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売上が上がる顧客分析の方法とは?3つのステップと主な分析手法5選

IoTやクラウド技術が発展し、様々なデータが企業に蓄積されている昨今。

これらのデータを活用して売上を拡大するために、大企業を中心に勘・経験・根性の経営からデータに裏付けされた経営へシフトしてきています。

今回の記事では、データ活用の最初の1歩ともいえる顧客分析について解説します。

顧客分析の目的から、具体的な進め方、よく利用する手法まで幅広くお伝えするので、「データの活用方法がわからない・・・」という方はぜひご一読ください。

再現性をもって売上を拡大するために、データに基づいた意思決定ができるようになりましょう。

顧客分析とは?

結論からいうと、顧客分析とは数値化できない「定性的データ」や数値化できる「定量的データ」を分析して、顧客の理解を深めることです。

数値化できない定性的なデータの例としては商品・お店などのレビュー欄が挙げられます。

例えば、食べログの口コミでは様々な人のお店に対する評価が確認可能です。

このレビュー欄を分析するとお客さんが感じていることを把握でき、店舗設計やお店のスタッフの教育、商品の改善に活用できます。

一方、定量的なデータの例としては、ECサイトでの購買ログデータなどが挙げられます。

例えばAmazonのデータベースには「誰が何をいつ買ったか」というデータが大量に蓄積されています。

それを分析・活用すると、お客様の嗜好性が把握できるため、それぞれのお客さんに合った商品をレコメンド可能です。

蓄積されたデータを活用し、顧客への理解を深めることが顧客分析です。

顧客分析の目的とは?

なぜ顧客分析に取り組む必要があるのでしょうか?

ずばり、分析をしたうえで根拠を持ってビジネスを改善していくためです。

顧客分析の目的を、さらに分類すると大きく以下の3つです。

  1. 現状を把握して打ち手を検討する
  2. 商品やサービスを改善する
  3. マーケティング施策を効率化する

これからそれぞれ解説します。

現状を把握して打ち手を検討する

顧客分析の1つ目の目的は、現状を把握して打ち手を検討することです。

例えば、カフェを経営しているけれど、来店者が減っていて売上が下がってしまっているという状況だとします。

この場合、「女性・男性どちらの来店者が減っているのか?」、「若年層・シニア層のどちらが来店しなくなっているのか?」などを正確に把握している必要があります。

なぜなら、現状を正しくつかまなければ正しい打ち手が考えられないからです。

カフェの例でいくと、顧客分析により「女性の来店者が特に減っている」という結果が得られたとします。

こうなれば、女性が来店してくれるように「店舗の雰囲気をオシャレにしてみよう」や「女性限定の割引DAYを作ってみよう」など具体的なアクションに繋がります。

まず現状を正確に捉えることで、具体的な打ち手を考えることができるのです。

商品やサービスを改善する

次に、商品やサービスを改善することも顧客分析の目的です。

例えば、食べログのレビュー欄で「味はいいけど盛り付けが微妙」、「スタッフの対応が行き届いていない」などのレビューがあったとします。

こうなれば、改善すべき点が明確になるので「お皿のデザインを変えてみよう」、「バイトスタッフの教育マニュアルを作ってみよう」とか具体的な打ち手が浮かんでくるのでアクションに繋がります。

商品やサービスの改善に向けたアクションを明確化できるのが顧客分析に取り組む意義です。

マーケティング施策を効率化する

マーケティング施策を効率化するのも顧客分析の目的です。

例えば、飲食店で100円割引クーポンを店舗から半径3km以内に紙のちらし(ポスティング)で配っていたとします。

顧客の住所情報などのデータを活用すれば、実際に来店してくれたお客さんは2km圏内から来ている人が80%以上で、お店から2km以上離れている人に配っても効果が薄いといったことがわかります。

こうなれば、ポスティングの販促費を下げつつ、売上を最大化するために「ポスティングは2km圏内にする」といった具体的な方針を得ることができます。

このように、顧客分析に取り組めばマーケティング施策を効率化できるので、コストを削減しつつ売上を拡大できるのです。

顧客分析の3ステップ

顧客分析は具体的に以下の3ステップで進めます。

  1. 課題・論点を定義する
  2. 仮説を洗い出す
  3. 分析で仮説を検証する

データをただ眺めればいいという訳ではなく目的をもって分析するのが重要です。

それぞれのステップを解説します。

1:課題・論点を定義する

まず最初のステップは課題・論点を定義することです。

例えば、コンビニ経営で「売上が徐々に下がってきている」という課題があったとしましょう。

売上は「客数×客単価」なので、まずは客数が減っているのか、それとも客単価が下がっているのかを把握する必要があります。

そうすると、論点が定まり、本当に解決すべき課題がはっきりするのです。

例えば購買データなどを分析すると、客単価は過去と同じ水準であることが判明したとします。

こうなると、課題は客数を戻していくことに定まり「客数はなぜ減っているのか?」「客数を増やすにはどうすればいいか?」を考えていく流れができます。

まずは何よりも真の課題、つまり論点をはっきりさせるのが最初の一歩です。

2:仮説を洗い出す

論点が明確になれば次に仮説を洗い出す必要があります。

仮説とは論点に対する仮の答えです。

具体的にいうと、「客数はなぜ減っているのか?」に対する仮の答えで「男性客が特に減っているのではないか」、「スーパーにお客が奪われているのではないか」などが仮説の例といえます。

