「D2Cって言葉を最近よく聞くけどいまいち言葉の意味がわからない!」というお悩みの方に向けて今回は
- D2Cの定義
- D2Cが流行っている背景
- D2Cのメリット・デメリット
についてまとめました。
D2Cは専門用語のようで難しく感じるかもしれませんが、概要をつかむだけであればハードルは高くありません。
ポイントを押さえることで簡単に理解することができるので、要点を絞って紹介させていただきます!
〜ネット通販(EC)やD2C事業に付きまとう不正注文が起こる原因や対策を解説〜
Contents
D2Cとは?
結論からいうと、D2C(D to C)とは「Direct to Consumer」の略で、メーカーなどの製造企業が自社で企画、生産した商品を中間業者や小売店をはさむことなく、消費者へ直接販売する取引形態のことを指します。
中間業者や小売店を挟まず、ダイレクトに消費者と繋がることで商品のコンセプトやブランドの世界観を様々な手法で伝えることができます。
D2Cと似たような言葉にはB2BとB2C、C2Cがあります。
- B2Bは「Business to Business」で企業同士の取引
- B2Cは「Business to Consumer」で企業と消費者の取引
- C2Cは「Consumer to Consumer」で消費者同士の取引
をそれぞれ意味しています。
D2Cは企業(製造者)と消費者の直接取引なので、B2Cの中の取引形態の1つであるとご理解いただければ問題ないです。
D2Cが流行している背景
株式会社売れるネット広告社によるデジタルD2Cの市場調査では「2025年には3兆円に達すると予測」との調査結果が示されています。
続いては、これほどまでD2Cが注目を集めている理由をお伝えします。
消費者と直接繋がれるツールが登場した
まず1つ目の大きな理由としては、消費者と直接繋がれるツールが登場したことが挙げられます。
- 各種SNS:ライブ機能で商品の魅力をダイレクトに消費者へアピールできる
- Shopify:誰でも簡単に自社のブランドのECショップを制作できる
上記のようなツールをつかうことで、卸売や小売店をはさまずとも、製造者が直接消費者と繋がれるようになってきました。
デジタル技術が発展し、様々なサービスが登場したことで、消費者と簡単に直接繋がれるようになったことがD2Cが広く注目されるきっかけになったといえます。
消費者のニーズを理解し商品開発を行う重要性が増した
次に2つ目の大きな理由としては、消費者のニーズを理解し商品開発を行う重要性が増したことが挙げられます。
これまでの大量生産・大量消費社会においては、製造者は大衆に向けた製品を生産すれば良かったです。しかし、成熟した社会では、SDGs意識の向上など消費者の考えが変化してきているため、大衆向けの商品では消費者に受け入れてもらえなくなってきています。
顧客の声をダイレクトに聞き、彼らのニーズをよく理解した上で独自性のある商品を開発する必要性が高まってきました。企業が生き残っていくには、消費者の声を生産工程に取り込む必要があるという危機感から、D2Cが広く注目されるようになったといえます。
D2Cでできることとは?
D2Cでは、製造者が顧客に対して直接ブランドの世界観を伝え、商品を販売することができるようになります。
具体的なイメージを掴んで頂くため、D2Cの代表事例を1つ紹介させて頂きます。
D2Cの代表事例:COHINA
D2Cの代表例としては日本発、女性向けアパレルブランドであるCOHINAが挙げられます。
COHINAは2017年11月に、小柄女性向けのセットアップ1つからスタートしたD2Cブランドです。当時大学生だった2名の創業者が、自身の「小柄でも似合う服がほしい」という思いからはじまりました。
当初は400名だったというInstagram公式アカウントのフォロワーは今では20万人を超えるまでに成長。
引用:COHINA -155cm以下の小柄女性向けブランド-(公式Instagram)
365日インスタライブを配信しており、小柄女性モデルによる洋服の着用を通して、消費者へ商品コンセプトやブランドの世界観を伝えています。
また、消費者はインスタライブの中で、女性モデルに対して、着用して欲しい洋服を指定し着用してもらうこともできるので、「小柄な自分にはサイズが合わないのでは?」という心配事も解消することができています。
D2Cの代表事例ということもあり、その特徴は消費者とのダイレクトコミュニケーションです。直接コミュニケーションを取ることで消費者の悩みやニーズを汲み取り、売上を拡大することに成功しているといえます。
D2Cのメリット
D2Cの具体的なイメージが湧いたところで、D2Cのメリットについて3つ紹介させて頂きます。
高い収益性を期待できる
D2Cの1つ目のメリットとしては、高い収益性を期待できることが挙げられます。
これまでは卸売業者や小売店を経由して商品を販売する必要があったため、卸売御者や小売店へ手数料を支払う必要がありました。
しかし、D2Cでは製造者が商品の開発・製造から販売までを自社で行うため、中間マージンを支払う必要がなくなり、利益率が高まることが期待できます。
施策の自由度が高い
D2Cの2つ目のメリットとしては、施策の自由度が高いことが挙げられます。
これまでは小売店を経由して販売する場合は、その小売店のマーケティングに任せることになるので商品コンセプトやブランドイメージの微妙なニュアンスを正確に伝えることが困難でした。
しかし、COHINAでの例のように、D2Cであればインスタライブを毎日配信するなど独自のマーケティングを展開し、消費者へ商品のコンセプトやブランドの世界観をしっかり伝えることができます。
顧客データを蓄積・活用できる
D2Cの3つ目のメリットとしては、顧客データを蓄積・活用できることが挙げられます。
これまでは小売店などで販売していたため、製造者が「誰が・何を・いつ」買ったのか把握するのは困難でした。
しかし、D2CではECサイトのログとして顧客データや閲覧・購買データを収集・蓄積することができるようになるため、自社の顧客や売れ筋商品を即座に理解し、商品開発に活用できるようになります。
D2Cのデメリット
次にD2Cのデメリットについて 2つ紹介させて頂きます。
集客コストが高い
D2Cの1つ目のデメリットとしては、集客コストが高いことが挙げられます。
例えばAmazonや楽天などの通販用のプラットフォームを利用する場合は、プラットフォーム側が多大な広告費を投下し、消費者を集めてくれます。
しかし、D2Cビジネスの場合は、自社で魅力的な商品を開発し、マス広告やオウンメディアを活用して消費者を集める必要があるため、集客にかかる初期コストが高くなる傾向があります。
マーケティングノウハウが必要
D2Cの2つ目のデメリットとしては、マーケティングノウハウが必要なことが挙げられます。
これまでは商品の販売を小売店に任せていたため、売れそうな商品を企画・生産することに集中すればよく、販売に関するノウハウは不要でした。
しかし、D2Cでは自社で消費者を集め、販売していく必要があるため、「どのチャネルを使ってどうやって商品の魅力を伝えアプローチするのが効果的なのか?」というマーケティングのノウハウを持っていることが必須です。
D2C を始める際、販売に関してはノウハウが蓄積されるまで手探りで進んでいかなければいけないというリスクはあります。
顧客をよく理解して、商品の世界観を伝えるD2Cで高収益を!
今回はD2Cについて、定義から流行している背景、メリット・デメリットを紹介させていただきました。
D2Cを成功させるには何よりもまず顧客をよく理解ことが重要です。そのうえで、商品コンセプトやブランドの世界観を直接伝えることが、高収益につながります。
D2Cのポイントを押さえて、今日から自社のビジネスへ活かしてみてください。