いまや様々な業界で話題になっているD2C事業。
話題を集めている理由は便利なツールの登場にあります。
BaseやShopifyのように簡単にネットショップを開設できるサービスや、InstagramやFacebookなど顧客と直接つながるツール。
これらが登場したことでアイデアさえあれば誰でもD2C事業に参入できるようになりました。
こうした状況で、「私もD2C事業をはじめてみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、D2C事業のはじめ方から、立ち上げ後やるべきことまで整理しました。
成功確率を大幅にUPできるように解説するので、これからD2C事業をはじめる予定の方はぜひご一読ください。
Contents
D2C事業のはじめ方ロードマップ
D2C事業のスタートダッシュを決めるための、ロードマップは以下5つに分けられます。
- ステップ1:ビジョン・ブランドの世界観を描く
- ステップ2:商品を企画・開発する
- ステップ3:ビジネスモデルを策定する
- ステップ4:顧客と繋がるための仕組み(SNS/ECサイト)を構築する
- ステップ5:マーケティング・プロモーションを実施する
1つずつ解説します。
ステップ1:ビジョン・ブランドの世界観を描く
ステップ1はビジョン・ブランドの世界観を描くことです。
D2C事業を行うにはまず何よりもビジョンやブランドの世界観が重要です。
なぜなら、ビジョンがなければ、事業としてどこに向かっていけばいいかわからず、何を目標に業務を進めるべきか見失ってしまうからです。
目標や向かうべき方向がわからなければ生産性は上がらず、事業としての成長も見込めません。
そのため、「これから立ち上げるD2C事業で顧客のどんな悩みを解決したいのか?」を考え抜く必要があります。
ビジョン・ブランドの世界観を描くには、以下のような方法が有効なので、試してみてください。
- 想定ユーザーへのインタビュー
- カスタマージャーニーマップの作成
世の中にどんな影響を与えていきたいのかをを考え抜き、D2C事業のビジョンやブランドの世界観を徹底的に考え抜きましょう。
ステップ2:商品を企画・開発する
ステップ2は商品を企画・開発することです。
ビジョンやブランドの世界観を描くことができたら、それらを体現した具体的な商品を実際に開発してみましょう。
商品開発における大切なポイントは最初からあまり作りこまないことです。
なぜなら、商品は実際に触ってみないとわからないことが多いからです。
そのため、まずは必要最小限の機能を備えたプロトタイプ(試作品)を開発してみましょう。
プロトタイプを実際に使ってもらい感想をもらえれば、手戻りなどの無駄なコストを削減しつつ、顧客が本当に求める商品を開発できます。
これは「アジャイル開発」と呼ばれる手法ですが、様々な業界の商品開発に活用できるのでぜひ試してみてください。
ステップ3:ビジネスモデルを策定する
ステップ3はビジネスモデルを策定することです。
まず、ビジネスモデルとは「お金を儲けるための仕組み」です。
「誰から何を調達するか?」「どの工場で開発するか?」「どのチャネルを使って販売するか?」などを1つずつ定義し、D2C事業の妥当性を検証します。
ビジネスモデルキャンバスの考えを参考にすると、以下のような要素について漏れなく考慮できるので活用してみてください。
- 主要な顧客は誰か?
- どのような価値を提供するのか?
- 誰が有望なパートナーか?
- どのチャネルから商品を届けるのか?
- どのような関係を顧客と構築・維持するのか?
- どのようなリソース(人材・資産など)が必要か?
- 価値を提供するために重要な活動は何か?
- コスト構造はどうすべきなのか?
- 収益はどうやって上げるのか?