こうした問いに対する仮説を思いつくだけまずは洗い出し、優先順位や検証可能性を確かめることが重要です。

3:分析で仮説を検証する

仮説を洗い出せれば最後はその仮の答えを分析で検証することが重要です。

優先順位が高いものから順に顧客分析を実施して、データで仮説を裏付けします。

例えば、「スーパーに客が奪われている」という仮説を検証するために競合分析を実施したとします。

分析を進める中で実は「スーパーだけじゃなくドラッグストアにもお客さんが流れている」といった結果が得られたとします。

そうなると次に、「スーパー・ドラッグストアに流れたお客さんをどうやって戻すか?」といった新たな論点が生まれ、どんどん具体的なアクションに繋がる分析を進めていくことができます。

論点を設定し、仮説を立てて、分析で検証するという3つのサイクルを繰り返すことが非常に重要です。

実務でよく利用される顧客分析の主な手法5選

最後に実務でよく利用される顧客分析の手法を紹介します。

  1. N1分析
  2. セグメンテーション分析
  3. RFM分析
  4. NPS分析
  5. AI・機械学習による分析

それぞれよく利用する手法なのでポイントを中心に解説します。

N1分析

N1分析は1人のユーザを徹底的に深堀りする手法です。

ユーザーを選定し性別や年代だけでなく、ECサイトの閲覧履歴やリアル店舗での来店履歴、購入履歴を時系列に並べます。

時系列に顧客の行動を把握すると、どういった行動を経て購買に至っているかなど自社の顧客を深く理解できます。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析は、顧客を複数のグループに分割してそれぞれのグループの行動特性を確認する手法です。

実際のグループ分けの例ですが、はじめは性別や年齢で分けることが多いです。

そして、「女性グループはスイーツがよく売れていて、男性グループはお酒がよく売れている」のように、それぞれのグループに属する顧客の詳しい属性や購入商品を分析します。

RFM分析

RFM分析とは、以下3つの指標で顧客をランク付けする手法です。

  • Recency (最近の購入日)
  • Frequency(来店頻度)
  • Monetary (購入金額)

このRFM分析によって自社の売上に貢献している顧客を把握できます。

また、低ランクのユーザーと高ランクのユーザーを比較すると、どうすれば低ランクのユーザーを育てられるか示唆を得ることにもつながります。

高ランクのユーザーに育て、売上を拡大するための施策を考えるのに適している手法です。

NPS分析

NPS分析は顧客の満足度を計測する分析手法です。

NPSは「あなたはこの企業を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」というアンケートを行い、0〜10の11段階で評価をしてもらうことで計測可能です。

アンケートの結果から批判者(0〜6)、中立者(7〜8)、推奨者(9〜10)に分類し、推奨者をN1分析でさらに分析して満足度を向上させる方法を探ります。

そこで得たヒントを基に、満足度を向上させる施策を実行していくことが多いです。

AI・機械学習による分析

最後はAI・機械学習による分析もよく利用される手法です。

例えば、セグメンテーション分析を人間が決めたルールで分類せず、AI・機械学習に自動でグループをお任せするクラスタリングという手法はよく利用されます。

また、ECサイトなどでよく見る「あなたにはこれがおすすめ」といった商品レコメンド機能もAI・機械学習が利用されています。

とはいえ専門的な知識が必要な部分もあるので、まずはAI・機械学習が顧客分析にも活用され始めていることを押さえておく程度でも十分です。

勘に頼らず顧客分析のデータから施策を考えることが重要!

今回は顧客分析について、目的から、具体的な進め方、よく利用する手法についてお伝えしました。

振り返りですが、顧客分析の目的は以下の3点です。

  1. 現状を把握して打ち手を検討する
  2. 商品やサービスを改善する
  3. マーケティング施策を効率化する

まとめると顧客分析の目的は現状を把握し、商品やサービスの改善・施策の効率化に活かすことでした。

また、顧客分析は以下の3ステップで進めます。

  1. 課題・論点を定義する
  2. 仮説を洗い出す
  3. 分析で仮説を検証する

論点を設定して、仮説を検証する流れで分析を進めるのがスムーズです。

また、最後にご紹介した実務で頻繁に利用される顧客分析の5つの手法もぜひ取り入れてみてくださいね。

  1. N1分析
  2. セグメンテーション分析
  3. RFM分析
  4. NPS分析
  5. AI・機械学習による分析

もし「自社のデータをどのように分析したらよいかわからない…」とお悩みの場合は、かっこのデータサイエンスをお試しください。

また、ネット通販・D2C事業が上手く軌道に乗り、注文の増加・売上の拡大・ブランド認知度が向上してくると、不正注文も増えてきます。

不正注文とは、クレジットカードを不正利用した商品の購入や悪質な転売目的での商品購入などのことを指します。

これらが起こると自社の利益が減ったり、商品は発送しているのに売り上げになっていない..なんてことになってしまいます。

すでに月100件以上の注文があったり、不正注文の管理の仕方を知らない事業者などは以下の記事を参考に不正注文対策をしましょう。

〜ネット通販(EC)やD2C事業に付きまとう不正注文が起こる原因や対策を解説〜
フセラボ 不正注文対策について

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