繋がり商品を販売できるようになってきました。
- 各種SNS:商品の魅力をダイレクトに消費者へアピールできる
- Shopify:安価でクイックに自社ブランドのECショップを制作できる
様々なデジタルサービスが登場し、消費者と直接繋がれるようになったことがD2Cが注目されるきっかけになったといえます。
消費者のニーズを理解し商品開発を行う重要性が増した
最後の3つ目の大きな理由としては、消費者のニーズを理解し商品開発を行う重要性が増したことが挙げられます。
日本のように成熟し豊かになった社会では、SDGs意識の向上など消費者の考え方が変化し、大衆向けの商品を販売してもヒットしなくなってきています。
顧客の声をダイレクトに聞き、彼らのニーズをよく理解した上で独自性のある商品を開発する必要性が高まってきました。
企業は生き残っていくために、消費者の声を生産工程に取り込む必要があるという危機感から、D2Cが広く注目されるようになったといえます。
D2Cで成功する3つのポイント
D2Cとして成功するためのポイントは以下3つです。
- 顧客や購買データを蓄積する仕組みを構築する
- 蓄積されたデータを分析し日々のマーケティングに活用する
- 実店舗やオンラインショップのUI/UXを改善しブランドの世界観を作り上げる
これらを実践することで、自社の世界観を出しながら、データに基づいて売上をあげるD2C事業の構築につながるのです。
以上、3つのポイントの詳細は「D2CとEC(通販・ネットショップ) の違いから成功するためのポイントまで徹底解説!」をご参考ください。
D2C事業の立ち上げではビジョン・ブランドの世界観を最初に描くことが重要!
今回はD2C事業で売上を拡大するための5つのステップから、D2C事業を今立ち上げるべき理由、成功する方法まで紹介させていただきました。
D2C事業の立ち上げではまず最初にビジョン・ブランドの世界観を最初に描くことが重要です。
向かうべき方向性が示されていなければ、事業として従業員やパートナーと協業しながら商品を開発したり、ビジネスモデルを策定することはできません。
D2C事業立ち上げのチャンスを逃さないためにも、D2C事業立ち上げの5ステップを実践しましょう。