これらの項目に明確な回答がない状態でD2C事業をはじめても、失敗する可能性が高いです。
はっきりした回答があるか、もしくは自社のだれもが納得できるレベルまで考え抜きましょう。
また、財務シュミレーションも欠かせません。
自社の利益構造を因数分解し、【客数】、【客単価】、【販管費】、などを計算し【売上】や【営業利益】を試算してみましょう。
うまくいった場合、最悪の場合など、複数のシナリオの採算を数字として出しておくことが大切です。
そうすることで、想定リスクに対して事前に対応策を練った上で事業をスタートできます。
「ビジネスの成否は段取りが8割」とも言いますが、事前にリスクを把握しておくことで事業の成功確率が大幅に変わります。
必ず採算のシュミレーションも実施しておきましょう。
ステップ4:顧客と繋がるための仕組み(SNS/ECサイト)を構築する
ステップ4は顧客と繋がるための仕組み(SNS/ECサイト)を構築することです。
商品が開発され、ビジネスモデルが策定できればいよいよ「どうやってお客さんと直接繋がって商品を販売するか」を考える必要があります。
BaseやShopifyなどの既存サービスを利用すれば、自社でゼロから構築するよりも早く・安くECサイトを立ち上げられます。
そのため、どんなサービスが世の中にあるのか調査することが大事です。
また、D2C事業の肝ともいえるSNSも運用していく必要があります。
D2C事業で活用できるSNSにはInstagramやFacebookなどがありますが、SNSによって利用層や用途が異なるので、自社のブランドと親和性が高いものから運用しましょう。
例えば、Instagramは視覚で訴えかけやすく、若い女性に特に人気なので、女性向けのアパレルブランドなどと非常に相性がいいです。
SNSに投稿する際は、ブランドイメージを損なわないように「この投稿はブランドの世界観とマッチしているのか?」を必ず確認するようにしましょう。
ステップ5:マーケティング・プロモーションを実施する
ステップ5はD2C事業のマーケティング・プロモーションを実施することです。
マーケティングやプロモーションで考えるべきポイントは「誰に」「何を」「いつ」「どこから」「どうやって」届けるかです。
「誰に」についてはビジネスモデル策定のステップで考えたメインターゲットが当てはまります。
そのメインターゲットに対して、「何を」「いつ」「どこから」「どうやって」届けるか考えましょう。
まず「何を」ではその顧客に刺さりそうな訴求内容を模索します。
「ターゲットは主婦だから、割引クーポンやポイント還元でお得感を訴求しよう」「サンプル品を配ったほうが使用イメージがわいてよいのかな」などと、まずはアイデアの数を出すのがおすすめです。
訴求内容の候補が複数あるときは、A/Bテストを実践し、より訴求効果が高かったものを採用していくことで宣伝の費用対効果が大幅にUPします。
また「どこから」「どうやって」の部分に関してですが、D2C事業に活用できるデジタル広告には以下5種類あります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リマーケティング広告
- アフィリエイト広告
- SNS広告
広告出稿前からどれが最もいい効果を出せるかはわからないものです。
そのため、まずは様々な方法を試してみて、どの訴求方法が最もCV(コンバージョン)が高かったかを効果検証するのが大切です。
また、広告を配信すれば「朝の時間帯のCVが高い」などのデータが蓄積されます。
そのため、「いつ」配信するのが最適なのかも明らかになります。
広告にコストをかけて売上が上がっても利益が出なければ事業は継続できません。
そのため、必ず効果検証を実施し、コストを削減しつつ効果を最大化し続けることが大切です。
D2C事業をはじめる際に知っておきたい3つのデジタルツール
次にD2Cをはじめる際に知っておくべきツールを3つ紹介します。
これから紹介するツールを知っておくだけで、効率的にD2C事業を運営できます。
ライバルに差をつけるためにもぜひチェックしてみてください。
ECサイト構築ツール
BaseやShopifyなどのECサイト構築ツールは知っておくべき代表的なツールです。
なぜなら、自分たちでゼロから作るよりも安く速くネットショップを開設できるからです。
自分たちでゼロからECサイトを構築するとなると、「サーバーを準備して、必要なソフトウエアをインストールして、WEBサイトをコーディングして…」とやることがたくさんで、コストも時間もかかります。
スタートからお金も時間もかけてしまうと、撤退しにくかったり売上を取り逃したりなど、あまりおすすめできません。
一方で、BaseやShopifyではネットショップ開設に必要な機能が揃っているため、テンプレートを選んで商品を登録するだけで本格的なECサイトを構築できます。
ECサイト構築のコストを抑えることで、余ったお金を仕入れや広告宣伝に投資できるので、事業を加速させることができます。
また、世の中の変化が激しい時代において、事業立ち上げのスピードはとても重要です。
なぜなら、ECサイトを立ち上げている間に、競合が出てきて顧客を奪われることもあるからです。
スピーディーに事業を立ち上げるためにも、ネットショップ構築ツールを理解し使いこなしましょう。
各種SNSツール
D2C事業において顧客とのコミュニケーションは非常に重要。
InstagramやFacebookなどの各種SNSを通じて顧客とコミュニケーションを取ることになるので、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。
なぜなら、SNSによってユーザーの世代や性別などの属性情報が異なるからです。
例えば、Facebookは年齢層が高めの男性に好まれる傾向がありますが、InstagramやTikTokは若い女性の利用率が高い傾向にあります。
自社のメインターゲットが利用していそうなSNSを選んで運用していきましょう。
効果検証ツール
Googleアナリティクスなどの効果検証ツールも知っておくべきツールです。
なぜなら、広告を出稿した場合に、効果検証ツールがなければ宣伝効果が高かったのかどうか判断できないからです。
利用できる広告宣伝費は限られています。
そのため、できるだけ低コストで集客に繋げて行く必要があります。
効果検証ツールでは広告のCT率(クリック率)や顧客属性を確認できるので、どんな人がどれくらい広告に関心を持ってくれたかを定量的に把握できます。
そうすると、何が好まれて何が敬遠されるのか把握できるようになり、次の広告の精度が高まります。
効果検証を実施して集客施策のPDCAを回すようにしましょう。
D2Cで成功する3つのポイント
最後にD2Cで成功するための3つのポイントを紹介します。
結論からいうと、以下の3つに取り組む必要があります。
- 計画通りに売上が上がっているか確認する
- SNSや広告を活用して集客する
- 消費者の声を取り入れ商品を改善する
1つ目の計画通りに売上が上がっているか確認することについて。
D2C事業の売上が立ってきたら、ビジネスモデル策定時に想定した収支計画通りに売上が上がっているか確認しましょう。
「資金繰りが悪化していないか?」「広告宣伝費を使いすぎてないか?」などチェックして、課題があれば軌道修正していく必要があります。
2つ目のSNSや広告を活用して集客することについて。
素晴らしい商品を開発してもお客さんに気づいてもらえなければお客さんには届きません。
GoogleやYahoo!などの検索エンジン、FacebookやInstagramなどのSNSに広告を出稿してお客さんを集めてみましょう。
3つ目の消費者の声を取り入れ商品を改善することについて。
D2C事業は商品を一度リリースして終わりではなく、むしろそこからがスタートです。
お客さんのレビューを随時チェックして、ニーズを捉えた商品を開発し続ける必要があります。
そうすることで、成長し続けるD2C事業を運営できるのです。
以下の記事ではD2C事業のポイントをより詳細に解説しているので、参考にしてみてください。
D2C事業の売上をあげるには始め方が肝心!
今回はD2C事業のはじめ方から、知っておくべきツール、成功のポイントまで網羅的に紹介しました。
振り返りですが、D2C事業を立ち上げのロードマップは以下の5ステップです。
- ステップ1:ビジョン・ブランドの世界観を描く
- ステップ2:商品を企画・開発する
- ステップ3:ビジネスモデルを策定する
- ステップ4:顧客と繋がるための仕組み(SNS/ECサイト)を構築する
- ステップ5:マーケティング・プロモーションを実施する
この順序通りにD2C事業を立ち上げることで成功確率が大幅にアップします。
また、D2Cで成功するためには、立ち上げ後に以下の3つに取り組む必要があります。
- 計画通りに売上が上がっているか確認する
- SNSや広告を活用して集客する
- 消費者の声を取り入れ商品を改善する
計画通りにD2C事業が進んでいるか定期的にモニタリングし、PDCAを回すようにしてください。